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フォトグラメトリー快適化を実現するためのPCスペックは? 背景3Dアーティスト中村基典氏が徹底検証!

フォトグラメトリー快適化を実現するためのPCスペックは? 背景3Dアーティスト中村基典氏が徹底検証!

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フォトリアルな3Dデータを取得する方法として定着しつつあるフォトグラメトリー。
非常に手軽ではあるが、複数の撮影データを点群化、メッシュ化、テクスチャ化を行う一連の過程は、高い負荷がかかることで知られている。そこで今回、フォトグラメトリーを快適に行うための機材構成を探るため、3D背景アーティスト中村基典氏に「パソコン工房」のフォトグラメトリー向けモデルを検証してもらった。

TEXT_神山大輝(NINE GATES STUDIO)

▲パソコン工房 CG・映像制作者向けブランド「CG・MOVIE GARAGE」販売サイト。本企画で中村氏が監修したPCが紹介されている。各ラインナップともに、目的に合わせて余分な構成は省き高いコストパフォーマンスを実現している。今後さらなるラインナップが登場予定だ 製品紹介ページはこちら

フォトグラメトリーにとって重要なのはCPU性能

パソコン工房スタッフ:フォトグラメトリーによる作品制作はいつ頃から行なっていますか?

中村基典氏(以下、中村):検証は3年前から行なっています。フォトリアル系のハイエンドゲームにおいては、樹木や石材といったコストの掛かる有機物を短時間で作れるメリットが大きく、個人的にも「Shinto Shrine(神社アセット)」に活かしています。

パソコン工房スタッフ:制作のワークフローと、制作に使うツールを教えて下さい。

中村:最初に一眼レフで対象物の撮影を行います。石や狛犬の石像の場合、まず下から見上げて一周、次に真ん中を一周、最後に上から一周し、その後に入り組んだ部分を追加で撮影します。ツールはReality Captureを使っていて、ここではアライメント(撮影画像を結合し点群データとする行程)、メッシュ化、テクスチャ作成の3工程があります。

パソコン工房スタッフ:他のDCCツールは使用しますか?

中村:その後の行程としては、フォトグラメトリーで作成したハイポリゴンモデルをZBrushに持っていき、データを整えリダクションした後にMayaや3ds MaxなどでUV展開を行います。テクスチャはRealty Captureから8Kで出力し、ローポリゴンモデルにベイクした後にSubstance Painterを用いてマテリアルを作成します。

パソコン工房スタッフ:今回はインテルCore i9-9900K(8コア16スレッド)、GeForce RTX 2070 SUPERを搭載した「スタンダード」と、インテルCore i7-9920X(12コア24スレッド)とGeForce RTX 2080 Tiを搭載した「プロ」の2機種を使って、Reality Captureで行う3工程の検証を行なっていただきました。

中村:今回は約100枚の画像から作成した岩のデータを使用しました。アライメントは、プロが53秒、スタンダードが1分43秒でした。Reality Captureはマルチスレッド対応であるため、CPUのコア数に応じて結果が変わった形です。続いてのメッシュ生成はプロが12分23秒、スタンダードが12分40秒でした。処理の内訳はCPUとGPUが半々で、GPUはCUDAも使っています。

  • 中村基典氏CG専門学校卒業後、都内のゲーム開発会社に就職。モバイル/コンシューマゲームのリアルタイムレンダリング3D背景制作全般に携わる。CGWORLD2018年12月号にて「フォトグラメトリーを活用したフォトリアルな神社アセット」を寄稿。Unreal Engineマーケットプレイスにて神社アセットを販売中。 motonak.jp/

パソコン工房スタッフ:GPU性能差は大きいものの、スタンダードはCPUが最新世代のため、メッシュ化の時間はある程度近づいていますね。

中村:はい。ただ、自宅で用いている3年前に購入したマシンでは20分以上掛かるため、いずれのモデルも高速化されています。メッシュ化は点群データから余分な情報を削ったりして調整をする際、2、3回は繰り返し行う工程でもあるので、計算が速い方が良いのは確実です。

パソコン工房スタッフ:8Kテクスチャ作成についてはいかがでしょうか。

中村:プロは4分22秒、スタンダードモデルは4分32秒でした。参考までに、自宅では6分30秒程度です。テクスチャ作成は100%CPU性能で、CPUのクロック数の部分でスタンダードが善戦した形かも知れません。

パソコン工房スタッフ:ちなみに、メモリについては32GBで問題なかったでしょうか? また、スタンダードはNVMe M.2 SSD 480GB、プロはOptane SSD 900pを使っていますが、ストレージについてはいかがですか?

