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幅広いラインナップを取りそろえるPCショップ「TSUKUMO」のBTOパソコン。そのTSUKUMO BTOのクリエイター向けデスクトップPC「WA9J-D211/ZT」のハイエンド構成モデルを、マルチクリエイターとして活躍する加速サトウ氏が検証し、その実力に迫った。

TEXT_近藤寿成(スプール)
PHOTO_弘田 充
EDIT_池田大樹(CGWORLD)

作業PCは最高スペックで選択
CPUはクロック周波数を重視する

キャラクターを軸としたさまざまなコンテンツを生み出すマルチクリエイターの加速サトウ氏。バーチャルシンガー「AZKi」をはじめ、CDジャケットやフィギュアから、AR、ミュージックビデオに至るまで、多岐にわたる作品を手掛けている。光と影による絵作りを得意とし、魅力的な美少女キャラクターの造形にも「強いこだわりを持っている」(加速氏)のが特徴だ。

多彩なツールを使いこなし、映像制作ではCinema 4DとRedshiftのGPUレンダリングを利用してきた加速氏。新しい技術に対する学習意欲も高く、最近手掛けたAqours『DREAMY COLOR』MVでは、担当したCGパートの制作に初めて「Unreal Engine」を利用したそうだ。

そもそも、当初は従来通りの手法で制作を進めていたが、制作を進めていくうちに「このままでは1回のレンダリングに3日かかる可能性がある」ことが予想された。しかし、それでは全体のスケジュールが破綻しかねないことから、思い切ってUnreal Engineへのシフトを検討した。

▲Aqours『DREAMY COLOR』MVにおけるUEの設定画面。アーティストが登場するステージが広大な海の上にあり、ライティングも非常に多いため、プリレンダーでの制作が非常に難しいと判断した

製品情報:We Are Challengers Project テーマソングCD 『DREAMY COLOR』

その結果、幸いにもテスト段階で「再生時間とほぼ変わらないリアルタイムレンダリングが可能である」ことが判明。さらに、完成時の質感もほぼそん色なく、リッチな絵作りのためのチュートリアルやアセットもあったことから、Unreal Engineでの制作に舵を切ったそうだ。このように、思いがけない課題に対して、新しい技術を活用してみるチャレンジ精神にも前向きだ。

このように、幅広いコンテンツの制作を手掛けるとともに、プリレンダリングとリアルタイムレンダリングを股にかけて案件をこなすため、作業用のPC選びにも強いこだわりを見せる加速氏。「半端なスペックでは満足できない」ことから、とにかく「購入時に選択できる最高のスペックを選ぶ」そうだ。

さらに、プラスαで重視するのが「動作の快適さ」。主要パーツの中では「ストレージ」の性能をもっとも注視し、データ転送速度は「速ければ速いほど良い」と断言する。また、現時点では実現できていないが、理想としては「システム用とキャッシュ用で2つのNVMe対応SSDを用意したい。さらに、容量もそれぞれ2TBあれば申し分ない」と付け加える。

一方、動作の快適さの観点からCPUにも当然注目するが、スペック的に加速氏が重視するのはコア数よりも「クロック周波数」である。その理由は「After Effectsを使わず、Cinema 4DからGPUレンダリングで絵を一発出しする」から。マルチコアを活かせるAfter Effectsの利用頻度が低い加速氏にとっては、クロック周波数の高いCPUの方が「自分の用途に合致する」と補足する。

このような加速氏ならではの背景やこだわりを踏まえ、今回は総合的な実力や使い勝手とともに、GPUレンダリングでの性能をチェック。ハイエンド仕様を追求したTSUKUMOのクリエイター向けデスクトップPCの実力を見極めてもらった。

検証ハードウェアについて

今回検証したTSUKUMOのマシンは、クリエイターPC「WA9J-D211/ZT」をカスタマイズしたモデル(以下、検証機)。新たなアーキテクチャーを採用した最新の第11世代デスクトップ向けCPU「インテル Core i9-11900K プロセッサー」を採用するとともに、GPUも最上位の「GeForce RTX 3090」を搭載する。さらに、PCI Express 4.0(Gen4)対応でデータ転送速度が超高速な1TB SSDや128GBのメモリまで備えるなど、ほぼ完ぺきといえる超ハイエンドな仕様となる。

一方、加速サトウ氏の現行機は2020年秋に購入したもの。検証機と比べると1世代前のCPUやGPUなどを搭載しているが、すべてで当時の最上位クラスのパーツが選ばれている点は見逃せない。そのため、現時点でも十分に通用するハイレベルな性能を有している。

WA9J-D211/ZT

  • 価格
  • 56万7550円(税込)
  • OS
  • Windows 10 Pro 64bit版(ディスク附属)
  • CPU
  • インテル Core i9-11900K プロセッサー(8コア / 16スレッド / 3.5GHz /ターボブースト利用時5.3GHz / キャッシュ16MB)
  • GPU
  • NVIDIA GeForce RTX 3090
  • メモリ
  • 128GB
  • ストレージ
  • 1TB(PCI Express 4.0 NVMe対応SSD:読み込み最大7000MB/s、書き込み最大5000MB/s)
  • 電源
  • Thermaltake PS-TPG-0850FPCGJP-R(850W)【80PLUS GOLD認証】
●詳しい製品情報はこちら
https://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/creator/2021/WA9J-D211ZT.html

