Blackmagic Designは12月21日(月)、人気ロックバンド「Man with the Mission」のヒットシングル『DIVE』のミュージックビデオのグレーディングに「DaVinci Resolve Studio」を使用したことを発表した。グレーディングはレスパスビジョンのカラリスト田中 基氏が担当した。

【クレジット】
<Agency> Records Director:西久保胤博(Sony Music Labels)
<制作スタッフ> Producer:早坂匡裕(GEEK PICTURES)/Project Manager:大竹 聡(GEEK PICTURES)/演出:塚越 規(The Directors Guild)/撮影:岡村良憲(スタージョン)/照明:上野敦年(小池事務所)/Designer:金子宙生(金子デザイン事務所)/OFF LINE Editor:石谷翔平/ON LINE Editor:須藤公平(デジタルガーデン)/カラリスト:田中 基(レスパスビジョン)/SE:鈴木隆弘/フリーランス


「Man With A Mission」は、2012年のメジャーデビューから、トップ10入りのシングルが4枚、トップ 4入りのアルバムを4枚持つ人気バンドだ。今回の『DIVE』は映画『新宿スワン』のテーマソングでもあり、同作品の主演俳優である綾野 剛が出演していることでも話題となった。「Man With A Mission」のメンバーが演奏する場面と俳優の出演シーンで構成されたこの作品は、コンクリートの無機質な場所で、全体的に暗めながらも強めの照明を複数の方向から炊いている。ダークな雰囲気を作りつつ、カメラの動きときつめの照明の動きがスピード感を出し、同曲のクールさを存分に引き出している。

グレーディングを行った田中氏は次のように語る。「グレーディングの際はある程度こちらからルックを何パターンか提示して、その中からベストなルックを監督やDP(Director of photography:撮影監督)に選んでもらうスタイルで作業を進めました。この作品は全体を通して照明がキレイに入っているので、その光を効果的に見せるためにハイライトと暗部に色を入れたり、ハイライト部分にツヤを足したりしました」。 さらに田中氏は「人物のショットでは、クオリファイアーのルミナンスを使用してハイライト部分のメリハリを出しています。ルミナンスのみを使うことで、照明があたっていればキーを取れます。そのルミナンスの範囲を広げたり狭めたりすることによって、顔の陰影を作りました」と話す。

  • Man With A Mission『Dive』MV、グレーディングに「DaVinci Resolve Studio」を使用(ブラックマジックデザイン)
  • Man With A Mission『Dive』MV、グレーディングに「DaVinci Resolve Studio」を使用(ブラックマジックデザイン)

(左)グレーディング前/(右)グレーディング後

また、「DaVinci Resolve」で気に入っている機能のひとつとして、田中氏はソースタイムコードでタイムラインのショットを並び替えるモードを上げている。「編集したタイムラインをソースタイムコードで並び替えることによって、今回の作品で言えばバンドが演奏しているショット、人物のショットといったそれぞれのショットがブロックごとに並ぶため、グレーディングが効率的に進められるんです」。

田中氏は常に進化を続ける「Resolve」についてこう語る。「どんなカメラの素材がきても、Resolveなら読み込んでくれる。そしてどんなに重い素材を扱っていても、難なく動作する部分は使いやすいですね。私は古くからDaVinciのコントロールパネルを使っていますが、Control Surfaceも旧型の使いやすい部分を受け継ぎつつ、さらに進化している点もいいですね」。

そして「カラーグレーディングは1枚の静止画に対しては求められているものが作りやすいんです。ただ、別のアングルや他のショットとの繋がりを限られた時間内でどう上手く表現するか、というのがカラリストに求められていることのひとつだと思っています。様々なカメラの素材が混ざっていると、繋がりには更に気を使います。Control Surfaceを使ってのグレーディングは、作業効率を上げて色作りの部分に多く時間を割けるので、限られた時間で作品のクオリティを高めたいクライアントの方のニーズに応えることができます」と田中氏は結んだ。

  • Man With A Mission『Dive』MV、グレーディングに「DaVinci Resolve Studio」を使用(ブラックマジックデザイン)
  • Man With A Mission『Dive』MV、グレーディングに「DaVinci Resolve Studio」を使用(ブラックマジックデザイン)

(左)グレーディング前/(右)グレーディング後

■会社概要

Blackmagic Designは、映画、ポストプロダクション、放送業界に向けて世界最先端のビデオ編集製品、 デジタルフィルムカメラ、カラーコレクター、ビデオコンバーター、ビデオモニタ、ルーター、ライブプロダクションスイッチャー、ディスクレコーダー、波形モニタ、リアルタイム・フィルムスキャナを開発している。Blackmagic DesignのDeckLinkキャプチャーカードは、その品質と価格で放送業界に革命をもたらした。また、エミー賞を受賞した「DaVinci カラーコレクションシステム」は、1984年以降、テレビ、映画業界の中心となっている。Blackmagic Designは、現在も6G-SDI、12G-SDI製品、ステレオスコピック3D、Ultra HDワークフローなどの独創的な革新を続けている。世界をリードするポストプロダクションエディターやエンジニアにより設立されたBlackmagic Designは、現在アメリカ合衆国、イギリス、日本、シンガポール、そしてオーストラリアにオフィスを構えている。

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