凸版印刷株式会社は、世界最高水準のセキュリティ・マネジメントシステムの要件を規定した国際規格ISO14298の認証を日本で初めて取得した。同認証により、ISO14298で定められた工程管理のもと製造されたホログラムを世界各国の紙幣、パスポート、IDカードなどに向けて提供することが可能になる。
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■概要

セキュリティ印刷産業に特化した業界団体INTERGRAF(欧州印刷連合会)がISO14298における認定団体となり、国家機関が交付する証明書及び文書など政府系IDにおける偽造・変造などの詐欺行為を撲滅するため世界各国の政府、中央銀行、セキュリティ印刷会社などに認証取得を推進している。現在、全世界で50ヵ国、140ヵ所以上の工場が認定されているが、日本においては凸版印刷が初めてとなる。

近年、紙幣やパスポート、IDカードの偽造・変造は、国家の印刷局、証券印刷会社、消費者および法執行機関にとって深刻な問題となっている。欧州を中心とした海外セキュア市場ではこうした政府系ID関連の入札要件として世界共通のセキュリティ基準である同認証の取得を要件とする国が増加している。凸版印刷はこれまで世界各国の政府系IDの製造に関わっており、特にホログラムの製造では十数か国のパスポートやIDカード用のホログラムなどを受託してきた。これらの実績と同認証の取得により、世界各国の政府系ID用ホログラムにおける提供機会を拡大していく。

凸版印刷は、2022年までに政府系ID用ホログラムの新規受注で約10億円の売上を目指す。また、ホログラム製造をはじめとした国家ドキュメント関連ソリューションや偽造防止ソリューションなどさまざまなセキュアソリューションの提供を通じてグローバル市場の拡大を推進していく。