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CafeGroupの一社として、ハイエンドなCGモデリング制作に特化するModelingCafe。各分野のトップクラスの作品制作に携わるをモットーに、東京に続いて2年前から福岡オフィスも開設。日々、精力的に制作活動を続けている。そこで4月から入社が決定しているのが井上拓哉氏だ。採用を担当した北田栄二氏もまじえて、ポートフォリオの評価ポイントや将来の夢などについて伺った。

CGWORLD(以下、CGW):はじめにModelingCafeの説明をいただけますか?

北田 栄二氏(以下、北田):ひと言でいえば「モデリングに特化したCG会社」です。2012年に東京で設立され、2015年4月には福岡オフィスも開設されました。自分も福岡オフィスの代表として、マネジメントからCG制作、そして人材教育にいたるまで、全方位で活動しています。同じCafeGroupとしてアニメーターとジェネラリストが中心になってつくられたAnimationCafeがあり、2017年3月から両社の本社が同じビルに移転し、再スタートを切ります。

株式会社ModelingCafe 福岡支社代表

CGW:井上さんは北田さんの教え子でもあるんですよね。

井上 拓哉氏(以下、井上):もともとゲームが好きで、中学生の頃に家庭用ゲームの『コール オブ デューティ』シリーズに夢中になり、CGクリエイターになりたいと思うようになりました。学校はさまざまな専門学校の体験入学をしたうえで九州デザイナー学院に進学することにしました。そこで特別講師をされていた北田さんにお会いし、ModelingCafeについて興味を持ちました。ゲームだけでなく、さまざまなジャンルに挑戦してみたいと思っていたので、おもしろそうな会社だなと。

CGW:さっそくポートフォリオを見せてもらえますか?

VICTORIAN INTERIOR

井上:最初の作品は18世紀のイギリス製の家具がコレクションされた部屋で、シャーロキアン(シャーロック・ホームズのマニア)の家という設定でつくりました。2年生の時につくったもので、ツールはMayaを使っています。それまではサブディビジョンサーフェースモデリングに頼りがちでしたが、この作品ではソリッドモデルでつくることを目標にしました。テクスチャはPhotoshopで手描きしています。

北田:ちょっとしか表示されないような小物でも、内部まで細かくつくり込まれていて、ディティールの細かさに驚きました。

井上:他に自動車が好きなので、Audi R8やPRO SPORT SR-62といったスポーツカーもつくりました。Audi R8は1年生の5月くらい、SR-62はトリッキーな形状の自動車に挑戦してみたくて、1年生の夏休みに制作しました。すべてサブディビジョンサーフェースモデリングでつくられています。

AUDI R8

PRO SPORT SR-62

CGW:入学して数ヶ月の作品とは思えない完成度ですが、それまで絵やCGの勉強はされていましたか?

井上:いえ、趣味でいくつか描いていた程度ですね。

北田:九州デザイナー学院では、入学前にCGや絵の勉強をしていたような学生はほとんどいませんね。それでもゴールデンウィークから夏休みくらいで、学生間で次第に差がついてきます。卒業までには皆、ある程度のレベルに達しますが、その中でも井上君は比較的早く伸びた学生の一人でした。

井上:1年生の最後の作品では、映画『G.I.ジョー』に登場した水陸両用バイクを作りました。それまでは写真を参考につくりましたが、このCGはイラストが1枚あるだけで、細部の形状はすべて自分で決める必要があり、難易度が高かったです。テクスチャを描いたのも、これがはじめてでした。

M12A1 SLEIPNIR

CGW:北田さんは井上さんのポートフォリオをどのように評価されましたか?

北田:先ほども軽くコメントしましたが、学生作品にしては、ディティールのこだわりが群を抜いていました。学生のうちは実際に業務データとして使えるか否かはおいておいて、一度自分の限界までつくり込んでいる経験が必要だなと思っています。その上で、実際には納期を意識して制作したり、絵としての完成度を高めたりと、仕事を意識した作品づくりが必要になってくるのですが、そこは仕事を始めてから学んでもらえればいいかなと。

CGW:もともと背景アーティストを志望されていたのですか?

