Niantic Spatial社は5月5日(火)、3DGS(3D Gaussian Splats)の軽量化フォーマットの最新版「SPZ 4」をリリースした。前世代フォーマットと比較して、エンコーディングは3〜5倍速、読み込みは1.5〜2倍速、ブラウザで20倍速の高速化を実現。数千万ポイントの大規模データセットの処理に対応すべく、エンコード処理の高速化やマルチコア環境への最適化が施されている。

エンコード・デコード処理の高速化

SPZ 4では、ファイル圧縮方式が刷新され、位置(Positions)、色(Colors)、スケール(Scales)、回転(Rotations)、不透明度(Alphas)、球面調和関数(Spherical Harmonics、SH)という6つの属性ごとに、独立したZSTDストリームを用いて並列圧縮する手法を採用。

これにより、エンコードおよびデコード処理が複数のCPUコアに分散され、ファイルの容量をPLY形式の10分の1以下に保ちながら、エンコード速度は約3〜5倍、レンダリング用読み込み時間は約1.5〜2倍へと高速化している。また、従来の1,000万ポイントという読み込み上限も撤廃され、数千万単位の3DGSを実用レベルで処理できる。

解凍不要でデータ構造を解析できるヘッダの導入

パイプライン処理の効率化として、圧縮されたデータ領域の外部となる固定オフセット位置に、32バイトのプレーンテキストヘッダを配置。これにより、解析ツールやローダーはファイル本体を解凍することなく、ポイント数や球面調和関数の次数、バージョン情報などの基本ステータスを即座に読み取ることができる。また、ファイル先頭の識別子(Magic Bytes)には、従来のGZipを示すものから新たに「NGSP」という固有の文字列が割り当てられている。

ベンダー独自のメタデータを格納できる拡張システム

また、SPZ 4には、相互運用性を損なうことなく新しい属性やメタデータを追加できる、オプトイン方式のベンダー拡張チェーン(Vendor Extension Chain)が導入されている。未知の拡張データが含まれていてもシステム側で安全にスキップできることから、複数の異なるソフトウェアのデータを、同一ファイル内で競合することなく共存させることが可能となる。

最初の拡張機能としては、開発を主導したアドビによるカメラ制御用のメタデータ拡張が提供されている。これはユーザーが対象物の周囲を回るオービット操作を行う際の適切なカメラ高度や半径の制限値をファイル内に保存するもので、3Dビューア側で手動調整することなく最適な構図やカメラワークを自動設定できる。

球面調和関数の拡張と調整機能

さらにSPZ 4では、SH(球面調和関数)係数のクオンタイズレベルを開発者が任意に設定できる。これにより、高品質版から軽量版まで、同一のシーンデータを再生成することなく用途に合わせて最適化できる。SHのサポート上限も「次数3」から「次数4」へと引き上げられ、鋭いハイライトや複雑な反射を伴う視点依存性の高い高品質なサーフェス表現であっても、ライティングのディテールを保ったままフォーマット内に格納し、正確に再現できる。

Web環境でのパフォーマンス改善と専用コンバータの公開

Webブラウザ上での利用においても大幅な処理能力の向上が図られている。WebAssembly(WASM)TypeScriptのバインディング層が再構築され、ガウシアンデータへのアクセスが最適化されたことで、ブラウザ環境でのSPZファイルの読み込み速度が最大20倍まで高速化した。

SPZ Converter Tool

今回のリリースに合わせて、ファイルの検査・変換を実行できるWebアプリ「SPZ Converter Tool」も公開されている。SPZやPLY形式のファイルをドラッグ&ドロップするだけで、ヘッダ情報の確認、両フォーマット間の相互変換、メタデータのJSON形式でのエクスポートを実行できる。なお、本アプリはローカルのWebAssembly上で動作し、サーバへのデータ送信は行わない。

■SPZ 4 is here: leaner, faster, and more future-proof(Niantic Spatial 公式ブログ)
https://www.nianticspatial.com/blog/spz4

■SPZ Converter Tool(Niantic Spatial)
https://www.nianticspatial.com/spz-converter

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