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デジタルアーティスト志望の学生にとって、はじめてのPC選びは難問だ。そもそも家電量販店で販売されているような大手メーカー製PCは、クリエイティブ用途に特化されていない。そこでオススメしたいのが、PC専門店が販売するショップブランドPCだ。もっとも、用途に応じて最適なオーダーを行うには、パーツに関する専門知識が必要になる。そこでデジタルアーティストの朝倉 涼氏に現場で求められる性能をあげてもらい、「パソコン工房」ブランドで知られるユニットコムに15万円という予算で、はじめてのCG・映像制作向けPCを提案してもらった。

▲パソコン工房 CG・映像制作制作者向けブランド「CG・MOVIE GARAGE」販売サイト。本企画で朝倉 涼氏が監修したCG・映像初心者向けモデルが紹介されている。今後さらなるラインナップが登場予定だ

CPUはCore i7、メモリは32GB、GPUはGeForce GTX1050以上を推奨

パソコン工房スタッフ:第一線で活躍されているデジタルアーティストだけあって、要求スペックも高く、予算内に納めるのに苦労しました(笑)

朝倉涼氏(以下、朝倉):僕らにとってPCは仕事の道具ですから、こだわってしまいますね(笑)。Windowsマシンは拡張性も高いですし、Mac非対応のソフトもあるので、学生さんにはWindowsをオススメします。

パソコン工房スタッフ:15万円という予算内で最大限性能を追求した構成と、コストパフォーマンスを重視した12万円の構成も考えてきました。一番の違いはCPUで、アドバンスモデルではCore i7-6800K、スタンダードモデルではCore i7-6700を選択しています。

朝倉:コア数ではアドバンスモデルに、クロック周波数ではスタンダードモデルに分がありますね。After Effectsのプラグインをはじめ、まだまだマルチコア非対応のツールも現役です。とはいえ、今後はマルチコア対応が前提になりますから、用途に応じた選択が肝心ですね。

パソコン工房スタッフ:メモリに32GBを要求されたのが、デジタルアーティストならではと思いました。8GBから16GBが一般的ですから。

朝倉:仕事で大容量のテクスチャファイルを使用することが多いんです。これから4K時代が来ることを踏まえると、32GBはゆずれませんでした。最大メモリ搭載量はいくらですか?

パソコン工房スタッフ:スタンダードモデルは64GB、アドバンスモデルは128GBです。

朝倉:なるほど。アドバンスモデルは増設次第で4年間使えそうですね。スタンダードモデルは途中で買い換える必要が出てくるかも知れません。

パソコン工房スタッフ:GPUは、どちらもコストパフォーマンスが良いGeForce GTX 1050Tiを選びました。安定性を考えてELSA製のグラフィックスボードを採用しています。

朝倉:レンダリング速度が速いほど試行錯誤の回数が増えますし、制作の終盤では長時間レンダリングし続けることもあるので、速度と安定性の両立もありがたいですね。メモリと同じように物足りなさを感じたら、上位モデルに交換していけば良いと思います。

パソコン工房スタッフ:電源もアドバンスモデルでは大型の700Wを選択しました。

朝倉:500Wでも十分なのに、700Wはすごいですね。カスタマイズ用途に向きそうです。

用語解説 

CPU

PC全体の処理と制御をつかさどる、もっとも重要なパーツ。性能を測る目安となるのがコア数とクロック周波数で、車ならコア数が馬力、クロック周波数が最高速度に相当する。CG・映像制作ならインテルCore i7(4コア8スレッド)で3.4GHz以上はほしい。

GPU

グラフィック処理に特化したパーツ。特にCG・映像業界においてはNVIDIA社のQuadroシリーズ、GeForceシリーズが主流だ。描画の安定性を求めるなら前者を、価格の安さ、スピードを追求するなら後者を選ぶのが一般的だ。

ストレージ

ファイルやプログラムを保存する場所で、SSDとハードディスクに分かれる。SSDは高速だが容量当たりの単価が高価で、ハードディスクはその逆だ。SSDにOSやツールを格納し、ハードディスクにデータを保存するといった使い分けが一般的。

メモリ

CPUやGPUで処理されるデータをストレージから引き出し、一時展開しておくエリア。ストレージが机の引き出しなら、メモリは天板の広さに相当する。CG・映像制作なら最低16GB、できれば32GBはほしいところだ。

