Adobe Max 2024 実用度重視のAIトピックを厳選! 大幅進化した各アプリケーションの新機能を総ざらい
2024年10月にマイアミで開催されたAdobe MAX 2024は、クリエイティブ業界における最新技術の祭典として、世界中のクリエイターが集結した。特に注目されたのはAdobeのAIツール「Firefly」の進化に伴う、各アプリケーションの大幅な強化だ。KeynoteではAIがクリエイティブ作業をどのように変革しているかが紹介され、出展ブースには最新のソフトウェアやハードウェアが多数展示された。本記事では、会場の様子やKeynote、Sneaksの発表内容のハイライトをレポートする。
会場の様子
マイアミの広大な会場は、世界中から集まった数千人のクリエイターや企業で熱気に包まれていた。会場には、Adobeの最新技術を体験できるブースや、各スポンサー、メーカーのデモンストレーションエリアが設けられ、どこも多くの来場者で賑わっていた。会場全体が未来のクリエイティブの可能性を探る場所として、活気とエネルギーに溢れていた。
Keynote:ジェネレーティブAIはあくまで「ツール」
KeynoteでAdobeが最も伝えたかったことは「AdobeのAIはあくまでツールでありクリエイターの創造性の代わりにはならない」というメッセージだろう。今後必要とされるコンテンツの量は2年で5倍ともいわれている中で、クリエイティブな作業により多くの時間を使うために開発していることを強調していた。それを踏まえて、AdobeのAI機能「Firefly」とのコラボレーションで実装された各アプリケーションの新機能を順に追っていこう。
Adobe Firefly Video Model:最も注目されたトピック。テキストから2D・3Dアニメーション生成
AdobeのFireflyの動画生成モデルでは、テキスト入力のみでアニメーションを含む動画クリップを自動生成できる。プロトタイプや短編動画の制作を迅速に行えるため、制作過程がさらにスピーディーに進行できる
Premiere Pro:Generative Extendでシームレスなシーン延長が実現
Premiere Proには「Generative Extend」機能が追加され、動画のシーンにAIが自動でフレームを生成して自然に延長することが可能となった。素材が不足している際の補完や映像の尺調整を容易にするこの機能は、プロフェッショナルな映像制作を効率化する。また、Frame.ioのパネル統合で共同編集がしやすくなり、ProRes形式の高速エクスポートもサポートされた
Photoshop:自動削除機能と生成AIで、素早く美しい編集が可能に
Photoshopでは「Firefly Image 3」モデルを導入し、生成AI機能「Generative Fill」、「Generative Expand」が追加された。新たに搭載された「Distraction Removal」機能は、写真内の不要な要素をAIが自動で削除し、画像を自然に修正する。人物や風景写真の背景調整や不要物の除去が一瞬で可能になるため、複雑な編集も素早く実現。
Illustrator:オブジェクトをパス上に自由に配置、デザインの自由度が向上
Illustratorには「Objects on Path」機能が搭載され、任意のパスに沿ってオブジェクトを整列させることが可能となった。デザインの自由度が増し、アートワークの配置やバランス調整がしやすくなっている。また、手描き画像をきれいなベクターに変換する「Image Trace」機能や、製品画像へのアートワーク配置をリアルに見せるMockupツールも追加された。
Lightroom:HDR対応&クイックアクションで編集スピードアップ
Lightroomには、不要なオブジェクトをAIで削除する「Generative Remove」機能が新たに追加された。撮影した写真から不要な要素を瞬時に除去でき、編集作業が効率化する。また、HDR対応が強化され、より豊かな色彩とディテールを引き出すことが可能。クイックアクション機能も追加され、シンプルな操作で洗練された仕上がりを実現している。
Frame.io:Version 4がベータ版から正式版に。Lightroomとも直接連携
Frame.ioでは、メタデータを活用した柔軟な整理機能「コレクション」を備え、レビューや承認プロセスが直感的かつ迅速に行えるようになる。Lightroomとの直接連携も可能に。また、Camera to Cloud(C2C)の対応範囲を拡大し、Cannon、Leica、Nikonなど主要カメラブランドとの連携が強化された。
Express:AI機能を大幅強化し誰でも手軽にクリエイティブを
AI周りの機能強化でSNS投稿のサイズ変更やテキストの翻訳・リライトが可能になり、ブランド要素を一括適用する新機能も提供。ロゴやSNS用の画像や動画、チラシなど、デザイナーだけでなくマーケターやリクルーターなどもクリエティブフローに参加できるようになった。
Project Neo:Illustrator連携でウェブ上での3D作成が超簡単
Project Neoは、2Dデザイナー向けの3Dデザインツールで、ウェブ上で3Dモデルを作成・編集できる。作成した3DデータはIllustratorにベクターデータとして転送し編集も可能で、簡単に3D要素を活用したデザインが可能となる
Sneaks:今後実装されるかも? 開発陣の未公開新技術やプロトタイプを紹介!
