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4K/8K映像が一般化するなか、アプライドが4K/8K映像編集ワークステーションとしてリリースしたハイエンドPC「CERVO Create+ 4K/8K Type-AM」。今回は本機のスペックと使用感について、株式会社フロンティア映像事業室室長 林 和哉氏にきいた。

TEXT_神山大輝 / Daiki Kamiyama
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota

<1>4K納品は"当たり前"の時代

4K対応テレビやディスプレイの急速な普及を背景として、一般ユーザーにも高画質化の恩恵が行き渡りつつある現代において、作り手側は4K/8K映像の制作環境を構築することが急務となっている。8K放送による高精細な中継が予定されている東京オリンピックが開催されることもあり、4K/8K分野自体の注目度も高い。

林 和哉氏/Kazuya Hayashi

「現在は4K納品も当たり前になって来ており、素材も8Kのものが増えてきています」と語る林氏は、実写メインの映像制作のプロデューサー/ディレクターとして映像業界に20年以上も携わる大ベテランだ。プロデュースやディレクションの占める割合が多いものの、現在もAfter Effects、Premiere ProなどのAdobe系ツールはもちろん、Fusion や DaVinci Resolveを用いて実写合成を行うこともあるという。

「僕は職業監督でありたいと思っていて、予算と期間を超過する演出はしたくないと思っています。予算内、期間内で出来る演出を考えて、"やりたいこと"も工数にハマらなければ捨てていく。実現可能性だけを考えて映像制作を行っています(林氏)」。とは言え、以前に比べて同じ期間でやらなければいけない仕事量は増え、扱うデータ量も大容量化が進んでいる。どこで時間の短縮を図るかと問われれば、もちろんそれは作業効率に直結するPCスペックだろう。林氏の現在のメインマシンはIntel Core i9 CPUが登場した3年前に購入したWindows PCで、GPUは当時出たばかりの1080Ti LightningX、メモリ64GB、内部ストレージはM.2 SSD2基でRaid 0を組んでいる。安定性とスペックを天秤に掛けながら可能な限りCPUのクロックアップを行い、廃熱に関しては水冷で処理を行ったという、その当時のモンスターマシンだ。自らを「機械オタク」と称する林氏のこだわりは、内部ストレージの速度と水冷による廃熱対策、そして最新世代のマザーボードを選択することでソケット部が変わるまではCPUの換装で対応できるよう冗長性を持たせること。「仕事道具にコストを掛けるのは当たり前のことですが、コストに対してスペックが素直に追従するWindowsマシンをメインに据えています。4K60pの映像編集であれば、このPCでも行えていました」。

<1>リアルタイム8K編集をも可能にするアプライドBTOモデル

Xeon Gold 6150を2基搭載し、GPUはNVIDIA TITAN RTX、メモリ 96GB、500GB NVMe-SSDを搭載した200万円越えの現代のモンスターマシン「CERVO Create+ 4K/8K Type-AM」に対するファーストインプレッションは、「やはり新しい世代のPCは良いですね、単純に気持ちいいという感覚でした。これくらいサクサク動くとストレスもないですし、自分のマシンと比べても倍以上速いです」と、林氏。検証に使用したのは、東京消防庁公式チャンネルで公開中の『This is Tokyo syobodan 消防団に入ろう!』の終盤、8名の消防団員が整列し敬礼をするカットだ。

東京消防庁公式チャンネルで公開中の『This is Tokyo syobodan 消防団に入ろう!』

一見すると何の変哲もないカットに見えるが、彼らはアクターではなく本物の消防団員であり、敬礼のタイミングや立ち位置が完全に合っているわけではなかった。そのため8名それぞれの全身を、8Kカメラを縦にして撮影したのち90度回転させた素材を合成している。林氏はこうした処理負荷の高い大きなデータを取り扱う際にDaVinci Resolve 16を用いており、今回は検証のため同ツール上でParticularなど処理の重いプリセットを数多く並べることでより負荷を大きく掛けた形だ。同氏は、既存のマシンと比較するとメモリへのキャッシュ速度が大幅に向上しており、併せてCPU/GPU両性能が高いことから安定して速度が出ている点を評価。また、アプライドのマシンはエアフローがしっかりと考えられており、廃熱トラブルを最小限に留めることができる点にも言及した。

8Kデータを多数3D空間に並べたプロジェクト。非常に重いデータなのであえてAfter Effectsではなく、Fusion で組んだそう

ノード構成。シンプルな内容ながら、多数の処理を行っている。ノードベースだと、すべての加工工程が俯瞰で見えるので試行錯誤がしやすい

驚いたのは、8K R3D 24fpsの映像素材をそのままカット編集が出来ていた点だ。素材出しのSSDがUSB3.1規格のためキャッシュまでの一瞬の間はあるものの、リアルタイムでしっかりと動いていたという。林氏はエディット・レンダリング両面において、この待ち時間の少なさが最も重要だと繰り返し述べている。「何かを閃いて作業を行うとき、PCから返ってくるスピードが速ければ早いほど試行錯誤の回数が増えていく。アプライドさんのマシンのレスポンスは作り手の伸びしろが凄いことになるな、と思います。我々の世代は昔のPCパワーが低く時代での制作経験から、ある程度アタリをつけてパラメータを設定することが出来ますが、今の若い世代はプレビューが早いのが当たり前。(負荷の大きなシーンでも)すぐに画が上がってくる環境に身を置くことで、例えていうなら我々が1年掛けて得た知見を1か月程度に短縮して習得出来るのではないか、というくらいの効力があると思います。これは僕がよく使っている言葉なのですが、"想像力を加速する"良いPCだと思います」。

実際のレンダリング時間。林氏の常用PC(i9 3.6GHz10core、GTX1080ti、Memory 64GB)に比べて、10倍以上の速度で完了した

「After Effects定番のTrapcode Taoを使って、多重の合成をかけてみました。20レイヤーのオブジェクトを3Dレイヤー化したのですが、軽々とレビュー出来て快適極まりなかったです」(林氏)。

林氏がBTOメーカーに求めるのは、パーツの検証能力とオウンリスクの低減だ。今はBTOパソコンの購入を検討する個人も多いが、今後は「自己責任」ではなく安心感のあるサポート体制が最も重要になるだろうと指摘する。これに伴い、パーツの組み合わせや仕様に関する的確なアドバイスができるようなノウハウがあると尚良いだろうと、発売元のアプライドに対して提言した。「拡張現実やVR、リアルタイム3DCGやインタラクティブコンテンツなど、これから広まる映像形態は多岐に渡ります。何を作るにせよ、最終的にものをいうのはマシンスペックです。どうせ必要になるのだから、良いものを取り入れたいという気持ちは強いですね」。

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