「建築、製造、アパレルなどデザインビズの最先端を知る」というコンセプトを掲げ、2021年3月に開催された無料のオンラインイベント「CGWORLD デザインビズカンファレンス」 。明日7月15日(木)には、第2回となる「デザインビズカンファレンス 2021夏」が開催される。ここではまだ参加を迷っている方向けに、いくつかのセッションをピックアップしてその見どころをご紹介。事前登録がお済みでない方はお早めに!
TEXT_藤井紀明 / Noriaki Fujii(CGWORLD) /
EDIT_山田桃子 / Momoko Yamada
CGWORLD デザインビズカンファレンス 2021夏 公式サイト
cgworld.jp/special/cgwviz2021/summer
開催概要
イベント名:CGWORLDデザインビズカンファレンス 2021夏
開催日:2021年7月15日(木)
時間:10:00~16:00
場所:オンライン配信
参加費:無料 ※事前登録制
参加対象:CG活用したビジネスに興味がある方
CG制作に関わる業界に従事している方
注目セッション①
Unreal Engineを活用したプロダクト開発
SUBARU×ヒストリア
cgworld.jp/special/cgwviz2021/summer/schedule/historia
まずは国産自動車メーカーの雄・SUBARUと、Unreal Engineへの豊富な知見でお馴染みのヒストリアがタッグを組んだ、「Unreal Engineを活用したプロダクト開発 ~インタラクションを活かした新しいデザイン開発手法~」。こちらの講演は、自動車デザインプロセスにおいて実物大のクルマモデルを用いて行なっていた従来のユーザー評価を、Unreal Engineを用いたVRベースに置き換えることでコストや時間などの課題解決を図った実例を紹介するというもの。この「VRクリニック」と呼ばれる評価手法のなかで、Unreal Engineがどのように活用されているのかが大きな見どころと言える。
ゲーム以外の活用が進むUnreal Engineだが、ヒストリアでは非エンターテインメント分野でのUnreal Engineの活用を推し進めるブランドとしてヒストリア・エンタープライズを起ち上げており、同ブランドで制作したUnreal Engine 4の技術デモ「Cutting-Edge Test Drive(カッティング エッジ テスト ドライブ)」は、エピック・ゲームズが資金提供するプログラム「Epic MegaGrants」にも採択された。この技術デモについてはCGWORLD.jpでも詳しく紹介しているので、本セッションの前に一読してもらえると、より理解が深まるだろう。
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MegascansとUnreal Engine 4による非エンタメ向けリアルタイム技術デモ『Cutting-Edge Test Drive』
注目セッション②
あなたのためのレンダラー選択
ATA企画
cgworld.jp/special/cgwviz2021/summer/schedule/ata
続いては、一級建築士事務所 ATA企画による「あなたのためのレンダラー選択」。エンタメ、非エンタメによらずGPUレンダリングやリアルタイムレンダリングへのニーズが高まるなか、こちらの講演は実際のシーンを触りながら各種レンダラの特性や使用感について語るという内容になっている。今回取り上げられるのは、Arnold、Redshift、V-Ray、Corona Renderer、Cycles 4D、OctaneRender。さらに、VRやアニメーション用途を視野に入れ、2020年12月に正式にサービスがスタートしたリアルタイムレンダリングソリューション「Chaos Vantage」についても検証されている。現在、レンダラ選びに悩んでいる人には非常に参考になるだろう。
ちなみに講演者のひとり、ATA企画の専務取締役兼CGチームキャプテンの多田朱利氏はオートデスクAREA JAPANにて2009年にビジュアライゼーションテクニックを連載するなどレンダラへの造詣は深く、最近ではCGWORLD.jpでのArnold 6のレビューや、V-Ray 5を用いたオンラインチュートリアルなども展開しているので、こちらもぜひ合わせてチェックしていただきたい。
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ATA企画のmental rayビジュアライゼーションテクニック(外部サイト)
建築ビジュアライゼーション用途の使い勝手は? GPUレンダリングにも正式対応したArnold 6の実力を試す
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注目セッション③
GOOD VIBES ONLYのアパレルDX革命ストーリー
cgworld.jp/special/cgwviz2021/summer/schedule/good-vibes-only
最後に、アパレル系から「GOOD VIBES ONLYのアパレルDX革命ストーリー #未来に向けての取り組み」を紹介したい。全世界的にサステナブル化が求められているアパレル業界において、GOOD VIBES ONLYは、アパレルにおける企画から販売までのサプライチェーンをデジタル化する「DX(Digital Transformation)」を推し進める先鋭的な企業。本講演ではそのDXの具体的な取り組み内容と、アパレル3D着装シミュレーションシステム「CLO」を用いたCGによる服飾サンプルのワークフローなどが語られる。
ゲームのコスチュームなど、エンタメ系の衣装制作ツールではMarvelous Designerが有名だが、CLOは同じメーカーが提供する同等の機能を有したアパレル向けのツールで、世の中には動画チュートリアルなどのノウハウはまだまだ少ないことから、本講演内容は貴重なものとなるだろう。なお、8/10発売のCGWORLD本誌277号の特集「デジタルで彩る コスチュームのセカイ」でもGOOD VIBES ONLYをフィーチャーしているので、後日そちらもぜひ。
ほかにも、エンタメ・非エンタメ業界を問わず、新たな知見が得られるセッションが盛りだくさん。参加費は無料、講演動画は2週間アーカイブ視聴できるので、まずは事前登録を! イベント当日も登録可能です。