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昨年9月に機能制限付きながら廉価版の ZBrush Coreがアナウンスされ、さらに敷居が低くなったZBrush。ZBrushを入口にCGを始める学生も増加している。そこで、今回「iiyama」ブランドで知られる パソコン工房が"初めてのZBrush"をテーマにZBrushとレンダラKeyShotに特化した機種を3モデル構成。
現在注目の若手デジタルスカルプターである岡田恵太氏に検証してもらった。なお、パソコン工房によるKeyShotベンチマークテストも各モデルで行っている。コア数、クロック数によってレンダリング速度がどのように変化するか参考にしてもらいたい。

▲パソコン工房 CG・映像制作制作者向けブランド「CG・MOVIE GARAGE」販売サイト。本企画で岡田恵太氏が監修したZBrush初心者向けモデルが紹介されている。各ラインナップともに、目的に合わせて余分な構成は省き高いコストパフォーマンスを実現している。今後さらなるラインナップが登場予定だ。 >>>製品紹介ページはこちら

ZBrushヘビーユーザーが重視すべきPCパーツはどれ?

▲iiyama SENSE∞(イイヤマ センスインフィニティ)より発売中のZBrush×Keyshot推奨モデルを用いてZBrush、Keyshot、Substance Painterを検証中の岡田恵太氏

パソコン工房スタッフ:作品を拝見する限りポリゴン数も多く、負荷の高そうな作業が多そうですが、普段の業務内容やPCに求める条件はどのようなものですか?

岡田氏:クリーチャーなどのコンセプトモデルをZBrushをメインツールとして制作することが多いですね。ゲームなどのリアルタイム案件ではセットアップ前の、モデルやテクスチャまで担当しています。4K、8Kといった大きなサイズのテクスチャも使用しますし、躍動感を求め一気にスカルプトを進める制作スタイルなので、サクサク動くPCは必須条件です。そのため、自宅のPCはCPUに6コア12スレッドのインテルCore i7-3930kのモデルを選んでいます。

パソコン工房スタッフ:かなりCPUを重視したモデルですね。ZBrushのパフォーマンスはCPUの依存度が高いですからね。その点を踏まえ「iiyama SENSE∞(イイヤマ センスインフィニティ)」より3つのモデル(ページ中段参照)を構成してみましたが、使い勝手はどうでしたか? ノートモデル、スタンダードモデルの2機種についてはZBrushとKeyshotに特化するため、CPUのコア数を重視した構成にする一方でGPUについては可能な限り廉価なものを選びました。一方で、アドバンスモデルについては近年のゲーム制作のワークフローを考慮して、Substance Painterなどの3Dペイントツールに対応するためGPUも重視しています。

▼ZBrush作業画面

岡田氏:今回「iiyama」パソコンで作成したドラゴンのモデルではボディ部分だけでも、SubDiv6の状態で3,300万ポリゴンありましたが、ZBrushでの作業やKeyShotでのレンダリングは快適そのものでした。アドバンスモデルでは、SubstancePainterの検証も行いましたが、特にプレビューが非常に快適でした。

パソコン工房スタッフ:ZBrush初心者はポリゴン数を際限なく増やしてしまいPCが固まってしまいがちですらからね。ある程度の無茶は効くスペックにはなっています(笑)。

デスクトップ向けCPUを搭載するハイパフォーマンスノートモデル

  • SENSE-15FH045-i7T-FE-CMG [CG・MOVIE GARAGE]
    ●価格:¥123,980(税抜)
    ●OS:Windows 10 Home 64ビット
    ●CPU:インテル Core i7-6700T プロセッサー (2.8-3.6GHz/4コア/8スレッド/8MBキャッシュ/TDP35W)
    ●CPUクーラー:標準CPUクーラー
    ●メインメモリ:DDR3-1600 8GB×2(デュアルチャンネル/計16GB)
    ●SSD1:-
    ●HDD1:1TB 2.5インチ Serial-ATA HDD
    ●VGA:Intel HD Graphics 530
    ●ODD:DVDスーパーマルチドライブ
    ●チップセット:インテル(R) H170 Express チップセット
    ●WLAN:無線:IEEE802.11 ac/a/b/g/n対応2×2 Dual Band Wi-Fi + Bluetooth 4.2
    ●液晶:15.6型(非光沢カラー液晶) フルHD(1920×1080ドット)
    ※価格および各パーツのスペックは2017年3月10日時点情報です。予告なく変更される場合があります。
>>>製品紹介ページはこちら

