ドワンゴは、昨年3月にオープンソースソフトウェアとして公開した2Dアニメーション制作ソフトウェア「OpenToonz」が、2017年7月8日に劇場公開された米林宏昌監督の最新作『メアリと魔女の花』(スタジオポノック制作)の制作の一部に使用されたことを発表した。OpenToonzは、イタリアのDigitalVideo社が開発した「Toonz」をもとに、ドワンゴが誰もが無償で利用でき、改良できる形に開発・公開したオープンソースソフトウェア。OpenToonzには、長年Toonzを利用してきたスタジオジブリがカスタマイズした機能に加え、ドワンゴの人工知能技術を使ったエフェクトや、誰もがエフェクトを追加できるプラグイン機能が搭載されている。さらに、これまで制作現場からの要望を受け、改良が行われてきた。
■OpenToonz が使用された工程
・色彩設計工程において、キャラクターの色がカット毎の背景に合うように調整する作業の一部で使用された。「OpenToonz」の、キャラクターの色を柔軟に管理できる「パレット」機能と、背景・キャラクターを重ねた状態で即座にプレビューできる点が活用された
・作品内に登場する「魔法のシャボン玉」の表現のため、シャボン玉の虹色パターンの特殊効果素材を生成するエフェクトが新たに開発され、撮影工程の中で使用された
・紙に描かれた動画をスキャンする工程の一部で、「OpenToonz」と同時に公開されたスキャンツール「GTS」が使用された
同作品は、OpenToonzがアニメーション映画に使用された初めての事例となる
© 2017「メアリと魔女の花」製作