丸紅情報システムズ株式会社以下、MSYS)は、有限会社スワニーが提唱するデザイナーや設計者が一気通貫で試作品を生産できるシステム「デザインファクトリー」を見ることが出来るデモ環境を整備したことを発表した。
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■概要

製造業界では近年、デジタルデータの活用により業務プロセスを改革し、品質・生産性の向上を継続かつ発展的に実現し、新たな付加価値を生み出す工場のスマートファクトリー化が加速している。さらに、市場動向の変化として多品種・小ロット生産の生産効率も重要視されている。また一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から国内外のサプライチェーンが破綻したことで部品供給が困難になり、顧客への製品・サービス提供に遅れが発生していた。

デザインファクトリーは、製造業界向けの高精度3Dプリンター、デジタルモールドによる部品成形、簡易アルミ型による射出成形を組み合わせることで、デザイナーや設計者が設計、試作、少量生産を短期間に繰り返し体験できる。射出成形を取り入れたことで、熱可塑性樹脂材(ABS、PS、PPなど)が使用可能になり、3Dプリンターでは実現できなかった最終製品と同じ素材を使用した製品検証を実現。標準パッケージでは、6トン仕様(射出量9㏄)と10トン仕様(射出量25㏄)の射出成形機を用意している。デザインデータがあれば、不測の事態が起きてもサプライチェーンからの供給部品と同じ素材を使用して、社内ラボで代替する手段としても利用することができる。さらに、オペレータが単独で操作できることで、感染防止対策として従業員同士の接触機会を減らしながら、エンジニア人材育成、新材料開発試作、難易度部品開発、新構造アイデアに挑戦できる社内ラボを維持できる。

MSYSは、2021年8月にスワニーの東京モデリングセンター(東京都墨田区)にデザインファクトリーのデモ環境を整備した。6トン仕様のコンパクト射出成形機を設置し、デザインファクトリーの紹介を開始する。東京都内初の常設型デモ施設であり、従来は長野県に拠点をもつスワニーでデモを実施する必要があったデザインファクトリーについて、関東近郊の顧客のアクセスが容易な環境を提供できるようになった。