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日清カップヌードルのプロモーションをベースとしたOVA作品『フリーダム』、平城京遷都1300年記念作品の『コイ☆セント』、大友克洋氏の『火要鎭』をはじめとしたショート作品のプロジェクト『SHORT PEACE』内の作品『九十九』など、意欲的な映像制作を行っているYAMATOWORKSがついに会社法人として始動。 現在制作中の作品と、スタジオ設立にあたってどのように環境を整えたのかを聞いた。

最新作を手がけると同時に会社を立ち上げ。
新たに出発するYAMATOWORKSの狙い

『フリーダム』『コイ☆セント』をはじめ、セルアニメーションとCGアニメーションの良いところを併せて、新しい映像表現に挑戦し続けている森田修平監督。昨年は、ショートフィルム『九十九』がアヌシー国際短編アニメーションフェスティバルにノミネートされるなど、意欲的な作品づくりが評価されている。
 そんな彼が次に作ったのは、CGアニメーションのスタジオ。メンバーは、CGIチーフの金本真氏、アニメーションチーフの坂本隆輔氏の計3名という少数精鋭構成。そこには大きく2つの想いがあったと森田監督は語る。

『ミロクローゼ』 『ミロクローゼ』 『ミロクローゼ』 『ミロクローゼ』

YAMATO WORKS 森田修平氏代表作
(上段・左)FREEDOM
2006年からスタートした日清カップヌードルのCM,OVA連動企画「FREEDOM-PROJECT」のOVA作品。監督を担当。全1巻DVD&BD バンダイビジュアルより発売中。アニメーション制作:サンライズ。 ©FREEDOM COMMITTEE

(上段・中)コイ☆セント
2010年に「ANIME FES."VS"」にて劇場公開されたOVA作品。監督、脚本、演出を担当。DVD&BD バンダイビジュアルより発売中。アニメーション制作:サンライズ。 ©遷都2000年祭実行委員会

(上段・右)カクレンボ
2005年に劇場公開し、コミックス・ウェーブから発売されたOVA作品。監督、脚本、演出、CGのすべてを担当。DVD好評発売中。アニメーション制作:YAMATO WORKS。 ©YAMATO WORKS/D.I.C

(下段)九十九(つくも)
2012年に制作された最新作。アヌシー国際短編アニメーションフェスティバルノミネート作品。監督、脚本、演出を担当。アニメーションプロ ジェクト「SHORT PEACE PROJECT」の一編として2013年 国内劇場公開予定。 アニメーション制作:サンライズ。 ©SHORTPEACE COMMITTEE

「アニメ業界って、中のスタッフは基本的にフリーなんです。プロジェクトごとに集まって終わると解散して......という感じ。そうなると特にCGでは、ノウハウがたまらないし人も育たない。だから新しいことを始めようとすると、予算が厳しいから作画でやります、なんてことになってしまう。そんなところに、例えば小さな集団がノウハウを持ち込んで、安くCGをスタートできますよ、という提案をするのはありかな、と思ったんですよね。それが1つ。もう1つは、僕ら独自でオリジナルコンテンツを作っていければと。演出とCGとアニメーションの3人がいれば映像は作れるというのもありました」
 もちろん仕事がなければ会社は立ち上げられないのだが、森田氏は不意にチャンスに恵まれた。奈良にある平城京歴史館から、展示映像の監督・制作を依頼されたのだ。 「日本初の女性皇太子で、その後天皇に即位された孝謙天皇の物語です。平和を望んでいる女の子が、疲弊している世の中や、大人が巻き起こす戦争などに悩みつつ、それを乗り越えて天皇に即位するというお話で、これを機会に独立しようと」

平城京歴史館画像

奈良にある平城京歴史館にて4月より公開予定の阿倍皇太子を主人公にしたアニメーション作品。大型5面スクリーンで上映される。詳しくは 平城京歴史館HPまで

かけられる予算はわずか。
その中で最大のパフォーマンスを得るために

昨年9月、それまでユニット名として使っていたYAMATOWORKSを法人として登録。メンバーとスタジオ第1弾作品も決まり、順風満帆にスタート......とはいかなかった。CGアニメーションのスタジオの立ち上げとして大事な問題が残っていたのだ。それが機材だ。
「立ち上げ直後ですので予算に余裕がなかったんですね。どれだけ低コストで効果的な機材を選定するか、特に各スタッフのオペレーション用PCの選定には苦しみました。」と森田氏が語るように、スタートアップ時の機材選定では単純にハイパフォーマンスを求めるだけではなく、今後の受注や人材の確保の見込みなども顧慮しながら、予算とパフォーマンスの一番バランスのとれた最適な投資が求められる。

