記事の目次

    ※本記事は、CGWORLD vol.313掲載の「アドバイザリーボード 今月の視点」に情報を追加して再編集したものです

    CGWORLD vol.313(2024年9月号)

    <特集>「VRChatへ飛び込もう!」

    判型:A4ワイド
    総ページ数:112
    発売日:2024年8月9日
    価格:1,540 円(税込)

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    コマ撮り短編アニメ『 ボトルジョージ』についてドワーフを取材!

    CGWORLD編集長・アニメーション&海外映像担当:若杉 遼

    ドワーフの皆さんにお話を伺いました。僕はコマ撮りの温もりがとても好きで、デジタルに置き換わってしまうのが少し寂しいなという気持ちがあるのですが、3DCGの使いどころをしっかり決めておられて、コマ撮りらしさを優先にしつつ、効率化やクオリティアップのため、まさに3DCGを道具として使われているのが印象的でした!

    ▲編集長が聞く~作り手たちの物語~ 第17話:コマ撮りの可能性を追求した 『ボトルジョージ』の物語

    動乱の幕末を描いたオープンワールドアクションRPG『 Rise of the Ronin』

    ゲーム開発技術&海外ゲーム担当:榊原 寛

    今号の連載「Game Graphics Studio」は、幕末という和と洋がせめぎあう激動の時代を挑戦的なオープンワールドアクションに仕上げた『Rise of the Ronin』(PS5)です!

    普通の洋服より圧倒的に布が多く重なる着物でどう破綻なく激しいアクションをさせたのか、史実をベースにしつつもどのように良い「ウソ」を織り交ぜつつ魅力的な横浜、江戸、京都を作り上げたのかなど、このプロジェクトならではの苦労、工夫やノウハウが目白押しです! 

    ▲連載「Game Graphics Studio」:『Rise of the Ronin』

    Houdini 20.5が登場、導入と教育が肝要

    CGアート全般&実写VFX担当:Khaki

    Houdini新バージョンがリリースされましたが、年々CMや映画などでHoudini必須な仕事が増えてきている印象です。キャラクターFXもHoudiniへだいぶ移行してきていると感じますし、今後より使用頻度が増えていきそうです。

    ただ、Houdiniを得意とするアーティストが少ないので、その点でいつも苦労しています。弊社でもHoudini導入と教育を積極的に進めていこうと考えています。

    Houdini 20.5 新機能紹介

    USD技術の標準化をめざす「AOUSD」が結成

    ゲームエンジン(映像・VR)&VIZ担当:スタジオブロス&モデリングブロス

    昨年8月にPixar、Adobe、Apple、Autodesk、NVIDIAの5社がUSD技術の標準化・開発団体「Alliance for OpenUSD(AOUSD)」を結成しました。USD(Universal Scene Description)は Pixarが開発した3Dシーン記述技術。すでにMaya、3ds Max、Houdini、Unreal Engine、Unityをはじめ主なDCCツールやCAD上でUSDアセットを扱うことができます。

    日本企業では今年4月にSONYがアライアンスに加入。グループ会社である弊社も活動に参加しています。OpenPBRやOpenEXEなど、3D技術の標準化を統合する上で重要な役割を担っています。

    3D生成AI分野のこれからの発展に注目!

    CGを活用した新領域&ビジネス担当:岸本浩一

    テキストから3Dアセットを生成するパイプライン「Meta 3D Gen」が発表されました。高精度かつ高品質な3D形状とテクスチャを1分以内に生成し、物理ベースレンダリング(PBR)をサポートします。生成済み3D形状の再テクスチャリングも可能で、ビュー空間、ボリューム空間、UV空間で3Dオブジェクトを同時に表現します。

    最近は動画生成AIの話題が多いですが、近い将来3D生成AI分野でも大きな進展がありそうです。

    熱いAI技術ニュースを今月もたくさんキャッチ

    レンダラ・ハードウェア担当:澤田友明

    とある映画のエンドロールを見ていたら、VFXプロダクションに混ざってAI系プロダクションがクレジットされていました。調べてみるとディープフェイク系AIを得意とする制作会社で、VFXでは難しい主人公の重要な部分を担っているようです。

    ほかにも最近はハリウッド級のビジュアルA I を目指す「Odyssey」も登場しました。今後は自動車運転教習用の映像がこれまでのような地図データから起こされたレンダリング画像ではなく、膨大な学習データからリアルタイムAIによって生成されるシミュレータが現れたり、バーチャルリアリティやゲームの映像も個々のプレイヤーにパーソナライズされたものに変化していくのでしょう。

    この夏はハード関連もAIに対応した最新型が登場するので楽しみです。