加速サトウ氏の現行機

  • 価格
  • 約40万円(税別)
  • OS
  • Windows 10 Home 64ビット
  • CPU
  • インテル Core i9-10900K プロセッサー(10コア / 20スレッド / 3.7GHz /ターボブースト利用時5.3GHz / キャッシュ20MB)
  • GPU
  • NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti 11GB
  • メモリ
  • 64GB
  • ストレージ
  • 1TB(PCI Express 3.0 NVMe対応SSD:読み込み最大3200MB/s、書き込み最大3000MB/s)
  • 電源
  • Seasonic FOCUS-GX-750(750W)【80PLUS GOLD認証】

●CASE 01:CPUやストレージのパフォーマンス検証

まず、CPUの性能を評価するベンチマークソフト「Cinebench R23」を使用し、マルチコアとシングルコアの性能を比較した。結果を見ると、マルチコアでは検証機が「12611pts」、現行機が「14280pts」となり、コア数で勝る現行機のCore i9-10900Kが順当に勝利した。一方、シングルコアは検証機が「1655pts」、現行機が「1320pts」となり、検証機のCore i9-11900Kが上回った。クロック周波数で比較するとCore i9-10900Kの方がわずかに高いのだが、第11世代は新たなアーキテクチャーによってIPC(Instructions Per Clock:1クロック当たりの命令実行数)などが向上しているため、同等の数値であれば前世代よりも優れたパフォーマンスを発揮できる点が反映された形だ。この結果を踏まえると、Core i9-11900Kの方が加速氏のニーズにマッチするCPUと言えるだろう。

次に、ストレージは実際のさまざまな挙動を加速氏がチェック。どちらもNVMe対応SSDだが、Gen4対応の検証機のSSDは現行機のSSDよりも約2倍の性能があるため、検証機の方がさまざまな場面で「印象ではなく、確実に体感で速い」と評価した。

●CASE 02:Cinema 4D+RedshiftによるGPUレンダリング検証

検証ではAZKiの画像素材(解像度2480×3508ピクセル)を使用し、Cinema 4DでRedshiftによるGPUレンダリングを実行。終了までにかかった時間を計測した。 なお、レンダリングの設定は下記の通りだ。

加速氏がCinema 4D+Redshiftで作品制作をする背景には「絵作り」が関係している。例えば、AZKiの絵を見てもわかるように、加速氏の作品はノンフォトリアリスティックな表現が強く、ライティングも現実とはやや異なっている。そのため、局所照明やビネット、ブルーム、フレアなどの処理を行うのだが、これらはAfter Effectsを使わずとも、Cinema 4D+Redshiftでも対応可能だ。さらに、露出やトーンカーブの調整、グレーニングもできることから、Cinema 4D+Redshiftの方が「意図的な絵作りがしやすい」と加速氏は言う。このような理由から、今回はCinema 4D+Redshiftで検証を実施した。

計測結果は、検証機は「23分」、現行機は「35分」となり、検証機のRTX 3090が現行機のRTX 2080 Tiよりも約1.5倍も優れた圧倒的なパフォーマンスを発揮した。GPUレンダリングを多用する加速氏にとって、RTX 3090は垂涎の的といえるだろう。

●検証を終えて
マルチなクリエイティブに対応できる総合力

検証機に触れていくなかで、加速氏がもっとも衝撃を受けたのは「Gen4に対応したSSD」。検証機を使ってから現行機を操作すると「自分のマシンの古さに気づかされる」という事実に思わず苦笑してしまい、その高性能さに心底驚かされたそうだ。さらに、CPUやGPUについても、それぞれに正当な進化に即したパワーアップを実感。またUnreal Engineでは、ミュージックビデオを再生した際に現行機では若干ながら画面がカク付いていたが、検証機では「そのカク付きが軽減された」(加速氏)とメリットを感じていた。

このように、検証機はさまざまな動作が軽快になったことから、加速氏は総合的なパフォーマンスを高く評価。多岐にわたる作業を手掛けるとともに、何度もトライ&エラーを繰り返すような加速氏の制作環境に対して、今回のTSUKUMOのクリエイター向けデスクトップPC「WA9J-D211/ZT」(ハイエンド構成モデル)は「十分応えられるだけのスペックを兼ね備えている」と結論付けた。

■まとめ

01:Gen4対応SSDはGen3比較でも確実に速さを実感できる
02:CPUとGPUは世代進化に応じたパフォーマンス向上が得られる
03:シングルコア性能を重視するならCore i9-11900Kは最適

INFORMATION

●今回検証した製品「WA9J-D211/ZT
https://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/creator/2021/WA9J-D211ZT.html

●PCショップ「TSUKUMO」
https://shop.tsukumo.co.jp/

●提供:インテル株式会社