「現状、当社では動作が比較的軽いLightWave3Dをメインツールとして使用していますし、フォトリアリスティックなレンダリングやシミュレーションが作業として必要なわけではありません。ですが、今後の展開としてはクライアントの環境にあわせて3ds maxやMayaの導入も検討しています。そうするといかに負荷をかけない制作手法を取っているとはいえを想定しなければいけません。そんな時、マウスコンピューターさんから提案を受けた機材がMDV-AQXシリーズでした。
Core i7のCPUにメモリ32GB、Quadro 4000という構成でこの価格なら、新しい案件にも十分対応できるでしょうし、スタッフ増員時にも負担が最小に抑えられるなと。」と機材選定を担当した金本氏は語る。

現在、鋭意制作が進められている平城京資料館用の作品。既にキャラクターデザインや絵コンテは上がり、CGでの作業が始まっているが、メインの3人以外に、フリーで美術、モデラー、アニメーターの3人が入り、マシンも6台に増やした。特にトラブルもなく快調に動作しているのはもちろんのこと、特にAfterEffectのプレビュー時の待ち時間に対するストレスはほとんどなくなったという。

YAMATO WORKS server

オペレーションに使用しているMDV-AQXシリーズ。非常にコンパクトで足元に置いていても気にならないサイズ

YAMATO WORKS社内風景

社内風景。外部スタッフの席を含めて6名分。ほかにトレス台などもある


堅牢なサーバをリーズナブルな価格で

スタートアップ時のもう一つの課題として森田氏はファイルサーバーをあげる。 「昔、納品直前にデータを飛ばした苦い経験があるので、バックアップの重要性は身に染みてるんです。とはいえ話を聞くと100万ほどもする。最悪自作PCで手作業バックアップなんてことまで考えていました。マウスコンピューターさんからサーバが20万くらいと聞いてめちゃくちゃ驚きました」。

 当初は自作サーバで手作業バックアップも考えたというが、それらにかかる時間や、トラブルが発生した場合のメンテナンスを考えるとマイナス面が多すぎる。ところがマウスコンピューターのサーバ・MousePro SVシリーズは、CPUは4コア2.4GHzのXeon E3-1260L、ミラー&ストライプの可能なRAID-10のストレージ(実効4TB)を持ち、OSは25ユーザーまで同時使用可能なWindows Small Business Server 2011 Esssentials。無停電電源装置をオプションで付けてもれでもまだお手頃価格だ。

スタートアップ時に避けて通れない機材選定。将来の案件を見越したスペックを確保しながらもできるだけ予算を押さえたい、そんなわがままな要望にもマウスコンピューターは答えてくれる。立ち上げのタイミングで一度問い合わせをしてみるのもよいだろう。

YAMATO WORKS server

ファイルサーバとして使用している、MousePro SVシリーズ。本体は下段左端、下段右側はUPS。非常にコンパクトだ。「ここまで揃っていて、この安さはあり得るのかと思いました。しかもUPSと並べてもコンパクトなのもいい。僕らのような小規模な会社には、願ってもない製品ですよ」

PHOTO_大沼洋平

「MDV-ASQ8110S-WS」

マウスコンピューター クリエイターモデル
「MDV-AQXシリーズ」

OS:Windows 7 Professional 64bit
CPU:インテル Core i7-3930K プロセッサー(6コア/ 3.20GHz)
RAM:32GB(PC3-12800 DDR3)
チップセット:インテル X79 Express
HDD:1TB(7200rpm)
GPU:NVIDIA Quadro 4000

問い合わせ先:(株)マウスコンピューター
個人のお客様:03-6833-1010/法人のお客様:03-6739-3808

「MDV-ASQ8110S-WS」

マウスコンピューター エントリーサーバー
「MousePro SVシリーズ」

OS:Windows Small Business Server 2011 Essentials
CPU:インテル Xeon プロセッサー E3-1260L(4コア/ 2/.40GHz)
RAM:8GB(PC3-10600 DDR3/ ECC対応)
チップセット:インテル C206
HDD:4TB(RAID-10/ 2TB×4/ 7200rpm)
UPS:APC Smart-UPS 1000

問い合わせ先:(株)マウスコンピューター
法人のお客様:03-6739-3808