pinkpocketTVは4月8日(水)、自身のYouTubeでブレイクダウン動画「Unreal Engine 5 Beginner Tutorial: Create a Cherry Blossom Environment」を公開した。本動画では、Unreal Engine 5.7を用いて、桜が舞う日本風の環境を構築し、シネマティックなアニメーションをつけてレンダリングするまでの実践的なワークフローが解説されている。また、本動画のプロジェクトファイル(アセットは含まれない)が同氏Patreonで無償配布されている。

動的な空と雲の構築

環境制作で重要になる空の表現には、Unreal Engine標準のシステムをベースに扱いやすさを向上させた有料の拡張アセット「Ultra Dynamic Sky」が用いられている。雲の移動速度をアニメーションさせ、さらにボリュメトリック フォグ(Volumetric Fog)を有効にすることで、シーン全体に奥行きとリアリティを追加している。

Cine カメラと被写界深度

構図の決定には、現実のカメラのレンズやセンサーの挙動を模倣するCine カメラ アクタ(Cine Camera Actor)を配置している。フォーカス設定でトラッキング機能を有効にし、メインとなる寺院のオブジェクトにピントを合わせることで、被写界深度による背景や前景の意図的なボケを表現し、映画のような没入感を演出する。

Mega Plantsの桜の木に風のシミュレーションを適用

前景には、Fabから無料で入手できるMega Plantsの桜の木モデルが配置されている。通常、これらに風の影響を与えるにはプロシージャル生成が必要となるが、今回は単体の木を配置するため、Blueprint アクタを作成してインスタンス化されたスケルタルメッシュのコンポーネントを追加し、風のプロファイルを適用するという代替手法を用いている。

パーティクルとポストプロセスによる演出

画面全体の質感向上のため、発光表現であるブルーム(Bloom)のMethodをConvolutionに変更し、より映画的で高品質な光の拡散効果を得ている。さらに、画面に動的な要素を加えるため、パーティクルシステムを導入し、風の方向を木の揺れに合わせ、マテリアルの色相を調整することで、桜の花びらが舞う様子をつくり出している。

ムービー レンダー キューによる高品質レンダリング

カメラアニメーションを作成した後、ムービー レンダー キュー(Movie Render Queue)を使用して最終出力の準備を行なっている。画像設定では、Spatial(空間)サンプリングとTemporal(時間)サンプリングを掛け合わせて画質を高めるアンチエイリアスの調整について触れられている。また、パーティクルなどがレンダリング開始時にすでに自然に動いている状態をつくるため、事前の計算を行うウォームアップ フレーム(Warmup Frames)の有効化が不可欠となる。

■Unreal Engine 5 Beginner Tutorial: Create a Cherry Blossom Environment(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=gwpr5qRq7PA

■Cherry Blossom Starter Project UE5(Patreon)
https://www.patreon.com/posts/155046332

CGWORLD関連情報

●【Unreal Engine】コロビトの若手背景アーティストが、今はなき神楽坂の横丁を手作業で再現。自主制作CG映像『みちくさ横丁』

コロビトの若手背景アーティストが、Unreal Engineを用いて今はなき神楽坂の横丁を手作業で再現した自主制作CG映像『みちくさ横丁』のメイキング記事。モデルにはハイポリゴンとローポリゴンを用意しベイク処理でディテールを保持したほか、キャラクターの歩行モーションを活用したカメラワークや曇天のライティングなど、細部へのこだわりと工夫が解説されている。
https://cgworld.jp/article/202603-UE-3DEnv-Colobito.html

●バーチャルプロダクション&プレビズ向けUEプラグイン「Camera Techvis Pro」リリース リアルタイム物理データ解析、特機のサジェスト、指示書きの画面への焼き付け

Parth Shah氏がUnreal Engine向けプラグイン「Camera Techvis Pro」をFabでリリース。バーチャル空間でのカメラワークから物理的な速度、アクターまでの距離、床からの高さ、レンズデータなどをリアルタイムに自動計算するTechvis(Technical visualisation)ツール。対応するUnreal Engineのバージョンは5.7、価格は個人クリエイター・小規模チーム(収益10万ドル以下)向け「Personal」ライセンスが11,154円、スタジオや法人向け「Professional」ライセンスが15,936円。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202604-CameraTechvisPro.html

●キャドセンター、UE5.6で実装の「Water Advanced」プラグインの検証記事を公開! 道頓堀に水をながすシミュレーションのノウハウ

キャドセンター・戸本岳二氏が、同社Webの技術検証ブログ「cc Lab」にて記事「#UnrealEngine WaterAdvancedで道頓堀に水を流す」を公開。本記事は、Unreal Engine 5.6で搭載された高度な水表現プラグイン「Water Advanced」を活用し、大阪・道頓堀の街並みをながれる川のシミュレーションのノウハウをまとめたもの。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202602-UE-Water.html