Boris FX社は9月12日(木)、ロトスコーピングとペイントツール群が充実したVFX&コンポジットツールSilhouette 2024.5」をリリースした。機械学習によりオブジェクトの境界を瞬時に判断しマットを作成できるMask MLノードや、オプティカルフローによるリアルなモーションブラーが生成可能なOptical Flow ML Trackerなどを新たに搭載している。

機械学習による高速マット作成が可能なMask MLノード

One-Click Animated Mattes with Mask ML [Boris FX Silhouette]

機械学習による素早いアルファチャンネル作成が可能なMask MLノードを新搭載。同じく機械学習を活用したMatte Assist MLノード(1フレームから即座にアニメーションマットを生成できるノード)の入力としてこのMask MLノードを使用すると、時間経過に沿ってマスクを広げることもできる。または、Paintノードを使ってストロークを制限することも可能だ。

リアルなモーションブラーを生成可能なOptical Flow ML Tracker

Generate Realistic Motion Blur on Anything [Boris FX Silhouette]

オプティカルフロー(連続する画像間の動きをベクトルで表す手法)データを生成できるOptical Flow ML Trackerが搭載され、ロトベースのノード処理の高速化や、Motion Blurノードによるリアルなモーションブラーの生成が可能となった。

Mask MLノード、Matte Assist MLノード、Optical Flow ML Tracker、Motion Blurノードを全て活用した、サイのマット作成の様子

ロトスコーピングのクオリティチェックに役立つMarkupツール

Roto Markup Tool for Better QA [Boris FX Silhouette]

ロトスコーピングのQA時間を節約可能なRotoのMarkupツールを搭載。フリーハンドのストロークや矩形、矢印など、描画したアノテーションを追跡できる。

その他、Silhouette 2024.5の新機能一覧はこちら。
https://borisfx.com/products/silhouette/#whats-new

動作環境とプラン

対応OSはMac OS(Monterey以上)、Windows(10以上)、Linux。スタンドアロンアプリケーションとして動作するほか、After EffectsやPremiere Proのプラグイン、OFXプラグイン(Nuke、DaVinci Resolveなど)としても動作する。

プランはBoris FX Suiteのサブスクリプション、単体サブスクリプション、永久ライセンスの3種類が用意されており、単体サブスクリプションと永久ライセンスについては、スタンドアロンとプラグインで価格が異なる。

Boris FX Suiteのサブスクリプション価格
  • プラグインアプリケーションとしてのサブスクリプション/永久ライセンス価格
  • スタンドアロンアプリケーションとしてのサブスクリプション/永久ライセンス価格

CGWORLD関連情報

●Nuke 15.1リリース! パイプラインのオープン化対応、機械学習機能の性能向上、レビューツールの利便性向上など

FoundryがコンポジットツールNuke 15.1をリリース。OpenTimelineIOやOpenAssetIO、カスタムUSDといったパイプラインのオープン化対応をはじめ、アーティストの作業を効率化するCopyCat(機械学習機能)の性能向上、レビュー機能の改善など、機能強化が図られている。
https://cgworld.jp/flashnews/202406-Nuke15-1.html

●AIで動画品質が向上する動画エンハンサー「Topaz Video AI 5.2.1」リリース! 新しい強化モデル、After Effects用のスローモーションフレーム補間、Proライセンス拡充など

Topaz LabsはAIを活用した動画エンハンスツール「Topaz Video AI 5.2.1」をリリース。AIの解析により自然なアップスケール、シャープネス、スムーズ、スタビライズ、ノイズ除去などを動画に適用できる。
https://cgworld.jp/flashnews/202407-TopazVideoAi5.html