スタジオダックビル合同会社(嘉本 聡氏)は6月1日、イベント「3DGS Meetup vol.2」における登壇資料「ブラウザだけで3DGSを“歩ける世界に”」をドクセルで公開した。3DGS(3D Gaussian Splatting)で生成した空間内を、アバターを用いてブラウザ上で自由に歩き回れるようにする自社開発ビューア「SplatStrollファミリー」の事例と技術的な裏側を解説している。
3DGS Meetup vol.2の登壇資料を公開しました。
— ダックビル@STUDIO DUCKBILL LLC (@DuckbillStudio) June 1, 2026
「ブラウザだけで3DGSを“歩ける世界に”」
プレゼンではスクロールテリングビューワーにスライドを埋め込み、1kmの奈良井宿の3DGS内を進みながら発表しました。
本資料が皆様の発想や開発のお役に立てば幸いです。#3DGSMeetuphttps://t.co/VOFFm7Eyda
3DGSの「歩行可能化」に向けたアプローチ
▲3/13、SplatStroll Avatar テスト版公開を告知する投稿より『あなたの3Dシーンが歩ける世界になる』
— ダックビル@STUDIO DUCKBILL LLC (@DuckbillStudio) March 13, 2026
数百万点の3DGS点群からブラウザ内で地形を自動解析→歩行可能エリアを検出
アバターが自律歩行
サーバー不要、ブラウザオンリー
スマホもタッチ操作で動く
SplatStroll Avatar テスト版を公開しました!
URL pic.twitter.com/TfJ4GZcQD4
3DGSは写実的な空間を再現できるものの、ゲームエンジンのような床や壁の物理的なコライダを持たない。この課題に対して「SplatStroll」では、空間全体を物理的なメッシュコライダや空間の占有状態(ボクセルやオクツリー)に変換するのではなく、歩行に必要な意味だけを抽出する歩行セマンティクス(地面セル+歩行ソルバ)というアーキテクチャを採用。これにより、段差や多層構造に対応した歩行特化の中間表現を獲得する。
ここで、毎フレーム足元を直接見るような局所的な解析のみでは、データの密度ムラや反射などにより地面の判定が揺らいでしまう。そこで、データを読み込みながら歩行用の中間表現である地図、GroundFieldを作成する事前のオンデマンド地面解析と、毎フレームごとにアバターの周辺を調べるリアルタイム歩行時探索を分離して設計。地図と探索を分けるアプローチにより、橋の上下の区別や先の経路にある壁の判定などが安定して行えるようになった。
歩行可能な上面を復元するSplatStroll独自の地面検出
一般的な測量向けの点群地面検出は、純粋な地表とそれ以外を分類する目的で使われるが、SplatStrollではアバターが「歩行可能な上面」を復元することに注力する。格子状のセルごとにSplatを高さ方向の分布として集計する手法を用いて、同じ平面位置に重なる橋の床や地面の候補を分離する。これにより、空中のノイズを除去しつつ、歩行に必要な階層を的確に把握する。
複数地点の参照による高度な歩行ソルバ
アバターの歩行を制御する歩行ソルバは、足元の一点だけでなく、胸や腰など複数の高さに設定されたプローブ(検査点)を用いて前方の状況を同時に確認する。高さの差が許容範囲内であれば段差としてそのまま吸収し、胸や腰の高さに連続して点が存在すれば壁として判定。足元のデータが途切れた場合でも即座に落下させるのではなく、周辺を探索して継続可能な地面を探すことで、反射や欠損による理不尽な落下を防ぎ、ストレスのない歩行体験を実現する。
巨大データをブラウザで処理するための最適化
SplatStrollでは、数GBの巨大な3DGSデータをWebブラウザで扱うため、全てのデータを細かく解析するのではなく、読み込んだデータから粗く解析を始めるチャンク(塊)単位の段階解析を導入。さらに、優先して細かく解析すべき重要領域(ROI、Region of Interest)を動的に算出し、WebGPUによる大量並列計算を実行することで、実用的な処理速度と省メモリ化を両立している。
■ブラウザだけで3DGSを“歩ける世界に”(ドクセル)
https://www.docswell.com/s/studioduckbill/ZX24VM-2026-06-01-090104
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https://cgworld.jp/flashnews/01-202605-locahun3d.html
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https://cgworld.jp/flashnews/01-202604-Scaniverse.html