>   >  外付けGPU×小型ノートは現実的か?ソアズロック CGディレクターがASUS RTX30シリーズ内蔵外付けGPU×小型ノートを徹底検証!
外付けGPU×小型ノートは現実的か?ソアズロック CGディレクターがASUS RTX30シリーズ内蔵外付けGPU×小型ノートを徹底検証!

外付けGPU×小型ノートは現実的か?ソアズロック CGディレクターがASUS RTX30シリーズ内蔵外付けGPU×小型ノートを徹底検証!

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広告・プロモーションにおけるCG制作では、手掛ける案件によってはスタジオやクライアント企業まで出向き、「その場で負荷の高い作業をしなければならない」こともある。そのような場合、これまでは高性能なスペックを備えた大型のノートPCで何とか対応するか、あるいはもう最終手段として、日ごろ使っているデスクトップPCを持ち出すこともあっただろう。

そんななか、興味深い製品として登場したのが、ASUSのゲーミングブランドであるROG(Republic of Gamers)(以下、ROG)の13.4型コンパクトゲーミングノートPC「ROG Flow X13 GV301QH」と最新のハイエンドGPU GeForce RTX™ 3080 Laptop GPU(専用ビデオメモリ GDDR6 16GB)を搭載した外付けGPU「ROG XG Mobile GC31」だ。

この2製品がどんな性能と可能性を秘めているのか、ソアズロックの寺村太一氏に、実務での利用を踏まえた目線で検証してもらった。

TEXT_近藤寿成(スプール)
PHOTO_弘田 充
EDIT_池田大樹(CGWORLD)

▲ソアズロック外観写真。名古屋に本社を構える(写真提供:ソアズロック)

CM制作のCGゼネラリストに求められる作業環境は?

名古屋に本社を構えるソアズロックは、その土地柄から自動車会社をメインにさまざまなメーカーからの依頼を受け、製品プロモーションやコンセプトムービー、テレビCM、ミュージックビデオなどの幅広いコンテンツを手掛けている。また、一般的な映像制作プロダクションとはやや異なり、専門のCGチームを社内に抱える点が大きな特徴の1つ。モーショングラフィックスや3DCGからVFXまで「CGと名の付くものはリアルタイム以外は何でもやる」(寺村氏)そうだ。




  • ソアズロック CGディレクター
    寺村太一氏

またそのCGチームは、大手CGプロダクションのように分業化されておらず、寺村氏をはじめとする「デザイナー全員がゼネラリスト」というのが、ソアズロックならではのポイント。デザイナーは専門性に特化していない反面、どのようなタイプの仕事にも柔軟に対応できる「幅広い技術」が求められる。さらに、ソアズロックでは各デザイナーが1人で作品を完パケするような案件も多いため、作品全体のクオリティに対して「各デザイナーが責任意識を持つスタイルになっている」と寺村氏は補足する。

▲【左】TOYOTA GR-Series プロモーション映像/企画・CG制作・編集・コンポジット / 【右】TOYOTA GR-Series プロモーション映像/企画・CG制作・編集・コンポジット

▲【左】ジェイアール名古屋タカシマヤ TV-CM/企画・撮影・CG制作・コンポジット / 【右】NHKスペシャル「人体」"脳"/シーンセットアップ・アニメーション制作

このような背景から、デザイナーはゼネラリストとしてフルCG作品だけでなく、実写合成やモーショングラフィックスなどのあらゆる案件をこなす必要があり、寺村氏もCinema 4DやAfter Effects、Adobe Premiere、Octane Render、Redshiftなどのツールを使いこなす。そのため、作業で使用するPCの構成は、CPUやGPUのみならずメモリやストレージに至るまで、すべてにおいて高い性能が要求される。

