Houdini公式YouTubeは6月4日(木)、FMX HIVE 2026イベントでのRISE | Visual Effects StudiosAndreas Giesen氏の講演動画「Scaling Procedural Destruction for Fallout Season 2 | RISE | FMX HIVE 2026」を公開した。実写ドラマ『フォールアウト シーズン2』における、広大な都市のプロシージャル破壊や最適化された巨大な砂のシミュレーション、大規模制作を支えるUSD(Universal Scene Description)パイプラインについて解説している。

USDパイプラインの進化とノードベースのピン留め

Giesen氏はまず、シーズン2の制作に向けて刷新したUSDパイプラインについて解説。SolarisとKarmaにネイティブ統合された新たなUSDスケルトンベースの群衆システムにより、同一のアセットで群衆行動とヒーローアニメーションをシームレスに切り替えることが可能となり、最大8万エージェントの処理を実現した。

また、実務的な課題である、後工程のアニメーション更新によってエフェクトのシミュレーションが意図せず破綻する問題を防ぐため、USDレイヤー内で特定のアセットバージョンを固定するノードベースのアセットピンニング(ピン留め)を導入。これにより、エフェクト担当者は前提条件が崩れることなく、安全な環境で作業を進められるようになったという。

For-EachループとWedgeを活用した都市のプロシージャルな破壊

Shady Sandsという都市の広大な廃墟を構築する工程では、完全なプロシージャルアプローチを採用。ベースとなるシンプルなブロックジオメトリに対し、Boolean演算を用いて窓や壁、床などの内部構造を自動生成している。さらに、この巨大な処理を単一のマシンで行うのではなく、コンパイルブロックFor Eachループを組み合わせ、各建物に対する破壊処理をファーム上で並列処理するWedgeとして実行することで、都市全体の破壊をわずか数分で完了させている。

屋根の破壊跡がクリーンになりすぎるのを防ぐため、特定箇所にVoronoi Fractureを適用し、ケーブルや金属片などマイクロディテールを散布することでスケール感を強調している。

Ocean Spectrumを活用した植物のプロシージャルアニメーション

核爆発の衝撃波によって吹き飛ぶ前景の表現では、計算コストの高い草木の物理シミュレーションを避けるTipsを紹介。茂みなどの大きな植物にはVellumによる軽量なヘアシミュレーションを用いる一方で、無数の小さな草に対してはシミュレーションを行わず、プロシージャルなアニメーションアプローチを採用する。

具体的には、Ocean Spectrumを用いて水面の波の動きやノイズパターンを生成し、そのモーション情報を植物の配置ポイントのOrientアトリビュートに乗算している。このアプローチにより、自然な風のうねりを表現しつつ、インスタンスとしての効率を維持したまま、高いレンダリング負荷を回避している。

飛行船墜落におけるRBDとPyroのUSD連携

講演の最後では、飛行船が墜落し炎上する大規模なショットの裏側が語られている。このショットでは、RBDPyroの担当者が同時に作業を進める必要があったため、作業中のキャッシュをUSDとして書き出して共有する仕組みを利用し、互いのデータを安全かつ確実にやり取りする堅牢なワークフローが構築された。

機体内部には金属骨格がプロシージャルで生成されており、複雑なコンストレイントをマスクで弱めて破壊のタイミングを制御している。Giesen氏は、450フレームを超えるような長尺のシミュレーションでは、ソルバの計算そのものよりも、重いアニメーションオブジェクトに依存するソースの評価などがボトルネックになることが多いと指摘。Houdiniのパフォーマンスモニタを積極的に活用し、適切な箇所で中間キャッシュを出力することが重要だと話している。

■Scaling Procedural Destruction for Fallout Season 2 | RISE | FMX HIVE 2026(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=paJ1CngeAWk

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202606-Houdini-USD.html