Houdini公式YouTubeは4月23日(木)、OFFF HIVE 2026イベントでのPaul Esteves氏による講演動画「Everything Is a Simulation | Paul Esteves | OFFF HIVE 2026」を公開した。同氏が手がけた実際のクライアントワークやパーソナルプロジェクトを題材に、イテレーションの重要性を説きながら、Houdiniを用いた実践的かつ高度なシーン構築のアプローチを端的に解説している。
破綻のない有機的な群集の増殖アニメーション
クライアントワークにおける抽象表現のブレイクダウンではまず、POP (Particle Operators)とPop Grains(粉体シミュレーション)を用いて、各ポイントのpscale(スケール値)にランダムなバリエーションを持たせている。そこにラインを生成してSweep(断面形状を押し出し立体化する処理)を行うことで、密集したメッシュを構築。これをVellumに読み込ませ、風の力を加えることで、海底の生物や植物のように揺らめく有機的なモーションを生成。
続いて、より意図的な制御を行うために、Rigid Bodyソルバを活用。メッシュとベースの間にポリラインを引き、それをコンストレイントとして設定することで、オブジェクトがゴムバンドで繋がれているような弾力性のある挙動を実現している。また、SOPでスケールアニメーションを設定し、リジッドボディ内で交差を検知して自動的に押し返す処理を組み合わせることで、破綻のない自然な群生・増殖アニメーションを構築。なお、ここでは実務的な視点として、MOPSとVEXについて「MOPSは他の多くの用途で非常に便利なので、まずはMOPSから学び、上達してきたらVEXも試し始めるのが良い」と話している。
HeightFieldとKTT for Houdiniの連携による大規模地形の生成と軽量化
次に、雪山シーンのプロジェクトのブレイクダウンを紹介。Houdini標準のHeightFieldに、外部アセット「KTT for Houdini」のFluvial Erosionノードをシームレスに組み合わせることで、フォトリアルで高精細な山脈を作成している。
実務的な工夫として計算コストの削減手法にも言及。800万ポリゴンに達する地形ボリュームを毎フレームメッシュ化する処理は非常に重いため、Time Shiftを用いて1フレームだけメッシュ化し、ボリューム側の高さデータをジオメトリのY軸(P.y)に転送するというアプローチを採用している。
また、山の周囲に漂う神秘的なフォグ表現についても効率的なアプローチを紹介。通常、フォグやスモークの表現にはPyroが用いられるが、計算時間が膨大になる。そこでEsteves氏は山の傾斜に基づいてポイントを散布し、外積を計算して地形に沿ってながれるパーティクルを作成した。その後、Volume Rasterize AttributesのVelocity Blurを利用してボリュームを引き延ばし、ライティングのみで説得力のある霧の質感を表現した。
■Everything Is a Simulation | Paul Esteves | OFFF HIVE 2026(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=Wz80-imjLbQ
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