SideFXは、『THE FINALS』における建築物制作の舞台裏を解説した記事の日本語版を公開した。

本記事ではHoudiniを活用したプロシージャルなワークフローにより、破壊を前提とした建物生成をどのように実現しているのか、その具体的な手法が紹介されている。

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『THE FINALS』

2023年12月8日(日本時間)に正式サービスが開始された、PC(Steam)、PS5、Xbox Series X/S向けFPSゲーム。建物を含む環境の大規模な破壊表現を特徴とする対戦型FPSで、ゲームプレイと直結したダイナミックなステージ変化が特徴となっている。
store.steampowered.com/app/2073850/THE_FINALS/?l=japanese

破壊を前提とした建物制作の課題

THE FINALS』では、建物は単なる外壁(中空の殻)ではなく、プレイヤーが内部に入り、環境の破壊を伴うゲームプレイに対応する必要がある。そのため、廊下や階段、屋根裏にいたるまでの完全な内部空間構造と、正確なコリジョン設定が求められる。


また、計算負荷を考慮し、ジオメトリはあらかじめHoudini上で粉砕(Pre-fracturing)されている。この工程にはオープンエッジのない「水密な状態」のモデルが必要とされ、クリーンなトポロジーの構築が前提となる。


プロシージャルな建築制作手法

構造と創造性のバランスをとる設計思想

本作のツール設計では、あらかじめ制約を設けてミスを防ぐ「リジッドなツール」と、柔軟に組み合わせて多様な結果を得る「クリエイティブなツールセット」という2つの考え方が提示されている。


システム全体としては後者のアプローチが重視されており、建物生成の工程は小さな論理的ステップに分解されている。各工程においてアーティストが制御できる余地を残すことで、画一的な出力を避けつつ、多様なバリエーションを生み出せる設計となっている。


柔軟なモジュール式ツールセット「Building Creator」によるワークフローの構築

こうした設計思想を実装するために開発されたのが、「Building Creator」と呼ばれるHoudiniベースのツールセットである。


開発初期には、建物の変更に応じてメッシュの分割や破壊設定の再構築を手作業で行なう必要があり、制作フローにおける大きな負荷となっていた。Building Creatorは、こうした一連の工程をツール内で一括して処理できるよう設計されており、建物の構造生成から破壊前提のデータ準備までを一貫して扱えるワークフローを実現している。


また、本ツールは特定の建築様式を固定するものではなく、コンポーネント単位で構成されている点も特徴だ。これにより、建物ごとの調整やバリエーション生成を柔軟に行ないながら、反復的な修正にも対応しやすい制作環境が構築されている。


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