モバイルゲーム、コンシューマーゲームのグラフィックス制作に特化した制作スタジオのDCG Entertainment(以下、DCG)は2年後の創業10周年を見据え、事業拡大のため中途採用を強化している。DCGの特長は何と言っても人材中心主義。ワークライフバランスを重視した完全在宅勤務制度、独自の教育システムによるサポート、個々のスタッフに最適化したキャリアプランの提供などの魅力をDCGのスタッフ3名に語ってもらった。
面接時の雰囲気の良さが決め手に!
CGWORLD編集部(以下、CGW):本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いします。
川村幸一郎(以下、川村):中途入社7年目の川村です。コンテンツ事業部全体の管理を中心に、プロデューサーやエフェクトチームディレクターを担当しています。ゲーム業界で2年、遊技機の映像を8年経験したのち、DCGに転職しました。
伊藤しおり(以下、伊藤):中途入社4年目の伊藤です。モデルチームのサブディレクターをしています。前職はゲーム会社に新卒で入社して、3年勤めました。
桑原真一(以下、桑原):新卒入社2年目の桑原です。モーションチームのアーティストです。入社以来ずっと、実家である茨城からリモート勤務です。
CGW:ありがとうございます。続いて、DCGの事業内容について簡単に教えてください。
川村:DCGはCG全般の制作スタジオとして起ち上がった会社です。現在はゲームのグラフィック制作に特化していて、3DCG(モデリング、アニメーション、エフェクト)、2DCG、キャラクターデザイン、会話パートのスクリプトなどをつくっています。今年で8期目になります。
川村幸一郎氏
コンテンツ事業部 プロデューサー
CGW:スタッフは何名いらっしゃるんですか?
川村:全社で60名、そのうちグラフィック制作に携わるコンテンツ事業部のスタッフは40名います。コンテンツ事業部のほかにはSES(System Engineering Service)やリモート派遣業務を行うサテライト事業部と技術開発、新規事業開発等を行うプロジェクト推進部があります。
CGW:最近はどんな作品を手がけましたか?
川村:Switchの『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』やモバイルゲームの『テイルズ オブ ザ レイズ』などがあります。今はコンシューマタイトルが多めですが、そこはゲーム業界のその時々の需要で変わってきますね。
CGW:では、みなさんがDCGに入社された経緯と理由を教えてください。
桑原:実は……。僕はCGWORLDの求人ページでDCGを見つけて応募したのがきっかけで入社したんです。
CGW:そうなんですね! ありがとうございます(笑)。
桑原:そうなんです(笑)。応募したあとすぐに「一次面接の前にカジュアル面談をしませんか?」というお誘いをいただいて、リモートで1時間ぐらいお話させていただきました。社内の様子や働き方について人事の方に説明いただいたときに、雰囲気が良いのを感じてとても好印象でした。
桑原真一氏
コンテンツ事業部 アニメーター
CGW:入社したいと思ったポイントはどこですか?
桑原:特に教育面、新人研修などに力を入れているところと、完全在宅勤務が許されているところですね。面接前なのに、もう「絶対ここに入りたい!」って思ってました(笑)。
CGW:カジュアル面談の時点でもう決めていたと。新卒ですから他社さんとの間で揺らぎませんでしたか?
桑原:数社、対面での面接もあったのですが、リモート面接だったDCGがいちばん明るく楽しい雰囲気を感じました。実際に入ってみても、イメージ通りでしたね。
CGW:そういう社風が入社前に伝わるというのは素晴らしいですね。伊藤さんは中途入社ですよね?
伊藤:はい。私は名古屋出身なので、本当は新卒で名古屋で就職したかったんですが、当時は巡り合わせがなくて……。東京のゲーム会社に就職しました。そこで3年働いてみて、やっぱり名古屋でゲーム会社を盛り上げたいな、と思い名古屋に戻って、母校(専門学校)の先生からDCGを紹介してもらって、書類を送ったんです。
伊藤しおり氏
コンテンツ事業部 サブディレクター
CGW:なぜDCGに入社したいと思ったのですか?
