4次元デジタル宇宙(4D2U)プロジェクトが制作したVR映像『天の川銀河紀行』(シミュレーション:馬場淳一氏、可視化:中山弘敬氏)が、先進映像協会が実施する「ルミエール・ジャパン・アワード」2017年度VR部門でグランプリを獲得した。この映像は、様々な物理メカニズムを取り入れた大規模シミュレーションによってつくられた天の川銀河の姿を、科学的に正しく可視化し映像化したもの。
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■概要
ルミエール・ジャパン・アワードは、先進映像協会による表彰活動で、国内で制作・公開された優れた先進映像を表彰することでコンテンツの拡大と品質向上を目的としている。今回出品されたVR映像『天の川銀河紀行』は、普段私達が得ることのできない視点からの天の川の姿を忠実に描き出したという点、また、教育効果が期待できるという点などが評価され、ルミエール・ジャパン・アワード2017年度VR部門グランプリを獲得した。2017年国際放送機器展(Inter BEE 2017、2017年11月15日から17日、幕張メッセ)にて行われた表彰式では、映像の制作を行った4D2Uプロジェクトの中山弘敬専門研究職員とシミュレーションを行ったJASMINE検討室の馬場淳一特任研究員が登壇し、トロフィーを受け取った。
4D2Uプロジェクトは、最新の観測やシミュレーションで得られた天文学データを科学的に正しく可視化した立体映像を制作するプロジェクト。映像を制作した中山氏は以下のように喜びを語る。「4D2Uではデータを"どのように可視化するか"ということだけでなく、"どのようにVR映像化するか"という技術面や、"どのように一つの作品としてまとめるか"という作品性にもこだわりを持って映像を制作しています。そのような点も高く評価され、たくさんの応募の中、グランプリをいただけたことをとても嬉しく思っています」。
受賞した映像は、国立天文台のスーパーコンピュータ「アテルイ」を使って数ヵ月を費やし計算された結果を映像化したもの。シミュレーションを行なった馬場氏は「普段夜空の見える星々や"天の川"が、実は数千億個の星が円盤状に分布した"天の川銀河"であることや、ガス雲の中で星が誕生し母体のガス雲を破壊すること、銀河の中で星がダイナミックに動き回る様子などがわかると思います。映像化技術に加え、このような天文教育面も高く評価していただけたようで嬉しく思います」と、喜びとともに映像の見どころを語る。
この映像は、文部科学省HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源と構造」および計算基礎科学連携拠点(JICFuS)の元で実施したシミュレーション結果を可視化したもの。