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    Framestoreで活動中の今川真史氏が解説する本誌の連載と連動して、メイキング動画とコラムをお届けする。

    TEXT_今川真史 / Masashi Imagawa(Framestore
    EDIT_斉藤美絵 / Mie Saito(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada(CGWORLD)

    映画を参考に、夕日のシーンを描く

    今回は夕日の空に浮かぶ基地を制作しました。先日、映画『アリータ:バトル・エンジェル』を鑑賞しまして、夕日の空に浮かぶ街のカットが印象的だったので、つくってみようと思い、制作したものです。いつも自主制作は映画を観た後に勢いでコンセプトをつくって、後日そのコンセプトを基に制作していくというながれにしています。

    映画を観た日に、家に帰ってから10分ほどでコンセプトを作成しました。コンセプトと言ってもメモのような感じで、おおまかな色やスケール感などを描き起こしたものです。いつも使っているのはPhotoshopで、ブラシで描くというよりも、ペンツールで図形をつくり、形を整えて、そこに白から黒で簡単に遠近感をつけ、最後に色をブラシで乗せたような感じです。空などは写真素材も使いました。

    CGは各工程の作業が多いため、全体像を把握するまでに時間がかかります。以前はつくっている途中で迷子になることがよくありました。例えば、映画を観た日にアイデアが浮かんでモデリングから始めるのですが、結局途中で最終地点を見失って、どこまで3Dモデルをつくり込めばいいのかわからなくなってしまう、などです。

    今回の作品はコンセプトで大まかな雰囲気は決まっていたのですが、完成間近で手前のレイヤーを追加するか追加しないかで悩みました。

    こちらの画像は手前のレイヤーがある状態で、制作途中だったものです。最初はこのレイアウトで進めていたのですが、肝心の基地の巨大感が薄れている気がして何度も修正してみたものの納得がいかず、思い切って手前のレイヤーをなしにしてみました

    基地のパースも少し変更して、見上げている感じを強調してみました。手前のレイヤーをなくした代わりに、手前に薄い雲のレイヤーを追加して雲のながれるスピードの差で遠近感を出しています

    最後に夕日の反射のハイライトを強くしました。今回は『アリータ:バトル・エンジェル』のほかに、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の惑星タイタンなど、様々な映画の夕日のシーンを参考にしました。中でもハイライトの表現に共通点があると感じました。

    『アリータ:バトル・エンジェル』の夕日の街のカットは、現在在籍しているFramestoreが担当していたため、データの中身を見ることができたので、仕事の合間に確認してみたのですが、9割CGのライティングでクオリティが詰めてあり、コンプのデータは予想よりだいぶシンプルなものでした。MPC FilmにいたときはCGのレンダーが8割くらいのクオリティで上がってきて、コンプでは大幅に調整する感じでしたが(もちろんプロジェクトによって異なると思います)、Framestoreはコンプではライトの強さなどの微調整がメインで、仮にクライアントからスペキュラなどの修正がきた場合は、ライティングまで戻して再レンダーされてコンプに戻ってくるそうです。

    コンプは2Dの作業で自由度は高いですが、やはり光源や質感などの変更はCGソフトの計算が正確なので、修正の指示によって使い分けていく必要があると感じました。もちろんライティングにキックバックすると時間も相当かかるので、ハリウッドならではのやり方なのかなと思います。ですが、正確さとは別に演出的にわざとリアルを壊して絵画的にする画づくりなども最近の映画にはよくあるので、これから仕事で様々な表現に触れて、もっとコンポジットの幅を広げていきたいと思います。

    Home coming from Masashi Imagawa on Vimeo.

    Profile.


    • 今川真史/Masashi Imagawa
      Framestore/コンポジター

      京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。大学1年次に受けた授業をきっかけに、ほぼ独学で3DCGを学ぶ。自主制作作品『THE SEABED』でKLab Creative Fes'17動画部門グランプリ受賞。MPC モントリオールを経て、現在はFramestoreに在籍
      www.artstation.com/masashivfx321



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