デジタル上野の杜2022 アートプレゼンテーションワークショップ参加者に提供された raytrek R7-ZF 32GBモデルの使用感を本間悠暉氏(藝大映像研究科修士課程)が語る
2022年8月に東京藝術大学(以下、藝大)の上野校地で実施されたデジタル上野の杜2022 アートプレゼンテーションワークショップには、藝大に所属する合計7人の修士と研究生が参加した。その中の1人で大学院映像研究科メディア映像専攻修士1年の本間悠暉氏に現在の研究内容、ワークショップで体験したこと、普段の制作環境などについて語ってもらった。
本間悠暉 氏(東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士1年)
東京大学経済学部経済学科卒業。2018年より、MESON, incにてAR/VR技術を活用した体験の企画・研究活動に参画。都市の記憶のアーカイブや、メディアを介した個人像に着想を得て制作を行う。
@y__homm
VR空間の中に潜んでいる生々しい人の息づかいを残しておきたい
―― 本間さんは、MESON, incでGIBSONなどのAR/VR技術を活用した体験の企画・研究にディレクターとして参画する傍ら、2022年4月からは藝大の大学院映像研究科にも在学していますね。なぜ藝大で学ぼうと思ったのですか?
本間悠暉氏(以下、本間):高校卒業後に入った東京大学では経済学部に在学していましたが、当時から新しいサービスをつくることへの漠然とした興味があったのです。ちょうどOculus GoなどのVRデバイスが世の中に出回り始めた時期で、自分の手で新しいAR/VR体験を生み出したいと思うようになりました。そのながれで大学の先輩が設立したMESON, incに参画させてもらい、様々なプロジェクトに関わってきました。GIBSONもそのひとつで、SIGGRAPH ASIA2021のXR部門に採択されましたね。ただ、企業の中でAR/VR体験の社会実装を目指そうとすると、必ず利益が紐付いてきて、人に喜んでもらうとか、社会を良い方向に動かすといった本質の追求が難しくなってしまうことがあるんです。
―― 確かに。一方で藝大だと、誰も利益については言及してこないですよね。
本間:おっしゃる通りです。芸術という分野なら、メディアや技術の新しい使い方を個人で追求できるだろうと思ったので、藝大を受験することにしました。
―― 今は修了作品を視野に入れつつ、研究を重ねている段階でしょうか?
本間:はい。絶賛研究中です(笑)。VRChat内にカメラを置いて、そこで過ごす人を撮ったり、インタビューをしたりして、その記録をひとつの映像にまとめられないかと構想しています。時代を代表するような人の声高な主張ではなく、VR空間の中に潜んでいる生々しい人の息づかいや、未完成の技術を駆使して楽しんでいる姿を残しておきたいという気持ちがあるのです。
―― 絵画の保存に例えると、宗教画や貴族の肖像画よりも、風俗画を残しておきたいというような感じでしょうか。
本間:近いと思います。現実空間と同様に、VR空間においても、自分たちの記録を残しておきたいと思う人は多いんじゃないでしょうか。どういう残し方をすれば多くの人に喜んでもらえるのか、日々模索しています。GIBSONも、8月のワークショップも、そこにつながっているような気がします。
ワークショップ参加者に提供されたraytrek
raytrek R7-ZF 32GBモデル
ディスプレイ ▶︎ 17.3 インチ ノングレアWQHD(2560 × 1440)液晶/165Hz/sRGBカバー率約100%
OS ▶︎ Windows 11 Home 64ビット
CPU ▶︎ インテル® Core™ i9 - 12900H プロセッサー
GPU ▶︎ NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU
ストレージ ▶︎ 1TB SSD(NVMe Gen4)
メモリ ▶︎ 32GB(16GB × 2)(DDR5-4800)
サイズ ▶︎ 395(幅)× 262(奥行)× 25(高さ)mm
本体も電源アダプターも軽量だし機能的なデザインなので手に馴染んだ
―― 8月のワークショップでは、ご自分の立体作品をフォトグラメトリでデジタル化して、VRChatワールドにあるデジタル上野の杜(ワールド名:DigitalUenoPark_2022)に展示したそうですね。
本間:はい。『Silhouette』と題した作品で、椅子にだらんと座った僕の姿を模したものに、僕が所有している本のカバーをベタベタと貼りました。「自宅の本棚を見れば、その人の好みがわかる」と言う人は多いですよね。そういう要素を抽出して作品にしたら、それを見た人は、どんな人物を想像するんだろうという発想を起点につくりました。本来のスケールは等身大で、自宅に保管してあった作品の写真をiPhoneで100枚くらい撮影して、Polycamというアプリでポリゴンモデルを生成しました。そのデータをBlenderで整えた後、Unityのエディタを使ってサイズなどを調整しています。
―― 展示作品はどれも巨大でしたね。
本間:どの参加者も作品を大きくしていましたね。「サイズを変えるだけで、すごく印象が変わる」という共通認識があったように思います。僕の場合は等身大であることも作品のコンセプトに含まれていたので、本来のスケールのものと、巨大にしたものの2種類を並べて展示しました。デジタル上野の杜のどこに展示するかによっても印象が変わるので、全員で悩みながら展示方法を決めました。デジタル上野の杜は上野公園のデジタルツインですが、そこに入ったときに感じる雰囲気と、現実の上野公園を歩いたときに感じる雰囲気は少しちがっています。そのちがいがある中で、どういう提示をするのがベストなのか、皆で議論しながら試行錯誤する過程も面白かったです。
―― 一連の作業を通して「raytrek(レイトレック) R7-ZF 32GBモデル」を使ったのでしょうか?
