VFX制作プロダクションのSpade&Co.は12月1日(月)、9月に劇場公開が始まった映画『宝島』のVFXメイキング映像を同社YouTubeに公開した。実写では再現が難しい戦後沖縄の風景からリアルな火災シーン、そして数千人規模の群衆が入り乱れる暴動シーンまでを、同社VFX技術によって空気感豊かに、リアルに再現している。

©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会

戦後沖縄の風景の再現

▲実写プレート(左)と完成ショット(右)。遠景の山並みや軍用機が加えられ、ヤシの木も豊かに肉付けされている

▲実写プレート(左)と完成ショット(右)。ブルーバックのスタジオ撮影素材に対して、遠景に電柱・電線や家屋を加えている

実写では再現困難な、当時の沖縄の町並みや独特の空気をVFX技術を用いて構築している。

リアルな火災シーン

▲実写プレート(左)と完成ショット(右)。右側の窓から出る炎と黒煙、そして周囲全体にまとう煙を加えている

緊張感の高い火災からの避難のシーンもVFXによりリアルに演出している。

大迫力のコザ暴動

▲実写プレート(左)と完成ショット(右)。ブルーバックの遠景を差し替え、車両から立ち上る炎と煙を加えている

▲以下5枚の画像は同一シーンのコンポジットのブレイクダウン。背景の素材(左)に群衆シミュレーションで作成した遠景のモブを配置(右)

▲中景のモブを配置(左)、前景の実写プレートを配置(右)

▲カラコレとグレーディングを施して完成したショット

物語の重要な局面である「コザ暴動」の混沌としたエネルギーとスケール感を、VFXを駆使して再現。

※掲載画像は全てYouTubeのメイキング動画より引用

映画『宝島』について

第160回直木賞を受賞した真藤順丈『宝島』を、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が映画化。舞台はアメリカ統治下の沖縄。全てを奪われた島で、米軍基地から物資を奪い住民に分け与える若者たち「戦果アギヤー」の疾走を描く。 コロナ禍による2度の延期を乗り越え、日米共同製作によって完成した本作は、徹底的なリサーチで「沖縄がアメリカだった時代」をリアルに再現。クライマックスシーンでは延べ2,000人超のエキストラを動員し、当時の熱狂と混沌を圧倒的な迫力で描き出した。2025年9月19日劇場公開。

■映画『宝島』公式サイト
https://www.takarajima-movie.jp/

©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会

Spade&Co.について

株式会社Spade&Co.(スペード・アンド・カンパニー)は、2014年に設立された、東京・渋谷を拠点とするハイエンドVFX制作プロダクション。『キングダム』シリーズ、『シン・ゴジラ』、『ゴールデンカムイ』、『地面師たち』など、映画を中心にドラマやCMなど数多くの映像作品を手がける。『ゴールデンカムイ』ではVFX-JAPANアワード2025最優秀賞を受賞。

■Spade&Co.公式サイト
https://www.spade-co.jp/