メモリ32GBを搭載したコストパフォーマンスモデル

  • SENSE-R027-i7K-HN-CMG [CG・MOVIE GARAGE]
    ●価格:¥116,980(税抜)
    ●OS:Windows 10 Home 64ビット
    ●CPU:Core i7-7700K プロセッサー (4.2-4.5GHz/4コア/8スレッド/8MBキャッシュ/TDP91W)
    ●CPUクーラー:標準CPUクーラー
    ●メインメモリ:DDR4-2400 8GB×4(デュアルチャンネル/計32GB)
    ●SSD1:-
    ●HDD1:1TB 3.5インチ Serial-ATA HDD
    ●VGA: Intel HD Graphics 630
    ●ODD:24倍速DVDスーパーマルチドライブ
    ●チップセット:インテル Z270 Express チップセット
    ●ケース:ミドルタワーATXケースIW-EA040 [フロントUSB3.0] ブラック
    ●電源:500W 80PLUS SILVER認証 ATX電源
    ※価格および各パーツのスペックは2017年3月10日時点情報です。予告なく変更される場合があります。
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Substance Painterに対応したGPU重視のアドバンスモデル

  • SENSE-R009-i7BK-RN-CMG [CG・MOVIE GARAGE]
    ●価格:¥274,980(税抜)
    ●OS:Windows 10 Home 64ビット
    ●CPU:インテル Core i7-6900K プロセッサー (3.2-3.7GHz/8コア/16スレッド/20MBキャッシュ/TDP140W)
    ●CPUクーラー:標準CPUクーラー
    ●メインメモリ:DDR4-2400 8GB×4(デュアルチャンネル/計32GB)
    ●SSD1:480GB 2.5インチ Serial-ATA SSD
    ●HDD1:-
    ●VGA:ELSA GeForce GTX 1060 S.A.C 6GB GDDR5
    ●ODD:24倍速DVDスーパーマルチドライブ
    ●チップセット:インテル X99 Express チップセット
    ●ケース:ミドルタワーATXケースIW-EA040 [フロントUSB3.0] ブラック
    ●電源:700W 80PLUS BRONZE認証 ATX電源
    ※価格および各パーツのスペックは2017年3月10日時点情報です。予告なく変更される場合があります。
>>>製品紹介ページはこちら

REVIEW 01
ZBrush、KeyShot推奨モデル(ノートモデル、スタンダードモデル)

両機ともにZBrushの動作とKeyShotの用途に的を絞ったため、CPUのコア数を4コア8スレッドと重視する一方で、GPUには最低限のスペックのものを選んでいる。その結果、11~12万円台という低価格を実現。ノートモデルのCPUにはCore i7-6700TというデスクトップのCPUが載せられる珍しいタイプを選択。メモリ搭載数が16GBとやや少なめなのがネックだが、外出先での作業や、クライアントチェックなど用途次第では大きな武器となる存在だ。「DynaMeshもスムーズに掛かるし、スタンダードモデルやノートがここまで動くんだって感じでした。コンセプトアートで、KeyShotと、Photoshopでのレタッチを考えれば十分な性能ですね」(岡田氏)。一方のスタンダードモデルのCPUは4コア、8スレッドのインテルCorei7-7700Kを採用。メモリは32GB搭載。ストレージはCドライブにHDDを採用している。起動の速度こそSSDにはかなわないものの、その代わりデータ容量を重視したモデルとなっている。

REVIEW 02
Substance Painter対応モデル(アドバンスモデル)

アドバンスモデルはCPUに8コア、16スレッドのインテルCore i7-6900Kが選ばれており、ZBrushとKeyShotのパフォーマンスは前述の二機よりも高くなる。さらに本機はSubstance Painterなどの3Dペイントツールの使用を考慮し、高い信頼性を持つELSA製のGTX 1060を標準装備している(※オプションによりGTX 1080も選択可)。Substance Painterは物理的挙動をシミュレーションしながらフォトレアリスティックな画像を生み出すCUDA対応のレンダラ「Iray」に対応しているため、GPU性能を上げることで計算処理能力を劇的に向上させることが出来るのだ。

「プレビューがとにかく快適で、HDRIの切り替えやテクスチャのベイクなども処理時間が早く、業務使用においてまったく問題ないモデルです」(岡田氏)。8Kテクスチャでの制作を求められる事もある昨今、思いついたイメージをストレスなく形にしてくれるハイエンドマシンならこれだ。

パソコン工房によるKeyShotベンチマークテスト

※「HT-OFF」はハイパースレッドモードをOFFにした状態を指す

3機種それぞれのKeyShotベンチマークテストを行なった。KeyShotはデフォルト設定で起動し「CAMERA_BENCHMARK」をロード、1分経過後のfpsを測定した。fpsが高いほど、高速なレンダリング処理を行なっていることを示す。スタンダードモデル、アドバンスモデルについてはCPUのコア数やハイパースレッドモード(HT)のON/OFFについて条件を変えて検証した。結果、KeyShotは、クロック数によるちがいも見逃せないながらも、コア数に大きく依存してパフォーマンスが向上することが判明した。



TEXT_永岡 聡(lunaworks)