Reallusion社は9月5日(木)、リアルタイム3DCGアニメーションツール「iClone 8.5」をリリース。プロップ(シーン内の小物)とのインタラクションが可能になる「Prop Interaction(MD Prop)」機能と、アニメーションの再生とアクセサリの変更をリンクさせる「Smart Accessory」機能を新搭載した。なお、同社キャラクター作成ソリューション「Character Creator」もバージョン4.5にアップデートしているが、こちらはバグフィックスのみ。

iCloneとは

iCloneは3D制作ワークフローのうち、キャラクターアニメーションに特化したプラットフォーム。同社キャラクター作成ソリューションのCharacter Creatorと組み合わせて利用することにより、アセット制作とアウトプットの間にある工程を効率化し、生産性を高めることができるという。

キャラクターとプロップを相互作用させる「Prop Interaction(MD Prop)」

iClone 8.5にはMD Propが搭載され、バーチャルアクターと周囲の環境のインタラクションを設定できるようになった。プロップオブジェクトと相互作用を起こしたり、プレイヤーのコントロールに従って特定のアクションを実行したりといったことができるようになった。

セットアップには、マウス操作で簡単に設定が可能なラジアルメニュー、複数のモーションを連結してリアルなアクションシーケンスをキャラクターに割り当てられるアクションリストが利用できる。

また、プロップオブジェクトのメッシュの置き換えやモーション割り当てなどのカスタマイズ、プロップオブジェクトのアニメーション・モーフ・パーティクル放出などにも対応する。

Motion Director(MD)対応プロップに対して2クリックでインタラクションを設定可能。通り抜けできない場所はNavMeshで範囲指定し、調整できる
ラジアルメニューやアクションリストを利用して簡単にアクターの挙動を制御できる
群衆でのインタラクションは、パスに沿った自動インタラクション、ゾーンに入った際の自動インタラクション、オブジェクトを追跡するインタラクションなどが用意されている
群衆の行動パターンも視覚的に確認しながら調整できる
MD Propの基礎とキャラクターとプロップ間のインタラクションのカスタマイズ方法

モーションとアクセサリの組み合わせを統合する「Smart Accessory」

iClone 8.5には、モーション編集とアクセサリのインテグレーションを合理化する新システム「Smart Accessory」が搭載された。Mocapアニメーションに自動で同期する、任意のアクセサリや小道具で装飾された群衆を生成できるほか、持っている小物のインタラクションをリアルタイムでトリガーすることもできる。

スケートボードのアクセサリとキャラクターのモーションを連動させるチュートリアル

CGWORLD関連情報

●表情豊かな3D顔アニメーション、カメラ制御付き動画、群衆行動などを生成する様々なAIモデルが登場。XRとAIに関連した注目論文をピックアップ〜SIGGRAPH 2024(2)

SIGGRAPH2024で発表された技術論文のなかからXRとAIに関連した注目論文を10本紹介。
https://cgworld.jp/article/202409-siggraph-02.html

●Houdini 20.5 新機能紹介 No.2:シミュレーション、群衆、APEX関連のアップデート

Houdini 20.5の注目の新機能として、シミュレーション、群衆、APEX関連について紹介。
https://cgworld.jp/article/202409-houdini205-2.html

●Maya 2025.2リリース! 機械学習により群衆アニメーションを迅速化できるMLデフォーマ、ブレンドシェイプ読み込みに対応したUSDプラグイン、ランプノードが追加されたLookdevXなど

Maya 2025.2 Updateの新機能を紹介。MLデフォーマ、USD for Maya 0.29、LookdevX for Maya 1.5.0、Arnold for Maya 5.4.2.1などが搭載されている。
https://cgworld.jp/flashnews/202508%E2%88%92Maya2025-2.html