伊藤:DCGのSNSに、社内イベントでスタッフが楽しそうにバーベキューをしている写真が上がっていて。私の中のゲーム会社のイメージとちがって、和気あいあいな雰囲気が良いなと思ったんです。採用担当の方も親身だし、「これは良い会社だぞ」と(笑)。
CGW:なるほど(笑)。やはり社内の雰囲気の良さがにじみ出ているんですね。では川村さんはいかがですか?
川村:僕は9年ほど前まで遊技機業界にいたんですが、業界の縮小傾向が見えてきていた頃でした。DCGはまだ当時創立したばかりのベンチャーでしたが、代表の松国とは当時から仕事の受発注関係にあったんです。彼は常々“人を育てること”を大事にしていると力説していて、僕はそれにとても共感していました。それに、僕もゲーム業界ならもっとやれることが増えるんじゃないかと思って、入社させてもらったんです。
自分のスタイルによって働き方を選べる
CGW:DCGさんは現在もフルリモートワークを継続されていますが、その理由を教えてください。
川村:きっかけはもちろんコロナ禍です。急速にリモートワークが進みましたが、どこの会社もやっぱりコミュニケーションがネックになりましたよね。うちもそうでした。全スタッフが出社して仕事していたときには当たり前だったものを改めて捉え直す必要が出てきました。会社側はみんなが働きやすい環境を用意するのが仕事なので、いろいろと試行しました。その結果、ある程度課題をクリアできたので、今もリモートワークを継続しているという状況です。
CGW:スタッフの声はリモートと出社、どちら寄りですか?
川村:社内アンケートではリモートワークを希望する声が多いです。もちろん出社してもらってもかまいません。個々のスタッフが働き方を選べるようにしています。これはDCGの企業理念“人を活かし、人が創る”に沿った施策です。
CGW:コミュニケーションの課題解決はどのように行ったのでしょうか?
伊藤:バーチャルオフィスのoViceを活用しています。社内のイベントや飲み会をリモートで開催していて、この前もoViceの中で10人が輪になってゲームしました(笑)。
桑原:僕も参加しました。本当に楽しかったです(笑)。
CGW:スタッフ同士の仲の良さが伝わってきます。業務上のコミュニケーションについてはどうですか?
桑原:普段はSlackなどを使ったテキストでのやり取りが多いですが、例えばモーションの説明や確認はテキストではわかりにくいことも多いので、そういうときはZoomでビデオ通話をつないでもらっています。画面から離れて、カメラに向かって自分で動きながらモーションの説明をしたりしています(笑)。
CGW:確かにそういうときは対面が必要ですね(笑)。
桑原:必要なときにいつでも話せる環境があるので、出社してるのと変わらないと思っています。
新卒・中途共通のカリキュラムで共通認識をつくる
CGW:桑原さんの入社理由に「教育の充実」が挙がっていましたが、具体的にどのような施策があるのですか?
川村:まず、職種ごとにカリキュラムを用意しています。その時期に動いているプロジェクトにスムーズに対応できるように、先輩スタッフと教育課が必要な内容をカリキュラムに落としこんでいます。
桑原:僕は入社前に、週2〜3日、1日4時間程度インターンで研修を受けていました。そのカリキュラムが丁寧で。モーションの基礎の基礎から始まって、やっていくと確実に自分がレベルアップしている感覚がありました。そのときに学んだことは今も実務で役に立っています。それと、社会人としての基本的なマナーなどはOff-JT(Off the Job Training、通常業務から離れて行う教育・学習)で学びました。僕は新卒だったのですごくありがたかったです。
川村:そこは新卒も中途採用も一緒で、入社のタイミングで全スタッフに、半年間かけて履修してもらっているんです。
CGW:なるほど。新卒は入社後どのくらいからOJTに進むのですか?
川村:基本的に入社して2ヶ月はOff-JTで、その後プロジェクトに入ってOJTという流れです。中途採用者の場合は個人に合わせていますが、入社後にすぐプロジェクトに入ってもらうケースもあります。
CGW:教育の施策として他にはどんなものがありますか?