井上:いえ、最初は『METAL GEAR SOLID』のスネークをつくりたかったんですよ。しかし、いざCGを学びはじめると、背景をつくり込むのがどんどんおもしろくなっていったんです。キャラクターは人型をはじめ、基本的な形状が決まっていますよね。しかし背景は、機械・小物・建物・自然物など種類が豊富で、国や時代によっても違います。自分はディティールまで、どんどんつくり込んでしまうタイプなので、いろいろなものがつくれる背景の方が向いていると思いました。

CGW:背景をつくっていて、どんな点が楽しいですか?

井上:フォトリアルな映像が好きなので、自分でモデリングして、配置して、レンダリングして、写実的な画ができると、達成感を感じます。

北田:背景には作品の年代や場所、状況などの世界観を規定する力があります。キャラクターだけでは世界観を伝えきるのに不十分ですからね。井上君もぼんやりと感じていると思いますが......。

井上:そうですね。ポートフォリオの「シャーロキアンの部屋」も、シャーロック・ホームズの舞台を意識してつくりましたので。

CGW:現在はModelingCafeでどのようなことをされているのですか?

北田:研修生ということで他の社員と同じように出社してもらって、専門学校の卒業展に出展する作品をつくってもらっています。弊社は午前10時半出社、午後7時半退社ですね。社内にあるハードやツールが使い放題で、社員の誰に相談してもいいという形です。いわば卒業制作を通して、擬似的に仕事を体験させている形です。その後、3月に1ヶ月間だけアルバイトをして、4月から正式採用となります。

CGW:学校で作品をつくるのと職場とで、何か違いはありますか?

井上:周りの人に聞けば、疑問点がすぐに解決するのが良いですね。逆に出社時間・退社時間がきっちり決められているので、遅くまでダラダラと残って作業することができません。そのため完成までのスケジュールを最初にざっくり決めて、毎日の仕事量をはかりつつ、無駄な時間をできるだけつくらないようにしています。

CGW:将来の夢はありますか?

井上:自分はゲームからCGに興味を持ったので、ゲームの案件にかかわりたいですね。そして、いつか海外のスタジオでFPS(一人称視点シューティング)のカットシーン制作などに参加したいなと思っています。今はそのために技術を磨きつつ、時間を見ながらアピールできるような作品をつくっていくつもりです。

CGW:北田さんが井上さんに期待していることは?

北田:モデリングの仕事だけでは新興国に人件費の面でかなわないので、全体的な画づくりの力をつけていってほしいですね。もっとも、これはModelingCafe全体の課題でもありますが。その上で、どんどん上の世代を突き上げて、プレッシャーをかけてほしいです。現状に満足しているだけでは個人としても会社としても成長できません。そのためには若手から追い上げられるのが一番ですから。

CGW:では、今後どのように会社を発展させていかれる予定ですか?

北田:3月に代官山に本社が移転して、ModelingCafeとAnimationCafeが同じ建物に入ります。CafeGroup全体として、各チームのスペシャリティを維持しながら、モデリングからアニメーション、レンダリングまで、すべてできるような体制を整えていく方針で、そのためのインフラ整備や人材面での補強などを進めています。

CGW:求めている人材像についても教えてください。

北田:その時々の会社の状況で求められるスキルセットなどは変わってきます。その中でも「野心がある人」に来て欲しいですね。ModelingCafeを踏み台にするくらいの気持ちでOKですし、そういう人と一緒にやると良い仕事ができますから。CGクリエイター以外に、たとえば「世界的なプロデューサーになりたい」でもいいと思うんですよ。逆に弊社に入ることが目標になっている人だとダメです。常に「その先」を意識している人に来て欲しいですね。

TEXT_小野憲史

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