>   >  コンセプトアーティストのための人体ドローイング:解剖学に則した頭部の描き方
コンセプトアーティストのための人体ドローイング:解剖学に則した頭部の描き方

コンセプトアーティストのための人体ドローイング:解剖学に則した頭部の描き方

コンセプトアーティストやイラストレーターの必須スキルである人物ドローイング。限られた時間の中で、人体の造形や魅力的なポーズを瞬時に捉え、キャンバスに落とし込むために必要なものは何でしょうか。書籍「コンセプトアーティストのための人体ドローイング」から、そのテクニックの一部を紹介します。

アーティスト:Kan Muftic
http://kanmuftic.blogspot.com

「コンセプトアーティストのための人体ドローイング」より一部抜粋

問題となりやすい領域

本書のテーマが人体ドローイングであるにもかかわらず、まだ解剖学(アナトミー)に触れていません。個人的な見解では、あまり解剖学を知らなくても意外と良いジェスチャードローイングを制作できます。私の場合、人物のウェイト配分とジェスチャーが最も大切です。なぜなら、コンセプトアーティストの仕事には、人々によって環境を息づかせる、動きにおけるキャラクターデザインの役割の説明、衣装デザイン、ストーリーボードの作成が含まれているからです。コンセプトをよりはっきりと伝えるのに、素早いジェスチャースケッチが最適の方法というわけです。また、満足のいく結果を出しながら、厳しい締め切りを守るのにも役立ちます。

多くの人々が人体ドローイングを避けるのは、解剖学の複雑さによるところが大きいでしょう。解剖学は壮大なテーマであり、1つの章にすべてを収めることはできません。しかし、解剖学の知識が増えれば増えるほど、絵は見映え良く、美しくなります。

私は解剖学が大好きです。自分の作品をどれほど向上させてくれるか知っているだけでも、十分やる気が出ます。「人体」は非常に魅力的であり、その複雑な機能の探求に飽きることは決してありません。

しかし、本書のテーマは解剖学ではありません。世の中には解剖学を学習できる数々の素晴らしい書籍があります。本書はエンターテインメント業界で働く人々をターゲットとした、人物のクイックスケッチに関するものです。とはいえ、解剖学をじっくり学習する時間や余力のない人がいることを認識しています。

そこで、本章では取り組むのが難しい人体のいくつかの領域に焦点を当てます。こういった領域では、私自身を含め多くの人々が苦戦しているのを見かけます。それらの理解と向上に集中すれば、人体ドローイングとキャラクターデザインのスキルに、この先も恩恵をもたらしてくれるでしょう。


頭部

頭部は人体ドローイングに不可欠な部分です。頭部のスケッチを数多く描くことは、キャラクターデザインやクライアントにアイデアを売り込むときに役立ちます。鑑賞者が頭部を見たとき、すぐにつながりができるため、アーティストには大きな責任が伴います。とりわけ頭部や顔の間違いに対して、鑑賞者はあまり寛容ではありません。肖像画の芸術は、美術史の中でも常に偉大な分野として考えられてきました。

ここではこの難しい領域に深入りすることなく、頭部の基本構造に注目し、ライフドローイングを効果的に行う方法を考察します。以降の図とステップに従い、まず、頭部の側面図を描きましょう。これによって対称性(シンメトリ)を気にせずに、顔の主要な要素に慣れることができます。その次に、正面から見た顔の簡単な描き方を説明します。

頭部の側面図の描き方


  • ステップ01
    頭蓋骨の円を描きます。実際には卵型に近いですが、この簡略化した描き方の場合、円で問題ありません


  • ステップ02
    円の左下の角から線を伸ばして、シンプルな三角形を描きます


  • ステップ03
    三角形と円の底辺が接する点から線を伸ばし、簡略化した耳の形状を描きます


  • ステップ04
    耳の上から、眉弓の高さを表す線を引きます


  • ステップ05
    簡単な目を描きます


  • ステップ06
    三角の鼻を描きます

ステップ07
鼻から口にかけて曲線を描き、唇と顎を加えます

ステップ08
首と後頭部を描きます。首は細過ぎても長過ぎてもいけません(これは学生によく見られる間違いです)


  • ステップ09
    ディテールとシェーディングを加えて、スケッチを洗練します

次ページ:
正面から見た顔の簡単な描き方

特集