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オリンピック開催を前に、リアルタイムCGによる高解像度出力も話題にのぼる昨今。今回、マーザ・アニメーションプラネット(以下、マーザ)リアルタイムチームに協力してもらい、技術デモ『The PEAK』のプロジェクトデータを元に、エプソンダイレクトのクリエイター向けPC「Endeavor Pro9000」を活用した高解像度リアルタイムCGにおけるパフォーマンス検証を行なってもらった。その実力はいかに?
TEXT_神山大輝(NINE GATES STUDIO) 、PHOTO_弘田 充
INFORMATION
3DCG・映像工程別
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エプソンダイレクトでは主要DCCツールを使って3DCG・映像制作各作業工程ごとに全11項目・120種類の検証を行なった。下記URLより配布中なのでぜひチェックしてもらいたい。 >>詳しくはこちらから
4KリアルタイムCG時代はRTX 2080 Ti×M.2 SSDが標準に!?
『THE PEAK』
www.marza.com/news/article/1806/
©2019 MARZA ANIMATION PLANET INC.
マーザは、プリレンダー、リアルタイム問わず幅広い分野の3DCG映像を手掛ける国内有数のアニメーションスタジオだ。2019年10月に公開された『THE PEAK』は、Unityを用いて制作されたトゥーン調のハイエンド3DCGで、セルルックとフォトリアルの中間表現を目指して開発が行われた。
マーザ リアルタイムCGチームがこれまで使用していたPCスペックは、インテル Xeon W-2123(4コア8スレッド/3.6GHz)、GeForce RTX 2070(当初GTX960を利用していたが、『THE PEAK』キャプチャ用に導入)、メモリ64GB、HDD 2TBという構成。2年前の購入当時としては十分なスペックだが、『THE PEAK』で行なったようなリアルタイムCG制作においては「4K解像度でのオペレーションが困難」、「8K解像度のキャプチャが不可能」(伊藤氏)という状況となっていた。
- 伊藤 晃氏(映像事業1部 部長)
今回の検証ではCore i7-9800X プロセッサー(8コア/3.8GHz)、RTX 2080 Ti、1TB M.2 SSD PCI Express搭載のエプソン「Endeavor Pro9000」を用いて、Unity上のフレームレートおよびオペレーションのスムーズさの確認と、4K/8K解像度のOpenEXRファイルのキャプチャ速度の測定を行なった。
従来ではカクつきのあったUnity Timeline上のスクラブ再生も、RTX 2080 Tiを採用したEndeavorではスムーズに動いており、「Endeavorでの4K制作が、従来PCでのフルHD制作と同じようなスムーズさ。解像度で見ると、1段階上の動きをしている」(小谷氏)と評価。ライティングを多数配置する画づくりだと、1つ1つの遅さは気にならなくても、複数重なってくるとストレスになる場合がある。都度プレビューしながら画を確認していくためには、GPU性能が重要となる。
- 小谷法人氏(CGゼネラリスト/テクニカルアーティスト)
1フレームあたりのキャプチャ速度については、4K解像度であれば自社PCが6.5秒だったものが2.5秒まで短縮された。GPUのベンチマーク的には1.5倍程度の差となるが、ストレージがHDDからM.2 SSDに変わったことから、キャプチャ速度は2倍以上の有意差が見られている。なお、8Kの1フレーム分をキャプチャするのに掛かる時間は15秒程度。8K解像度をプリレンダーで真っ向からレンダリングすると数日単位になるため、直接比較はできないもののその差は歴然と言える。
4K解像度のスクラブ再生は処理負荷が非常に大きく、従来PCではカーソルにTimeLineがまったく付いてこないという状況だった。実測値は3.6FPSで、Unity自体の動作も決して軽快とは言えない状況だ。一方、Endeavorでは主にRTX 2080 Tiの処理能力から、フルHDではほぼリアルタイム、4K解像度でもある程度のスクラブ再生が可能になっているほか、実測値も7.9FPSと約2倍の有意差が見られた。
HDサイズ再生時のフレームレート比較動画。【上】Endeavorと【下】マーザ自社PC。複雑なシーンほどその差が歴然と現れるのがわかるだろう。
Unity RecorderでOpenEXRファイルをキャプチャする際に要した時間は、4K解像度では従来PCが4分59秒、Endeavorが2分3秒、8K解像度ではEndeavorが9分44秒となった(なお、従来PCでは8Kキャプチャ自体が不可となっている)。RTX 2070とRTX 2080 Tiの性能差と、HDDから1TBM.2SSDへ変わったことから書き込み速度が大幅に向上したことが速度向上の主たる要因だが、マザーボードが最新世代となったことでGPUからSSDへの帯域幅が確保できているのもポイント。
Endeavorを用いた、HDサイズのキャプチャスピード参考動画
なお、今回はアセットを含むUnityプロジェクト全体で約250GB、また出力後の8KサイズのOpenEXRファイルは1枚で100MBを超えるものもあるため、データの大容量化に対応するワークフロー構築も必要となる。その際には「Endeavorならではの容易にHDDが換装可能なフロントベイを用いて、HDD単位でデータ管理・移行を行う手法も考えられる」(松成氏)
- 松成隆正氏(CGエンジニア)
また、アニメーションには大容量のストレージが求められるものの、クラウド利用は回線スピードがネックになる現状においては、ローカルPCでこれだけの大容量を確保できる意味は大きい。さらに、驚くべきはEndeavorの静音性だ。検証はデスクの上にEndeavorを置いて行なったそうだが、「言われるまで音に気づかなかった」(松成氏)とか。
- 高橋 聡氏(リアルタイムチームマネージャー/CGディレクター)
「8Kはまだ再生環境が整っていませんが、4K映像制作が標準化しつつある状況で、Endeavorのようなハイスペックマシンの恩恵は大きいと考えます」(高橋氏)。最新の技術が必須な3DCGの制作現場にとって、Endeavor Pro9000は強力な武器になるはずだ。
Endeavor Pro9000
- CPU
- インテル Core i7-9800Xプロセッサー(8コア/ 16スレッド/ 3.8GHz)
- メインメモリ
- 64GB(16GB×4)
- ストレージ
- 1TB M.2 SSD PCI Express
- GPU
- GeForce RTX2080 RTX Ti
白基調のボディが特徴の「Endeavor Pro9000」はエプソンダイレクトのクリエイター向けPC。日本品質と国内生産をモットーに、1日修理、最短2日出荷、4億通りのBTO、最長6年保守という頼もしいサービス、サポートを提供している。ストレージの交換・増設が容易なフロントアクセス等、クリエイターの痒い所に手が届く仕様が評判だ。
Endeavorシリーズは標準で3年間部品保証が付いているが、それとは別に訪問修理が1~6年単位で選択可能となり、トラブル時も即時的に来社対応をしてくれる。保守サービスは定額のため、導入前から運用年数に照らし合わせた保守コストが想定可能な点もありがたい。