株式会社セルシスは1月28日(水)、ペイントアプリ「CLIP STUDIO PAINT」の次期メジャーバージョンとなる「バージョン5.0」を2026年3月に提供開始すると発表した。今回のアップデートでは、直感的な図形描画を可能にする新ツールや、3D参照機能の大幅な強化、さらに作業工程を効率化する各種インターフェイスの改善が含まれる。製品は、一括払いの無期限版のほか、サブスクリプション方式(月額・年額利用プラン)などで提供され、新規ダウンロード版の価格はPROが6,900円、EXが28,900円。

スマートシェイプの導入と描画性能の向上

▲フリーハンドの線を自動判別で綺麗な線に補正してくれる「スマートシェイプ」

バージョン5.0では、フリーハンドで描いた線から、整った直線や曲線、多角形などの図形を自動的に判別し、直感的に描画できる「スマートシェイプ」が実装される。ツールを切り替える手間を省き、ペンやブラシの描き心地を保ったまま作画できる。

描画エンジンも改良され、特に大きなサイズのブラシを用いた際、画質を一定に保ちつつ処理を高速化する設定が追加された。水彩系のブラシにおける「にじみ品質」の設定も更新され、より自然で滑らかな色の混ざり具合が再現可能となる。さらに、ブラシの動きに応じた「速度設定」がパラメータの影響元に追加され、描く速さによって筆の太さや不透明度を変化させる、よりアナログに近い表現が可能になった。

▲ブラシサイズ影響元設定に速度設定のグラフが追加

3Dモデル活用機能の拡張

▲3Dハンドモデル

作画補助としての3D機能が強化され、新たに「3Dハンドモデル」が実装。キャラクターデザインに合わせて形状を自由に調整できるようになった。また、glTFファイルやPBR対応マテリアル設定済みのFBX・OBJファイルの3Dモデルに設定された材質のパラメータを反映可能になった。

加えて、3Dテクスチャペイントの対象が拡大し、従来のデッサン人形やプリミティブだけでなく、独自の3Dオブジェクトに対しても直接模様や柄を描き込めるようになった。

▲頂点UVをもつ3Dオブジェクトに対しても3Dテクスチャペイントの描画が可能に

利便性を高めるインターフェイスと管理機能

▲複数レイヤーに対してまとめて色調補正を適用可能

UIにも刷新が加えられた。これまで「ツール」と「サブツール」に分かれていた管理体系を統合し、ツールアイコンを選択すると関連するパレットが展開される形式に変更することで、呼称や操作の複雑さを解消している。

効率を高める更新として、選択した複数のレイヤーに対して色調補正をまとめて実行できるようになったほか、変形の実行時にガイドを回転させ、対象の向きに合わせた変形が可能となった。また、描画されていないレイヤーや非表示レイヤーの一括削除も行えるようになった。

素材パレットには履歴フォルダーが追加され、最近使用した素材へのアクセスが容易になった。CLIP STUDIO ASSETSからダウンロードした素材は、種類に応じて適切なパレットへ自動的に登録される。管理面では、作業時間を日ごとにグラフで確認できる機能や、アプリが不意に終了した際でも直前の状態を復元できる「逐次保存」機能が搭載され、創作活動をより安全かつ計画的に進めるための環境が整えられた。

プランと価格

バージョン5.0は、利用環境や保有ライセンスに合わせて複数の導入方法が用意されている。WindowsおよびmacOSで利用可能な「無期限版(一括払い)」は、PROが6,900円、EXが28,900円で提供される。すでにバージョン4.0の無期限版を所有しているユーザーは、優待バージョンアップを適用することで、PROは2,900円、EXは8,900円で最新版へ移行できる。

全プラットフォーム(iPad/Android/Windows/macOS/iPhone)に対応した「月額・年額利用プラン」を契約中のユーザー、および無期限版ユーザー向けの「アップデートプラン」を契約中のユーザーは、追加料金なしでバージョン5.0を利用可能。なお、バージョン1〜3の旧無期限版を保有しているユーザーが直接バージョン5.0へ優待バージョンアップすることはできず、アップデートプランの契約、もしくは新規購入が案内されている。

■CLIP STUDIO PAINT バージョン5.0の提供開始予定・価格・新機能のお知らせ(公式ニュース)
https://www.clipstudio.net/ja/news/202601/28_01/

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