コロプラより、意欲的な2作のアプリがリリースされた。発表された2タイトルは、モンスター育成バトルRPG『MONSTER UNIVERSE(モンスターユニバース)』と、探索型アドベンチャーゲーム『PRINCIPLES(プリンシプルズ)

かねてよりCEDECでの講演や、CGWORLD.jpの連載「モバイルゲームグラフィックス最前線」で披露してきた通り、コロプラはグラフィックスのパイプラインをビルトインレンダーパイプラインから、Light Weight Render Pipeline(のちのURP)に移行してきた。
さらに、コンシューマゲーム級の高品質なグラフィックスを目指して、Unityのハイエンド向けレンダーパイプライン 「HDRP」同等の表現力をモバイルで実現するため、レンダーパイプラインを独自に拡張し、リアルタイムかつ物理ベース(PBR)のグラフィック開発をすすめてきている。

今回の発表はこうした技術研究がアプリとして結実したものだ。今後のコロプラのグラフィック指針を社内外に示したものだが、他プロジェクトへの現実的な転用を見据えて「デモ」ではなく、様々な端末で実際に遊べる「アプリ」として準備を進めてきたことは注目に値する。実際、今回お披露目された技術は、リリースされる様々なプロジェクトでの導入検討が進んでいるそうだ。

両アプリともに無料でプレイできるのでまずはぜひ体験を。また、CGWORLDによる体験会レポート記事も後日公開予定なのでそちらもチェックしてもらいたい。

3DアクションRPG『MONSTER UNIVERSE(モンスターユニバース)』

▲『MONSTER UNIVERSE』PV

モンスター交配型の3DアクションRPG。主人公フィーナとともに、伝説のモンスターを生み出し島の生態系を取り戻すというストーリー。プレイヤーは広大なフィールドを探検し、「モンスター」を「ペアリング」して仲間にできる。「モンスター」は交配により新たな「モンスター」を生み出すことができ、その組み合わせのパターンは約15,000通りにも及ぶ。バトルはモンスターとキャラクタが一体となり、スキルを駆使しながら敵を倒す。
繊細なタッチで描かれるキャラクターと奥行きを感じるアート性の高い背景表現やライティングに注目してもらいたい。本作は広大なオープンフィールド世界観ゆえ、飽きさせないための工夫が随所に見られる。

短編アドベンチャーゲーム『PRINCIPLES(プリンシプルズ)』

▲ 『PRINCIPLES』公式PV

深淵な地下遺跡の世界を探索するアドベンチャーゲーム。コロプラのクリエイターが最新技術情報を発表するための新ブランド「COLOPL Creators」によるアプリ第一弾。

本作では既存のMayaを中心とした開発ツールに、Zbrush、Substance Painter、Substance Designer、SpeedTree、Houdiniなどを加えたモダンな開発スタイルが取り入れられより短期間で高密度な画作りが目指された。リアルタイムのライティング環境下で、太陽光に頼らずに画づくりを行う挑戦や、多光源や水面の反射(SSR:スクリーンスペース・リフレクション)、Houdiniを用いた物理ベースの破壊表現、Uber Shader、Visual Effect Graphを用いた、リッチな粒子表現に注目してもらいたい。今回アーティストとエンジニアが主導したプロジェクトとなっているが、レベルデザインもアーティストが行なっているそうだ。

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