実際、寺村氏が業務で利用するメインのデスクトップPCは、CPUが「AMD Ryzen 9™ 3900X」(12コア / 24スレッド / 3.80GHz / 最大ブースト・クロック4.6GHz)、GPUが「NVIDIA® GeForce® RTX 2080 Ti」×2基、ストレージが「CSSD-F2000GBMP600」(2TB / M.2 / Gen4)、メモリが128GBで、価格はシステム全体で約65万円(2019年購入当時)と、高水準でバランスの取れたハイスペック仕様になっている。


▲ソアズロックスタジオ風景 (※写真提供:ソアズロック)

GPUによる圧倒的なレンダリングスピードを重視

寺村氏いわく、普段の業務でとくに負荷のかかる作業は「GPUのレンダリング」だ。しかも、GPUレンダラーは最終的な書出しだけでなく、作業中に「IPR(Interactive Photorealistic Render)を用いて質感やライティングを確認しながら作業できる」点が大きな強みとなるため、GPUには作業中もつねに高負荷がかかることになる。IPRが高速になれば画作りのためのイテレーションを増やせる(=クオリティが上がる)ことから、「GPUへの要求はどうしても高くなる」という。

さらに、寺村氏が重要なポイントとして挙げるのが、作業環境(=PC)を持ち運べる「モビリティ」である。そもそも、ソアズロックはクライアントから案件の相談を受けた際、相手先に出向いた場合でも「その場でデザインの方向性をスピーディに提案できる」ことを強みの1つとしている。しかし、CGの知識がまったく無いようなクライアントに対してレンダリング前のプレビズを見せても「正確なイメージを伝えられない」、あるいは逆に「不安を与えてしまう可能性もある」そうだ。そのため、外出先でGPUレンダラーが使えるようなPCを持ち運べれば「大きなアドバンテージになる」と説明する。

▲スタジオ撮影でオンセットで作業を行う必要がある場合には、常用のデスクトップPCを写真の様にオリジナルのジュラルミンケースに梱包して現場に持ち込み作業を行うこともある (写真提供:ソアズロック)

スタジオでのオンセット合成を行う場合
モビリティの高さも重要に

また、スタジオでの撮影時にオンセット合成を行うようなケースでも、その場でCGレンダリングを求められることもあるという。このような場合の対処法として現在は、搬送用の専用ジュラルミンケースを用意して「デスクトップPCを持ち込むことが多い」(寺村氏)とのこと。しかし、そこまでしても過去には移動中の振動でCPUファンが落ちたり、グラフィックスボードがズレて接触不良を起こしたりするトラブルがあったそうだ。

このようなニーズや課題を踏まえて、今回は寺村氏が「ROG Flow X13 GV301QH」と「ROG XG Mobile GC31」の実力を検証。純粋な性能の高さとともに、ノートPCと外付けGPUならではの利便性や新たな可能性なども探ってもらった。次ページからは具体的な検証内容を見ていこう。

▲小型ノート「ROG Flow X13 GV301QH」と外付けGPU「ROG XG Mobile GC31」とを組み合わせた利用イメージ 。ROG Flow X13 GV301QHは360°回転するヒンジの採用により、使用するシーンに合わせて、タブレットモードやスタンドモードなど、多彩なスタイルに変化。また、ROG XG Mobile GC31を自立させて使用可能な点にも注目したい(写真提供:ASUS JAPAN)

次ページ:
<検証1> 13.4型コンパクトゲーミングノートPC
CPU、GPUパフォーマンス、使い勝手を検証

Profileプロフィール

ソアズロック CGディレクター  寺村太一氏

ソアズロック CGディレクター  寺村太一氏

ソアズロック

ソアズロック

CMや商品、サービスなどのプロモーション映像を主に制作する映像制作プロダクション。モノづくりが盛んな名古屋に本社を構え、映像の企画から撮影、編集までをトータルに手掛ける。CGとモーショングラフィックスを専門とするCGチームを社内に有することで、実写作品とCG作品の両方をスムーズに提案・制作することも可能。
http://soarzrock.co.jp/

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