>   >  多彩な個性を同一画面に同居させるキャラクターアセット、バーチャルアイドル企画『ReVdol!』(リブドル!)
多彩な個性を同一画面に同居させるキャラクターアセット、バーチャルアイドル企画『ReVdol!』(リブドル!)

多彩な個性を同一画面に同居させるキャラクターアセット、バーチャルアイドル企画『ReVdol!』(リブドル!)

Happy Elements Asia Pacific(以下、HEAP)が展開中のバーチャルアイドル企画『ReVdol! -VIRTUAL IDOLS NEXT TO YOU-』(以下、『リブドル!』)。5人のスワン候補生(歌声で世界を救うアイドル)たちは出身国から容姿まで非常にバラエティに富んでいる。その一方では、『リブドル!』の世界観に合わせた統一感を兼ね備えている。さらにリアルタイムCGベースで制作する上での創意工夫も随所に凝らされた。

関連記事:新たなバーチャルアイドル企画『ReVdol!』仕掛け人たちが語り合う、「バーチャルアイドルを"リアルタイム"で育成したい!」
※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 247(2019年3月号)からの転載となります。

TEXT_神山大輝(NINE GATES STUDIO
EDIT_沼倉有人 / Arihito Numakura(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada

【リブドル!】シーズン1(1/12)「ラストチャンス」

『ReVdol!』(リブドル!)
※中国語タイトル『战斗吧歌姬!』(じゃん どう ばあ ぐう じい!)

〈公式Twitter〉 @Re_Vdol
〈公式YouTubeチャンネル〉 youtube.com/channel/UC1AYIkgyMfM0UT8xZnvzWGQ
〈bilibili動画〉 space.bilibili.com/364225566

<ストーリー>
世界各地に突如現れた「ナイトメアドーム」。地球を飲み込み、災いをもたらすドームを消し去ることができるのはたったひとつ、「スワン」と呼ばれるアイドルたちの歌声であった......。中国、日本、米国......各国から集められた素質ある少女たち。彼女たちはスワン育成機関であるイドゥン機関にて日々、厳しい訓練をこなし人々に愛され、ドームに対抗できる「スワン」を目指す

©2019 Happy Elements Asia Pacific Co., Ltd. 037

<1>それぞれの個性を活かしながら、5名分のキャラクターを効率的に作成

キャラクターモデリングおよびルックデヴは2018年1月にHEAPに合流したキャラクタースーパーバイザー 内田博明氏がリード。本作はアニメシリーズとライブストリーミング(Unityによるリアルタイム配信)を同一モデルで展開しているという特徴があり、衣装ごとに異なるものの全員が6~8万ポリゴン程度となっている。登場する5人のスワン候補生は異なる5名の人気イラストレーターが2Dデザインを担当しており、各イラストレーターの個性を活かしつつ作品としての統一性をもたせるために、キャラ頭身やイラストレーター自身が描いた瞳のテクスチャのコントラストを統一、さらに髪型に関しては長さやハイライトを含めて同一仕様に収まるよう調整している。また、様々な衣装を制作するために全キャラ素体のトポロジーとUVも統一している。衣装作成後も素体のポリゴンは消去せず、見えない箇所や不自然なめり込み部分は「ClippingMask」と名付けた手法で非表示にしている。ルックデヴはUnityで行なっているが、Unity、Maya共に自社開発のシェーダを用い、Mayaでのモデリング、アニメーション工程もUnity上のルックに近い状態を確認しながら作業できるしくみになっている。また、キャラクター衣装の色替えは「MPC(Material Paratmeter Controller)」という内製ツールを用いており、新規にPrefabを作成することなくテクスチャを差し替えることが可能だ。

リギングはプリレンダー現場でのリガーとしての経験が豊富な近藤未来氏を中心に、中国側リガーの2名という体制。作業効率化のために髪の毛や装飾品などの揺れもの以外は全て共通リグとなっている。プライマリリグではボディが動くまでの最低限の設定を行い、専用ツールを用いてパブリッシュされた後はセカンダリリグとMotionBuilderリグに分岐する。シミュレーションは全てUnity内で完結、揺れものにはSpringBoneを使用している。膝や指などには補助ボーンが細かく仕込んであり、ジョイント数はリアルタイム時の処理負荷をパイプラインチームと相談しながら決定、衣装によっても差異はあるが基本は150本となっている。全員が共有するトポロジーとUVをもつため、現在はフェイシャルアニメーションを簡単に共有できるツールの新規開発も進んでいるという。

  • 左から、内田博明氏、近藤未来氏(HEAP)。

トポロジー、等身などを統一したモデリング

それぞれのイラストレーターの持ち味を活かしつつ、頭身を整えるなどして同一画面に映ったときの統一感を担保。特に髪の毛のテクスチャ、ハイライトや瞳のコントラストを中心に調整。「カティア(【下の画像】右端)の髪の毛が顕著で、イラストのままでは他のキャラクターと差が大きくなり過ぎてしまいます。担当イラストレーター・藤真さんのイラストの雰囲気を損ねないようにしつつ、セルアニメ的な見た目を参考に簡略化しました」(内田氏)

完成モデルのUnityでのルックチェック

全モデルでトポロジー、UVが統一されている

リギング

リギングはリガー2名で担当。作業効率化のために揺れものを除き共通化されている

李清歌(リー・セイカ)のスケルトン表示。髪の毛などの揺れものはSpringBoneでのシミュレーション結果を考慮してジョイントチェーンのスパンが比較的短くなっている一方、スカートは省略されている

フェイシャルリグ。目や口の開閉、表情などに加え、舌も位置調整などが行える。フェイシャルキャプチャのデータが流し込まれており、タイムスライダには細かくキーが打たれている

イラストの印象を活かした微調整

瞳や髪のテクスチャ調整の例

スワン候補生を厳しく指導する教官キャラクター、ヴィヴィアンの3DCGモデルで、【画像下】は左からテクスチャ調整前、調整後。髪の毛のハイライト、瞳ともにキャラクターデザインに忠実にテクスチャを起こすと左のようになるが、他のキャラクターも含め印象を統一するために調整されている。ヴィヴィアン以外のキャラクターも同様の調整が適用された

めり込み対策「ClippingMask」

モデリング時には衣装の内側を削除せず作業が進められているが、ポーズによっては肌が服を突き抜けてしまう可能性がある。本作では「ClippingMask」と名付けた手法でこれを回避している

【画像左】『Music Fighter』用の神宮司 玉藻の完成モデル/【画像右】衣装の内側は、メッシュを削除しないままクリッピングマスクによって非表示にしている

【画像左】わかりやすくめり込ませた状態と【画像右】クリッピングマスク適用状態の表示

次ページ:
<2>カティア・ウラーノヴァ メイキング

特集