本間:そうです。サードウェーブからはデスクトップPCの「raytrek ZG-D5 第 12 世代インテル® Core™ プロセッサー搭載」もご提供いただきましたが、僕の場合は持ち運べるノートPCの方が使い勝手が良かったです。本体も電源アダプターも軽量だし、過度な装飾のない機能的なデザインなので、僕の手に馴染みました。しかも普段使っているノートPCよりも動作が速かったので、これ1台でワークショップの全ての作業に対応できました。
―― 普段使っているノートPCのスペックも教えていただけますか?
本間:普段の作業ではゲーミングノートPCを使っており、CPUはインテル® Core™ i7 - 12700H プロセッサー、GPUはNVIDIA GeForce RTX 3060、メモリは32GBです。
―― 普段はどんな作業をしていますか?
本間:フォトグラメトリで周囲の空間の3Dデータを生成し、それを編集してVR空間に実装する、といった作業が特に多いと思います。よく使うアプリケーションはBlender、Unity、Premiere Proです。仕事で重たい処理をするときだけ、MESON, incのオフィスにあるデスクトップPCを使っています。
―― raytrekを今後も使うとしたら、何をやりたいですか?
本間:RealityCaptureを使った空間のフォトグラメトリをやりたいですね。ハイスペックだけどポータブルなので、現地でデバッグまでしなければいけない場合などに重宝すると思います。記念写真を撮影するような感覚で、自分がいる空間全体の記憶をフォトグラメトリによってアーカイブして、VR空間に残しておきたいと考えています。
2022年12月2日発売! raytrek最新モデル
raytrek 4CZZ 第 13 世代インテル® Core™ プロセッサー搭載
OS ▶︎ Windows 11 Home 64ビット
CPU ▶︎ インテル® Core™ i9 - 13900K プロセッサー
GPU ▶︎ NVIDIA GeForce RTX 4090 24GB GDDR6X
ストレージ ▶︎ 1TB SSD(NVMe Gen4)
メモリ ▶︎ 32GB(16GB × 2)(DDR5-4800)
サイズ ▶︎ 216(幅)× 486(奥行)× 493(高さ)mm
全てのクリエイターの「もっと創りたい」「驚かせたい」「追求したい」に寄り添いたい。その想いからクリエイター向けPCブランド「raytrek」は、新シリーズを発表しました。作業環境を考えたデザイン、クリエイティブシーンで求められる機能、そしてパフォーマンスを最大化する性能を備え、皆さまの「創造」をサポートします。
製品詳細はこちら
TEL(法人):03-5294-2041(平日:9~18時)
TEL(個人):03-4332-9656(平日:9~21時/土日祝:10~18時)
第 13 世代インテル® Core™ i9 - 13900K プロセッサー
第 13 世代インテル® Core™ プロセッサーは、第 12 世代インテル® Core™ プロセッサーの特徴を継承しつつ改良を加えた最新のCPUです。最大8個のPerformance-cores(P-core ※1)と最大16個のEfficient-cores(E-core ※2)を搭載し、第 12 世代Coreと比較してシングルスレッドで15%、マルチスレッドで41%の性能向上を実現。実際のアプリケーションを稼働させた検証においては、クリエイターツールで最大34%の性能向上を確認しました。マルチタスク処理と構成の柔軟性を最大限に引き出すプラットフォームで、ユーザーの皆様に優れたクリエイティブ体験を提供します。
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TEXT_尾形美幸(CGWORLD)