今年で11回目となる「CEDEC AWARDS」の特別賞と著述賞が発表された。
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■特別賞、著述賞について

コンピュータエンターテインメント開発全般に貢献した人を表彰する「特別賞」は、革新的なアイデアで大ヒット作を数多く生み出してきた、日本を代表するゲームディレクター・プロデューサーの鈴木 裕氏に決定した。また、著述賞は、『ゲーム情報学概論-ゲームを切り拓く人工知能-』(発行:コロナ社)の著者である、伊藤毅志氏(電気通信大学助教)、保木邦仁氏(電気通信大学准教授)、三宅陽一郎氏(株式会社スクウェア・エニックス リードAIリサーチャー)の3氏に決定した。同賞の授賞式はCEDEC 2018会期中の8月23日(木)に実施される。

■特別賞

鈴木 裕氏
受賞理由:鈴木氏はクリエイターとして、アーケードゲームにおいては『ハングオン』、『アフターバーナー』などの体感ゲームをはじめ、3DCGハードウェアによる対戦格闘ゲーム『バーチャファイター』を開発するなど、革新的なアイデアで大ヒット作を数多く生み出してきた。さらに家庭用ゲームにおいては、『シェンムー』でオープンワールドの先駆けとも言えるスタイルのゲーム制作に取り組み、ゲーム開発における技術革新に多大な影響を与えてきた。そのキャリアを通じてパイオニアとしてゲームの新たな可能性を切り開いてきた氏の功績は世界的にも高い評価を受けている。

■著述賞

『ゲーム情報学概論 -ゲームを切り拓く人工知能-』(発行:コロナ社)
伊藤毅志氏/電気通信大学・情報理工学研究科(人工知能先端研究センター)助教
保木邦仁氏/電気通信大学・情報理工学研究科・准教授
三宅陽一郎氏/株式会社スクウェア・エニックス テクノロジー推進部 リードAIリサーチャー
受賞理由:この本を読むと、コンピュータゲームとAIの関係は深く、AIがゲームシステムの根幹であることを再認識させられる。ゲームづくりをやさしく解説している本が多い中、同書で書かれている内容は決して簡単ではないが、何度も繰り返して読む、引用されている資料にあたる、数式やプログラムを手を動かして確認することで知識として身につけることができる。また、曖昧になりがちなゲームデザインに対しても、構成する重要な要素を技術的な視点から丁寧に解説しており、エンジニアだけではなく、ゲームデザイナーにも是非手にとってもらいたい。ゲームクリエイターにとっては必読の一冊である。