Foundryは6月14日(金)、コンポジットツールNuke 15.1をリリースした。OpenTimelineIOやOpenAssetIO、カスタムUSDといったパイプラインのオープン化対応をはじめ、アーティストの作業を効率化するCopyCat(機械学習機能)の性能向上、レビュー機能の改善など、機能強化が図られている。
CopyCat(機械学習機能)の性能向上
CopyCatはUIの改善により複数のトレーニングの実行管理が容易になった。また、ニューラルネットワークトレーニングで使われる数値精度を調整できるようになったことで、GPUのメモリフットプリントが削減され、CopyCatをさらに速くトレーニングできるようになった。
BlinkScriptの更新
Nukeの機能拡張が可能となるBlinkScriptでは、BlinkScriptノードが拡張され、全種類の画像レイヤーの最大4チャンネルを入力パイプまたはノード出力に渡すことができるようになった。また、BlinkScript習得に役立つドキュメントやラーニング用リソースも充実した。
Viewer A / Bツールによるメディア比較の改良
Viewer A / Bツールのデザインが一新され、長い名前のショット処理がしやすくなった。また、タグとトラックセレクタの分離、アクティブなプレイヘッド表示、A・Bバッファ内のシーケンスに対する新しいシーケンス名表示ラベルなど、ショットの比較がスムーズかつ直感的に行えるように改良された。
タイムラインビューアにも彩度スライダを追加
Nuke 15.0でコンプ・ビューアに彩度スライダが追加されたばかりだが、今回さらに、タイムラインビューアにも彩度スライダが追加された。
OTIO(OpenTimelineIO)ラウンドトリップの完全サポート
OpenTimelineIOのラウンドトリップを完全にサポート。エフェクトやエディトリアルマーカー、リフォーマットプロパティなどのメタデータを保持したまま、アプリケーション間でマルチトラックタイムラインを共有できるようになった。
OpenAssetIOのサポート向上
Nuke 15.1からはOpenAssetIOが技術プレビューではなくなり、大規模かつフレキシブルなパイプライン構築をサポートできるよう統合された。外部アセットマネージャーやレンダーファームとの統合に活用できるFrame RangeやOriginal Range、Colorspaceプロパティもサポートする。
カスタムUSDバージョンのサポート
Nukeで使用するUSDバージョンを、ワークフローに影響させずに入れ替えることができるようになった。また、ベータ版としてUSD 23.11もサポートする。
その他の新機能やベータ機能などの情報はこちら。
●Nuke 15.1 is here(Foundry、英語)
https://campaigns.foundry.com/products/nuke-family/whats-new
●Release Notes for Nuke and Hiero 15.1v1(Foundry、英語)
https://learn.foundry.com/nuke/15.1/content/release_notes/15.1/nuke_15.1v1_releasenotes.html
なお、Nuke 15.0のアップデート内容は下記で紹介されている。
●Nuke Family(Foundry、日本語)
https://www.foundry.com/ja/products/nuke-family
CGWORLD関連情報
●マットペインターSara Stanoeska氏による「嵐の海」アニメーションのブレイクダウン NukeとPhotoshopによる妙技に注目!
デジタルマットペインター&イラストレーターのSara Stanoeska氏による作品のブレイクダウン紹介記事。
https://cgworld.jp/flashnews/202405-Matte-Stanoeska.html
●映画『ゴーストブック おばけずかん』やWebムービー『父と娘の風景』の制作からツール開発まで、Nukeの活用例が存分に語られた「Nuke Meetup Tokyo 2023 Summer」
ボーンデジタル主催のNukeセミナー「Nuke Meetup Tokyo 2023 Summer」のレポート記事。商業作品でのNukeの活用事例が多数紹介されている。
https://cgworld.jp/article/202311-nuke-meetup.html
●「こわくないNUKE」―実務カットを通してNUKEの魅力を紹介― CGWORLD JAM ONLINE 2023レポート(1)
2023年10月開催のCG・映像に特化したスキルアップ&就職フェス「CGWORLD JAM ONLINE 2023」のセッションレポート。VFXアーティスト/VFXスーパーバイザーの三宅智之氏がNukeの基本からその魅力を解きほぐした。
https://cgworld.jp/special-feature/2310-jam-nuke.html
●堤 大介監督が誇る『ONI』の若き作り手たちの物語(1)色と光の指針を示す、セットのペイント&カラースクリプト
Netflixシリーズ『ONI ~ 神々山のおなり』のメイキング記事。トンコハウスの稲田雅徳氏は作中でマットペイントも担当した。
https://cgworld.jp/article/202308-oni-1.html