朝倉 涼監修[CG・MOVIE GARAGE] CG制作・動画編集向けモデル

[CG・MOVIE GARAGE] CG作成&動画編集向けスタンダードモデル SENSE-R009-i7-LX-CMG

税込価格¥128,499/税抜価格¥118,980

学生からプロの現場でも使用に耐えられるように設計されたエントリーモデル。メモリ32GBを搭載し、多数のソフトも同時に快適に扱うことができる。コストパフォーマンスを重視したスタンダードモデル。

■OS:Windows 10 Home 64ビット ■CPU:インテルR Core i7-6700 プロセッサー (3.4-4.0GHz/4コア/8スレッド/8MBキャッシュ/TDP65W) ■CPUクーラー:標準CPUクーラー ■メインメモリ:DDR4-2133 8GB×4(デュアルチャンネル/計32GB) ■SSD:オプション ■HDD:1TB 3.5インチ Serial-ATA HDD ■VGA:ELSA GeForce GTX1050 Ti S.A.C 4GB GDDR5 ■ODD:24倍速DVDスーパーマルチドライブ ■チップセット:インテルR Z170 Express チップセット ■ケース:ミドルタワーATXケース IW-EA040 [フロントUSB3.0] ブラック ■電源:500W 80PLUS SILVER認証 ATX電源

[CG・MOVIE GARAGE] CG作成&動画編集向けアドバンスモデル SENSE-R009-i7BK-LX-CMG

税込価格¥159,819/税抜価格 ¥147,980

スタンダードモデルよりもさらに拡張性を重視したアドバンスモデル。カスタマイズ次第では4K、8Kクラスの動画素材の編集も可能になる。特に重いデータを扱う可能性の高い実写・VFX業界志望者にはオススメだ。

■OS:Windows 10 Home 64ビット ■CPU:インテルRCore i7-6800K プロセッサー (3.4-3.6GHz/6コア/12スレッド/15MBキャッシュ/TDP140W)■CPUクーラー:標準CPUクーラー ■メインメモリ:DDR4-2133 8GB×4(クアッドチャンネル/計32GB) ■SSD:オプション ■HDD:1TB 3.5インチ Serial-ATA HDD ■VGA:ELSA GeForce GTX1050 Ti S.A.C 4GB GDDR5■ODD:24倍速DVDスーパーマルチドライブ ■チップセット:インテルR X99 Express チップセット ■ケース:ミドルタワーATXケース IW-EA040 [フロントUSB3.0] ブラック■電源:700W 80PLUS BRONZE認証 ATX電源

>>上記モデルのご購入はこちらから

検証内容

検証はアドバンスモデル・スタンダードモデルに加えて、Akari社内マシン(CPU:i7-4770K / GPU: GTX980Ti)の3台で行いました。なお、アドバンスモデルのGPUは上位モデルのGeForce GTX 1080、スタンダードモデルのCPUはi7-6700Kに、それぞれ交換してあります。そのため数値はカスタマイズ後の参考例として捉えてください。結果を見ると「CINEBENCH-CPU」、「CINEBENCH-OpenGL」で予想通り、アドバンスモデルのスコアが頭ひとつ抜けている感じでした。

「CINEMA 4D」でもCPUのコア数の違いが影響したのか、レンダリング時間で差が出ました。「OctaneRender」でもアドバンスモデルとスタンダードモデルでレンダリング時間が2倍ちがいました。もしGPUレンダラを多用したいなら、GPUをGeForce GTX 1080に換装されることをオススメします。一方でGeForce GTX 1080とGeForce GTX 980 Tiで差が乏しかったのは、OctaneRenderがGeForce GTX 10シリーズ世代に対応したばかりで、最適化されていないためでしょう。今後のアップデートなどで変わってくると思います。(朝倉)

▲OctaneRenderによるレンダリング結果

▲CINEMA 4Dによるレンダリング結果

まとめ

単純に「この価格でこれだけの快適な環境が手に入るんだ!」と驚きました。スタンダードモデルはコストを抑えつつ、必要十分な性能になっており、CG制作の入門用に最適だと思います。これに対してアドバンスモデルは、カスタマイズ次第でハイエンド機に匹敵するモデルになり得ると感じました。また、どちらのモデルも拡張性がしっかり確保されており、長く使用できるマシンだと思います。学生だけでなく、プロにとっても、メインマシンとしてはもちろん、セカンドマシンやレンダーサーバとしても優秀な構成だと言えるでしょう。CG制作に携わる全ての人にオススメできるマシンだと言えます。(朝倉)

TEXT_小野憲史
PHOTO_大沼洋平