ノードベースのプロシージャル処理により、自由度の高い表現を可能にする統合ソフトウェアHoudini。この連載では、Houdiniの需要が高まる今、Houdiniユーザーの採用を積極的に行なっているプロダクションを紹介していく。
第4回となる今回は、ハイエンドなゲームグラフィックス表現を実現するカプコンのHoudini使用状況について紹介する。
<1.カプコンの基本情報>、<2.Houdiniの活用状況>、<3.Houdiniユーザーを求める理由>、<4.独自の企業文化>の4つの項目から、カプコンにおけるHoudiniを活用した制作環境と、働く魅力について探っていく。
1.カプコンとは
株式会社カプコン
企業概要
当社は大阪に本社を置くデジタルコンテンツメーカーです。
オリジナリティあふれるゲームソフト開発力を強みに、人気コンテンツを多面展開(ワンコンテンツ・マルチユース)することにより安定成長を遂げています。
「大阪から世界へ」を合言葉にグローバルな事業展開を加速してまいります。
制作実績
募集職種
①テクニカルアーティスト
②ゲームVFXアーティスト
③シネマティックVFXアーティスト
業務内容
・物理シュミレーションを利用した高品質な破壊・流体のシュミレーションによるゲームリソースの制作
・プロシージャル技術での効率的なアートアセット作成およびアーティストが使いやすい形への落とし込み
・Houdiniを用いたツールの作成、レンダリングサーバー構築、HDAの共有フロー整備等のHoudini使用者の開発環境改善
・Houdiniのメッシュやテクスチャを生成、加工できることを利用した幅広い表現のVFX制作
・グラフィック表現の品質を引き上げるためのリファレンスとして、映画品質のVFXの制作、関連技術のR&D
求めるスキルと人物像
➀Houdiniでプロシージャル生成する技術があり、制作工程のワークフローの設計、提案ができる
物理シミュレーション結果を演出内容に適したアニメーションに仕上げることができる
Houdiniを利用したツールの開発経験やITインフラや開発資産管理に関する知識がある
②Houdiniでシミュレーションを活用したエフェクトに関する素材制作を行い、ゲームエンジンを用いてゲーム内でのエフェクトの反映ができる
③プリレンダーで高品質なVFXを作成することができる。高品質(シネマ等)なVFX制作経験
<人物像>
・アセット制作パイプラインやワークフローに関心や、改善意欲があり、周りのセクションと連携して業務に取り組める方
・常に新しいCG関連の技術情報にアンテナを張っていて、そういった情報や、業務におけるノウハウ、知見を広めることでアーティストのパフォーマンスを上げることにモチベーションを感じる方
☆リード経験がある方は大歓迎
2.Houdiniの活用状況
Houdiniを使用するチーム
・テクニカルアーティスト部門 15名前後
ビジュアルに紐づいた技術案件の取り回し、タイトル開発に対するワークフロー等の開発共通基盤の構築などを担当
Houdini導入のきっかけ
「Houdini導入のきっかけとして最も早かったのは、エフェクト向けのリソースデータの作成です。様々なゲームの事情に合わせた細かなカスタマイズが出来ることが魅力でした。
その後社内に認知され始めてからは、ゲーム内のリソースの自動生成自動配置や、それに付随したツールの作成で使われ始めています。また、カットシーンイベントのために大規模な破壊シーンを制作する場合の破片のモデリングや物理シュミレーションにも活用しております。
一度組み上げてしまえば急な変更や出し直しに強く、またそれを他の現場で提供することもでき、最近は自社エンジンにHDAを組み込めるようにしたり、高品質な破壊表現をHoudini上でシミュレーションを行い、そのデータをベイクしてエンジンに持ち込むなど、徐々に使用事例が増えてきています。当社では開発人数規模が年々増えており、最近ですと3~400人を超えるようなタイトルが複数同時に走っている事もありますので、人数規模が増えれば増えるほど、共通基盤を整える事の効果が高くなります。Houdiniはそうした基盤となるツールの開発にも力を発揮するツールだと感じていますので、今後さらに需要が高まってくると考えています。」
Houdiniを導入する前と後で変わったことは?
「Houdiniが広く導入されてから、アーティストにもHoudiniの存在が認知されはじめ身近な存在になってきて、以前なら“アーティストが手作業でやるもの”と凝り固まっていた考えが、『これHoudiniでできませんか?』と相談してもらえることも増え、業務改善のマインドが加速していると感じております。」
Houdini習得方法・情報収集・社内教育について
「主に新卒入社向けのTAカリキュラムがあり、その中にHoudiniの初歩を学ぶチュートリアルを導入しています。入社時にHoudiniのことをよく知らなくても、このカリキュラムを通して基本操作とHoudiniの強みを理解してもらっています。
また、 Teams内にHoudiniユーザー同士がやり取りするための場所があるので、そこで質問したり、ユーザー同士で直接質問したりなど、すぐ誰かを頼れる環境も整ってきており『やり方がわからない』と一人で抱え込むということもなくなってきております。」
3.今、Houdiniユーザーを採用したい理由
Houdiniクリエイター募集の背景は?
「よりクオリティの高い表現を積極的にゲーム業界に取り入れたい! より効率的なフロー、ツールを作成する上で、Houdiniに対する高い知見とノウハウを持った人が欲しい! そうした思いが強くあります。
社内でも使用事例が増え、毎年ライセンス数も増やしておりますが、 『ここの破壊表現、もっと研究すれば映画に近いようなクオリティのリソースが作れるんではないだろうか?』『このHoudiniを使ったフロー、もっと改良すれば汎用性上がって色んな場面で使えるのでは?』 といったような事柄などから、まだまだこんなもんじゃないだろう、Houdiniのポテンシャルは! という風に感じておりますので、 新しい事を切り開いていく事に興味がある方は是非ともご応募のほどよろしくお願いいたします。」
4.カプコン独自の企業文化
カプコンならではの仕事の特色は?
「当社はRE ENGINEという自社開発ゲームエンジンという強みがあり、複数タイトルの開発が並行して進んでいく中、開発現場で起こる様々な技術課題をTAが連携をしながら進めていく必要があります。その分、TAの仕事の選択肢が豊富であり、自身がやりたいことを自由に提案でき積極的にチャレンジさせてくれる企業風土も持ち合わせております。業界限らず最先端の技術や手法を取り入れて、より良い新しいものを生み出せ、常に好奇心が刺激されるため、なにより面白いゲームを作りたい方には楽しい職場だと思います。」
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