Houdini公式YouTubeは4月24日(金)、OFFF HIVE 2026イベントでのEntagmaによる講演動画「Getting Real - Houdini For Procedural Digital Fabrication | Entagma | OFFF HIVE 2026」を公開した。Houdiniのプロシージャルアプローチを活用し、レーザーカッターや3Dプリンタを用いたデジタルファブリケーション向けのジオメトリデータをどのように構築・最適化するかを解説している。
複雑な曲面を展開可能な面へ変換するアプローチ
動画の前半では、Chris Koppig氏が日本の伝統的な組子細工にインスパイアされたランプシェードの制作過程を解説。最初の課題は、複数の方向に曲がる複合面を、レーザーカッターで平面加工できるように、単一方向にのみ曲がる展開可能な面へ変換することだった。
解決策として、カーネギーメロン大学のKeenan Crane氏らによる論文「Developability of Triangle Meshes」を基に、堀川淳一郎氏がHoudini向けに構築したソルバ(こちらのYouTube動画概要欄からプロジェクトファイルが配布)が採用されている。球体モデルに対してRemeshノードを適用したのち、このソルバを介することで、展開可能な面構成が得られる。
UV平坦化とヤコビ法ソルバによるメッシュの最適化
組子パターンを正確に配置するためには、メッシュを構成する三角形を正三角形に近い均等な形状へと最適化する必要がある。そこで、シームとなるエッジのグループを利用して、UV Flattenノードでジオメトリを2D空間に展開。その後、各エッジを単一のPolylineへと変換し、Measureノードで全体の長さを計算して均等な頂点間隔を割り出している。
さらに、Vellumに似たヤコビ法スタイルのカスタムソルバを構築し、頂点を均等に分散させる高度な処理を行っている。この計算結果を元の3Dメッシュへ適用することで、物理的な組み立てに耐えうる均整の取れたメッシュ構造を実現している。
続いて、最適化されたメッシュをレーザーカッターで実加工するために平面へ展開する、UV展開の工程を紹介。まずは、後工程でAttribute Wrangleを用いて3Dの形状を2D空間へ直接配置できるよう、Attribute Promoteノードを用いてUV情報をポイントへ昇格させる。次に、UV Layoutノードを活用し、実際のレーザーカッターの加工範囲(ビルドプレート)に合わせて切り出すパーツ群を自動整列させる。さらに、出力時の実寸サイズを正確に保つため、3D空間と2D展開時における各面の外周長を比較してスケールファクターを算出し、全体の寸法を補正する。
プリミティブUV座標を利用したパターンのマッピング
最適化されたメッシュの各面に、あらかじめ用意した6種類の組子パターンを配置していく。Fileノードで読み込んだパターンに対し、Poly Extrudeを適用して実体を持たせる。次に、Houdiniの内部に備わるprimuv座標の概念を活用し、Attribute Wrangleやforループを用いて、各面の形状に合わせて2Dの組子パターンを正確に伸縮させながら3Dメッシュ上へ転写する。
最後の工程は、レーザーカッターへデータを渡すための、アウトラインとパターンのエッジ抽出処理。不要な内部エッジを削除し、後の工程で縫い合わせるための小さな円形ホールをアウトライン沿いに配置する。Houdiniには標準でSVG出力機能が備わっていないため、Pythonを用いて独自のSVGエクスポーターを記述し、2Dのベクターデータとして直接出力する。
ボリュームとブーリアンによるレジン型モデリング
動画の後半では、Moritz Schwind氏がレジンキャスト用の型をプロシージャルに生成する手法を解説。基本形状となるボックスに対し、型から抜きやすくするためのPolyBevelを施す。続いて、複数のオブジェクトを滑らかに融合させるため、VDBベースのボリュームに変換してスムージングを行い、再度ポリゴンメッシュへと戻す。最終的にBooleanノードを用いて別のオブジェクトからくり抜くことで、複雑な成形型が完成する。
■Getting Real - Houdini For Procedural Digital Fabrication | Entagma | OFFF HIVE 2026(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=E7zbEQbgDZA
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https://cgworld.jp/flashnews/01-202605-HoudiniCOPius.html
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