Houdini公式YouTubeは5月19日(火)、Pixar Animation StudiosによるFMX HIVE 2026での講演動画「Taming Production Complexity on AWS Cloud with Solaris and Pixar's RenderMan | Pixar | FMX HIVE 2026」を公開した。PixarのLeif Pedersen氏と映画監督のRassoul Edji氏(Luminairi社CEO)が登壇し、わずか10名の小規模チームで高品質なフルCG映像『Outpost Alpha』を完成させた事例を紹介。USDやSolarisRenderMan XPU、そしてAWSを活用したクラウドベースのパイプラインなど次世代ワークフローについて解説している。

巨大アセットをさばくUSDとSolarisのプロキシワークフロー

▲『Outpost Alpha』オフィシャルトレーラー

『Outpost Alpha』に登場する巨大ロボットやクリーチャーは、最大16Kのテクスチャを131のUDIMに分割し、テクスチャ容量だけで105GBを超える高精細なヒーローアセットとして構築された。

Edji氏はこれほどの重いデータを扱うため、Solaris環境におけるプロキシ(Proxy)ワークフローの重要性を強調している。アーティストがビューポートで作業する際は、自動的に軽量なプロキシモデルを読み込んでリアルタイム性を確保する。そしてレンダリング時にRenderMan Delegateへ切り替えることで、瞬時にフル解像度のアセットへと切り替わり、高品質なプレビューと作業の快適さを両立させている。

独自ツール「Cerberus」と「Catalyst」によるパイプライン自動化

少人数での制作効率を最大化するため、Luminairi社では2つのインハウスツールを開発。1つはMari内部で動作するプロシージャルなルックデヴツール「Cerberus」である。モジュールベースで設定を調整することで、ルック全体の85%を数分でプロシージャルに作成し、残り10%から15%を手作業でペイントするという効率的なアプローチを実現している。

もう1つはデータ変換ツール「Catalyst」。MayaからUSDフォーマットへの書き出し、シェーダやプロキシの割り当てをわずか数クリックで自動化し、そのままSolarisのショットコンテキストへとシームレスに読み込むことができる。

RenderMan XPUによるCPUとGPUのハイブリッドレンダリング

RenderMan XPUは、CPUとGPUの両方を活用できるハイブリッドなアーキテクチャを備え、真のOSL(Open Shading Language)シェーダを読み込む統一されたコードベース(Unified Codebase)を採用。これにより、VRAMの上限を超えるような極めて重いプロダクションシーンであっても、GPUからシステムRAMを活用するCPUレンダリングへシームレスに切り替えて対応できる。ハードウェアの制約を越えて、どちらの演算手段を用いても完全に一致するピクセル(Pixel Parity)が得られる。

大規模環境のインスタンス化とクラウド仮想デスクトップ基盤の活用

本プロジェクトでは、2,000万を超えるインスタンスからなる800GB以上の自然環境データも扱っている。これらはUSDのレイヤー機能やペイロード、シーンマスク(ポピュレーションマスク、シーングラフマスク)などを用いてメモリ負荷を抑えつつ管理したという。

また、世界中に散らばるスタッフがこの巨大データにアクセスするため、EngineLabのサービスを利用してAWS上にクラウドVDI(Virtual Desktop Infrastructure)のパイプラインを構築。大容量データをローカル環境へダウンロードする手間を省き、仮想マシン上で共有ストレージに直接アクセスすることで、リアルタイムでのコラボレーションを実現した。プロジェクトの進行度合いに応じてマシンのコア数やメモリを増強するなど、クラウドならではの柔軟なスケーリングもコスト管理に貢献したとのことだ。

■Taming Production Complexity on AWS Cloud with Solaris and Pixar's RenderMan | Pixar | FMX HIVE 2026(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=aNHPqXJtwUA

CGWORLD関連情報

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202605-Houdini-GeoTracker.html

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202605-Houdini-EvrSim.html