エンターテインメント業界を中心に、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオ株式会社は、住友林業株式会社と共同開発した3次元住宅プレゼンテーションシステム(3DCAD)において、同社が開発・販売するリアルタイムレンダリングエンジン「Mizuchi(ミズチ)」が採用されたことを発表した。
詳細はこちら。
■概要
同社が開発・提供する3DCGの描画に特化したレンダリングエンジン「Mizuchi」は、金属、樹脂、ガラス、布、材木など、多種多様な質感を実写に迫る品質で表現することが可能だ。建築物に用いられるさまざまな素材を忠実に再現できる「Mizuchi」は、これまでも多くの不動産や建築分野のCGコンテンツ制作で採用されてきた。住友林業の新型3DCADシステムは、住宅のCADデータから3DCGの施工イメージを生成し、3次元でのバーチャル内見を可能にする施主向けプレゼンテーションシステム。内観や外観をさまざまな角度から確認することができる。住友林業では、よりリアルな立体画像による提案を実現させるため、新型3DCADシステム(旧名称:Real Time 3D)のレンダリングエンジンを従来のものから「Mizuchi」に変更することを決定し、このたび移行作業が完了した。住友林業の住宅展示場、ショールームなどで全国的に利用開始される。
今回の「Mizuchi」導入により、新型3DCADシステムでは、素材の材質のPBR化によってフォトリアルな質感の表現が大幅に向上している。また、全天球画像を光源とするIBLとライトプローブによるGIにより間接光の表現が可能となったため、深みのある陰影や映り込みの描画が実現できるようになった。ライトプローブは、あらかじめ設定されているテンプレート情報に従って最適な場所へ自動的に配置されるため、専門的な知識は不要。さらにSSAO、RLR、グレアなどのポストエフェクトの機能により、リアルな住宅の空気感を表現する手法の幅が広がった。なお、同社は「Mizuchi」のライセンス提供のみならず、旧レンダリングエンジンからの移行作業も支援した。また、旧システムの材質ライブラリから簡易的にPBR化した材質に変換できる専用コンバーターも開発し、提供。これにより、旧システムでの資産も有効に活用することが可能だ。