Movella社は11月12日(水)、地磁気や加速度、ジャイロセンサーを組み合わせた慣性センサー式モーションキャプチャデバイス「Xsens Link」次世代機の発売を開始した。ケーブル完全統合型で丸洗い可能なスーツデザイン、10時間以上の長時間駆動(外部バッテリーと合わせての利用時)、Wi-Fi 6E対応、USB-C OTGによる有線接続対応、最大240Hzの更新レートと20msの低遅延、GNSS(GPS)サポート、オンボディレコーディング、Unreal EngineやBlenderなどとのシームレスな連携など、多数の特徴を備える。販売は代理店経由となる。
次世代Xsens Linkは、ハードウェアアーキテクチャの根本的な見直しとUXの大幅な改善を施したモーションキャプチャスーツ。新開発の「eSuit」はケーブル配線をスーツの生地内部に完全に統合したことにより、着用者が配線の絡まりを気にせず、より自然でダイナミックなパフォーマンスを行えるようになった。また、センサーを取り外すだけで、スーツを専用のウォッシュバッグに入れて洗濯機で洗うことができる。さらに、快適な着用感を得られるよう、通気性に優れた4Dストレッチ素材と人間工学に基づいたデザインを採用している。
電源システムについては、外部バッテリーのホットスワップに対応。ハブ本体にも内蔵バッテリー(3〜4時間駆動)が搭載されており、外部バッテリー(7〜8時間駆動)と組み合わせることで、システムをシャットダウンすることなく、理論上は無限にデータ収集を継続できるようになった。また、17個のセンサーをワンクリックで装着できる設計により、従来比でセットアップ時間を50%短縮。
通信環境面では、新たにWi-Fi 6Eに対応。2.4GHz帯や5GHz帯が混雑する環境下でも、6GHz帯を利用して干渉の少ないクリーンな信号伝送が可能となる。また、ロボットの遠隔操作などで遅延を排除したい用途のために、USB-C OTGイーサネットによる有線接続もサポート。さらに、屋外環境における位置情報の精度向上となるGNSS(GPS)をサポートし、無線は最大150mの広範囲の通信範囲をカバー、磁気耐性も向上している。
通信が届かない環境でも、オンボディレコーディング(本体メモリへのデータ保存)が可能。キャプチャデータの更新レートは最大240Hz、遅延はわずか20ms。センサー固定方法の改良によりアーティファクト(ノイズ)も抑制している。
クリエイティブ用途においては、指の動きをトラッキングするManus社のグローブや、フェイシャルキャプチャとの同期もスムーズに行える拡張性、Xsens Animateを通じたUnreal EngineやBlenderへの直接ストリーミングなどが利用でき、制作パイプラインの効率化が期待できる。
▲スペック表
■Xsens Link公式ページ
https://www.movella.com/health-sports/motion-capture
■What is new in the Next-Generation Xsens Link(Movella公式ブログ)
https://www.movella.com/resources/what-is-new-in-the-next-generation-xsens-link
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