中村:メッシュ生成の時に13GB程度、テクスチャ生成には14.5GBほど使っていましたが、32GBあれば今回の石以上の巨大な情報を取り扱う場合でも問題ないと思います。ストレージは正直、100枚程度では差が感じ辛かったところもありますが、例えば数百枚、数千枚となると差が出てくると思います。Optaneの特徴は耐久性なので、5、6年と長く使うのであれば採用したいです。

パソコン工房スタッフ:制作後にUnreal Engine 4で作業することを考えると、コストパフォーマンスが良いスタンダードモデルを基準にGPUをカスタマイズでアップグレードできるようにした方がよさそうですね。

フォトグラメトリー向けPC

スタンダードモデル
SENSE-R041-i9K-TWX-CMG [ CG・MOVIE GARAGE ]

  • OS
  • Windows 10 Home 64ビット
  • CPU
  • インテル® Core i9-9900K プロセッサー(3.6-5.0GHz/8コア/16スレッド/16MBキャッシュ/TDP95W)
  • CPUクーラー
  • 空冷クーラー
  • メインメモリ
  • DDR4-2666 16GB×2(デュアルチャンネル/計32GB)
  • SSD
  • 480GB NVMe M.2 SSD
  • VGA
  • GeForce RTX 2070 SUPER 8GB GDDR6
  • ODD
  • DVDスーパーマルチ
  • チップセット
  • インテル® Z390 Express チップセット
  • ケース
  • ミドルタワーATXケース IN-WIN EA040[フロントUSB3.0]ブラック
  • 電源
  • 700W 80PLUS認証 ATX電源

プロモデル
SENSE-R42A-LCi9SX-XYI-CMG [ CG・MOVIE GARAGE ]

  • OS
  • Windows 10 Pro 64ビット
  • CPU
  • インテル® Core i9-9920X プロセッサー(3.5-4.5GHz/12コア/24スレッド/16MBキャッシュ/TDP95W) 19.25MBキャッシュ/TDP 165W)
  • CPUクーラー
  • 水冷クーラー
  • メインメモリ
  • DDR4-2666 8GB×4(デュアルチャンネル/計32GB) (クアッドチャンネル/計32GB)
  • SSD
  • 480GB PCI-E NVMe SSD(Optane SSD 900P)
  • VGA
  • GeForce RTX 2080 Ti 11GB GDDR6
  • ODD
  • DVDスーパーマルチ
  • チップセット
  • インテル® X299 Express チップセット
  • ケース
  • ミドルタワーATXケース SST-TJ04B[フロントUSB3.0]ブラック
  • 電源
  • 850W 80PLUS GOLD認証 ATX電源

※プロモデルのCPUは販売終了のため、後継機種でのリリース予定となります

中村氏使用PC(購入時期:2016年11月)

  • OS
  • Core i7-6700K(4コア/8スレッド)
  • CPU
  • GeForce GTX1060 6GB
  • CPUクーラー
  • 32GB
  • メインメモリ
  • 500GB SSD,3TB HDD

検証 1:フォトグラメトリー各工程パフォーマンス比較

撮影後の3工程における検証ではいずれもプロが優位性を示した。撮影画像から点群データを作り出す「アライメント」はCPUのコア数準拠で順当にスコアが伸びており、プロは53秒、スタンダードは1分43秒となった。一方、CPU、GPU両方を使用する「メッシュ化」は、プロが12分23秒、スタンダードが12分40秒というわずかな差となっている。これは、スタンダードのCPU世代が新しく、クロック数も3.6-5.0gHzと優っているため、GPUの性能差を埋めていることが理由と考えられる(RTX 2070 SUPERはCUDAコアを2560基、RTX 2080 Tiでは4352基搭載しており、メッシュ化においてはこの差も大きいが、CPUとの兼ね合いで時間的な差は生まれなかった形となる)。また、「8Kテクスチャ作成」はプロが4分22秒、スタンダードは4分32秒。これもCPU処理となるが、コア数とクロック数の兼ね合いからプロが勝る結果となった。

検証 2:リアルタイムレイトレーシング検証

レイトレーシング ON

レイトレーシング OFF

中村氏は現在も新たなアセットを作成中だ。今回は京都をモチーフとしたアセットを題材にリアルタイムレイトレーシングを行なった際のFPS値を計測した。その結果、スタンダードでは10-15fps、プロは30fps以上と、倍以上の差が出る形に。これはRTコアの搭載数の差であり、RTX 2070 SUPERは40基に対し、RTX 2080 Tiでは68基と増加していることが直接的な要因となっている。単純にフォトグラメトリーを試したい場合はスタンダードでも必要十分だが、リアルタイムレイトレーシングを活用したり、Unreal Engine 4で作業を行う場合はGPU性能も重要視したい。

お問合せ

※価格および各パーツのスペックは2019年9月時点の情報です。予告なく変更される場合があります。製品購入はこちらからwww.pc-koubou.jp/cmg/

※ご購入前のご相談(お問い合わせ・お電話でのご注文など)について
TEL:0570-550-760( ※受付時間:10:00~18:00/年中無休)

Profileプロフィール

中村基典氏

中村基典氏

CG専門学校卒業後、都内のゲーム開発会社に就職。モバイル/コンシューマゲームのリアルタイムレンダリング3D背景制作全般に携わる。CGWORLD2018年12月号にて「フォトグラメトリーを活用したフォトリアルな神社アセット」を寄稿。Unreal Engineマーケットプレイスにて神社アセットを販売中。
motonak.jp/

パソコン工房

パソコン工房

ユニットコムが運営するPCショップ。クリエイター向けには「iiyama SENSE∞(イイヤマセンスインフィニティ)」を展開している。2016年12月よりCG・映像制作者向けブランドとして「CG・MOVIE GARAGE」を起ち上げた。今後、CG制作、動画編集を始める初心者から、4K液晶対応PC編集のプロユーザーまで、様々なラインナップのコラボモデルが登場予定だ。
www.pc-koubou.jp

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