華中科技大学ミュンヘン工科大学らからなる研究チームは12月22日(月)、3Dメッシュ生成AI技術「MeshRipple」を発表した。名称の由来は、生成の最前線(Frontier)から外側に向かってメッシュを拡張していくというアプローチから。この手法により、常に整合性の取れた表面を維持しながら、隙間のない高品質な3D形状を生成できるという。ソースコードや関連資料はGitHubで公開される予定。

既存の自己回帰型(Autoregressive)3D生成AIモデルは、長いシーケンスを処理する際のメモリ制限に対処するため、データを断片化して学習・推論を行う必要があり、その結果として生成された3Dモデルに「穴」が開いたり、パーツが分離してしまったりするなど、全体的な整合性が損なわれる問題が発生する。

「MeshRipple」はこの課題を解決するために開発され、「水面の波紋(Ripple)」のように、外側に向かってメッシュを拡張することで、整合性と品質を両立した3Dメッシュ生成を可能にしたという。

コアテクノロジーとして、トポロジーを考慮した「Breadth-First Search(BFS、幅優先探索)」によるトークン化を採用。3D形状の構造的な順序と生成プロセスを一致させ、自然な形状の拡張を実現する。また、「Sparse-Attention(スパース注意機構)」を用いたグローバルメモリを導入し、巨大で複雑なメッシュであっても、全体的な形状の整合性を保ちながら生成する。
※ Sparse-Attention:遠く離れたデータ同士の関連性を効率的に処理する仕組みで、理論上は無限に近い範囲の情報を参照できる

▲メソッド概要。「Ripple Tokenization(リップルトークン化)」(左上)は、メッシュをトポロジー(接続関係)に基づく順序でトークン列へ変換する。主要部は構造化自己回帰モデルであり、断片化されたシーケンスを入力として受け取る。Frontier Attention(フロンティア注意機構)やNative Sparse Contextual Attention(ネイティブスパース文脈注意機構)などの層を経て、現在の面に接続する新たな面と、次に拡張の起点となるルート面を同時に予測し、整合性のあるメッシュ生成を実現する
▲左から、オリジナルメッシュ、点群(ポイントクラウド)、競合技術による生成結果5種、MeshRippleによる生成結果

■MeshRipple: Structured Autoregressive Generation of Artist-Meshes(プロジェクトページ、英語)
https://maymhappy.github.io/MeshRipple/

■MeshRipple: Structured Autoregressive Generation of Artist-Meshes(GitHub)
https://github.com/MayMhappy/MeshRipple

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