フランスLeft Angle社は1月21日(火)、モーションデザインやVFXのためのコンポジットツール「Autograph 2025.1」をリリースした。OpenFXプラグイン(ベータ)によるDaVinci Resolveとのライブリンク、After Effects用のプロジェクトインポーター、3Dテキストレイヤーの押し出しなどの新機能を搭載している。プランは無料版の「Autograph Starter」を含む3種類が提供され、いずれも商用利用に対応する。

新しいアニメーションワークフローとUIの刷新

Autograph 2025.1では、選択/複数編集の選択プロパティを簡単に検査できるInspector(インスペクタ)パネルを新搭載するほか、複数のタイムラインとビューアのコントロールへの対応、素早く修正が適用できるクイックモディファイア(Quick Modifier)メニューの搭載など、ワークフローの効率化に貢献する新機能を備える。

また、アプリケーション全体のUIデザインはコンパクトにリフレッシュされている。

新搭載のInspectorパネル

3D関連機能の強化

3D関連機能の強化として、位置・回転・スケールのテキスト3Dアニメーションと押し出し、SVGなどシェイプの押し出し、マテリアルレイヤーを使ったマテリアルプロパティのアニメーションが新たに可能となった。

テキスト3Dアニメーションと押し出し、シェイプの押し出し

また、コンポジションで直接3Dプリミティブオブジェクトを作成したり、ビューポートで直接3Dレイヤーを選択したりといった作業にも対応した。

コンポジションで直接3Dプリミティブを作成し選択

DaVinci Resolveとのライブリンク(ベータ)

OpenFXプラグインホストとのライブリンク機能(Autograph Live Link)がベータとして提供される。これにより、DaVinci ResolveをはじめとするOpenFX対応動画編集ツール上で、Autographのプロジェクトやテンプレートを直接扱うことが可能となる。プラグインはWindowsとMacに対応する。

DaVinci ResolveのインスペクタでAutograph Live Linkのプロパティを操作している様子

After Effectsプロジェクトのインポート

新しいAfter Effectsプロジェクトインポータでは、レイヤーアニメーション、シェイプ、テキストアニメーション、レイヤースタイル、いくつかのエフェクトをAutographにインポートできるようになった。

  • 元のAfter Effectsプロジェクト
  • インポータを使用してAutographに読み込んだAfter Effectsプロジェクト

■Autograph What's New(英語)
https://left-angle.com/autograph/whatsnew

■New Features & Enhancements in 2025.1v0(Autograph Documentation、英語)
https://docs.left-angle.com/autograph/dev-master/chapters/whats_new/2025.1v0.html

3種のプランと機能・価格

Autographは無料で全機能にアクセスでき、商用利用も可能な「Autograph Starter」プランを提供する点も特長のひとつ。同プランの制限は、最大2プロジェクト、1プロジェクトにつき最大5コンポジション、最大30fpsとフルHDまで、高度なFXのみウォーターマークあり、作業はオンラインのみ、となる。

個人向けのプランとなる「Autograph Creator」は年払いで初年度180ユーロ(約29,500円)、次年度以降199ユーロ(約32,600円)で提供され、プロジェクトやコンポジション数、fpsと解像度、ウォーターマークの制限が解除される。また、PythonスクリプトAPIやOpenFXプラグイン、オフラインでの利用も可能となる。

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