#ProjectSuperSonic:AIで効果音を生成
#ProjectRemixALot :スタイルを維持しながら自動でレイアウトパターンを生成
手書き、写真、他のクリエイティブをベースに編集可能なベクターデータを生成できる。縦横比を含むサイズ変更をしても自動で再度オブジェクトがレイアウトされる。
#ProjectScenic:注目のText to 3D機能
プロンプトから生成された3Dデータを編集、個々のオブジェクトを微調整し、レイアウトを調整できる。
#ProjectTurntable:2Dイラストを3D空間で回転!キャラクターの背面も自動生成
描いた2Dイラストを3D空間で回転させ、どの角度からでも2Dアートのスタイルを保ったまま表示することができる。また、ベクターグラフィックの形状がどの角度でも正確に維持され、デザインの重要な要素が失われることがない。
#ProjectInMotion:テキストからモーショングラフィックス
プロンプトでモーショングラフィックスが作成できる。画像を参照して狙ったスタイルに合わせることも
#ProjectHiFi:リアルタイムAIでのデザインコンセプト
デザインコンセプトを最短でつくることができる。手書きや映像からAIがリアルタイムに解析、ビジュアル出力が可能。
#ProjectCleanMachine:映像の不要なものをAIで削除
動画の不都合なものは全部消します。不要な光、一瞬映ってしまったオブジェクトも。
#ProjectPerfectBlend:複数画像を自動で一致させ合成
Photoshopでの合成編集をAIで強力にサポート。別々の画像のカラーやライティング、影なども自動で一致させ、より自然な合成を実現。
#ProjectKnowHow:コンテンツ認証情報を検索、設定
Adobeのツールで作成したあらゆるコンテンツに、認証情報を添付することができる機能。誰がデザインし、誰が編集したコンテンツなのかを残すことができる。印刷物も解析可能。
INFORMATION:Adobe Max Japan 開催決定
2025年2月13日(木)東京ビッグサイトにて第一線のクリエイターが集まる、クリエイターのための祭典「Adobe MAX Japan」が開催決定!様々な著名人やエキスパートからインスピレーションとクリエイティブな刺激を得たり、すぐに役立つテクニックを学ぶことができます。
2025年1月13日(月)まで早割50%OFF。
チケットの購入はこちら
開催概要
日時:2025年2月13日(木)10:00-20:00
会場:東京ビッグサイト 東7/8ホール アクセス
ハッシュタグ:#AdobeMAX
チケット
一般(定価)20,000円
早割 10,000円 ※2025年1月13日まで定価から50%OFF!
学生 3,000円
対象
グラフィックデザイン、写真、Web制作、UI/UXデザイン、映像制作、3D制作、SNS制作、などに携わるクリエイターの方、およびそれらを目指す方。生成AIなどの最新のクリエイティブやテクノロジーに興味のある方。