川村:福利厚生の一環として「学習支援制度」があります。全スタッフが毎年1万円まで、技術書やセミナーといった学習費用として使えるものです。
伊藤:技術共有用のチャットルームも用意していて、スタッフ同士で助け合っています。それと、私の管轄のモデルチームでは毎月定期的に技術共有の時間を設けています。もっと細かく言うと、毎日進捗確認の時間があるので、そこでも技術共有があります。
CGW:伊藤さんはCGデザイナーとして入社して、3年目からサブディレクターというマネジメントのポジションです。これも社内教育の成果でしょうか?
伊藤:私は入社2年目のときに、ゆくゆくは監修とマネジメントをやりたいなと考えていたんです。そこで先輩に相談したところ、「じゃあこれとこれができるようにならないとね」と具体的な指標を示してくれました。だからそれに向かって全力で取り組んで、1年でサブディレクターになることができました。
CGW:なるほど。具体的な指標を見せてくれるのはわかりやすくていいですね。サブディレクターの業務はどういったものですか?
伊藤:モデルチームのメンバー11名のスケジュール管理、チーム編成、チームの雰囲気づくりなどですね。チーム全員が働きやすいように調整するポジションです。
CGW:個々のメンバーに寄り添うということですか?
伊藤:そうです。例えば、たくさんミーティングをして喋りながらやりたいメンバーと、ミーティングよりは作業に集中したいメンバーがいたら、なるべくどちらの希望も叶えながら、折衷案を調整するという。メンバーとの個別面談の量も、その人に合わせて調整しています。
新しい技術や研究を発展させたい方に来てほしい
CGW:今回DCGが求人を拡大する背景を教えてください。
川村:あと2年でDCGは10期という節目を迎えます。良いタイミングなので、会社をもう一段高いレベルに押し上げたい、新しい地図をつくりたいのです。
CGW:特に中途採用の強化ですね?
川村:はい。リードのポジションを務めてくれる方や、新しい技術や研究を発展させてくれる方に加わってほしいですね。DCGはこれまでセルルックなどのタイトルを多く手がけてきているんですが、今回の採用ではフォトリアル方面、Unreal Engineなどのハイパフォーマンスグラフィックの経験者を拡充したいです。
伊藤:DCGはやっぱりゲーム会社なので、コンテンツに愛があって、技術的には教えたい教えられたい、成長したいというマインドを持っている人に来てほしいと思います。
桑原:スキル以外のところでは、やっぱり一緒に楽しく仕事ができる人。リモートなのでなおさら、コミュニケーションがしっかり取れる人が良いなと。
CGW:良い人材が加わってもっとDCGを盛り上げてほしいですね。新卒採用についてはこれまで通りですか?
川村:はい、例年通りです。もう2025年卒の新卒募集も始まっています。
CGW:DCGの魅力をたっぷり伺ってきましたが、他にも魅力に感じるところはありますか?
桑原:はい、去年からできた「アニバーサリー休暇」という制度です。自分や恋人の誕生日とか、何かの記念日を祝うため、年1回の特別休暇制度ができました。それで僕は今年、自分の推しキャラの誕生日を祝うためにこの制度を使わせてもらいました(笑)。
CGW:良いですね! 特別な1日を会社でも支援してくれるなんて。
伊藤:DCGは本当に“個”を大切にしてくれる場所です。ひとりひとりの働きやすさを優先して調整してくれるので、ものづくりに集中できます。
川村:本当にそこをいちばん大事にしていますね。会社が何かを押し付けるのではなく、個人個人のキャリアや人生を尊重して、一緒にものづくりをする。DCGはそういう会社です。
CGW:DCGの雰囲気が良く理解できました。今日はありがとうございました!
求人情報
【募集職種】
①3DCGモデラー
②3DCGモーションデザイナー
③エフェクトデザイナー
④ゲームプランナー
⑤ゲームプログラマー
⑥新卒3DCGデザイナー
TEXT__kagaya(ハリんち)