高田馬場駅から10分ほど歩いた所にある神社のすぐ近く、霊験あらたかな一帯にオフィスを構える株式会社サムライピクチャーズ。気を抜くとうっかり通り過ぎてしまうほど控えめな外観だが、肩ひじ張らない雰囲気には親しみが感じられる。 『アイカツ!』、『圧倒的遊戯 ムゲンソウルズZ』で実力を世に知らしめたサムライピクチャーズはセルルックを得意とする3DCG制作会社だ。現在スタッフ13名(男性10名、女性3名)、2009年の設立以来ひとりとしてここを去った者はいない。かつて「白組」のディレクターとして活躍していた代表の谷口顕也氏に、サムライピクチャーズの素顔を語ってもらった。

憧れに挑戦する。挑戦する人を応援する

ポイントピクチャーズ作品画像

『アイカツ!』©SUNRISE/BANDAI,DENTSU,TV TOKYO
細部まで作りこまれたレースや刺繍部分などでは、女性スタッフのアイデアが大活躍する

「白組に所属していた時に並行してヒューマンアカデミーで講師をしていました。そこの生徒を引き連れて設立した会社という背景もあってスタッフにとって私は"上司"というより"先生"という親しみがあるのでしょう。みんな学校のように和気あいあいと仕事してますよ」。そんな同社は『アイカツ!』第2期の制作スタートに伴い「3DCGデザイナー」と「アニメーター」を目下募集中だ。「3DCGデザイナー職はモデリングからコンポジットまで一貫してお任せします。クライアントからはアイデア出しを求められることが多いので、イメージを具現化してダイレクトに世の中に送り出す重要なポジションです。アニメーター職は、キャラクターモーションの経験豊富なディレクターが指導しますので効果的なスキルアップが可能です」(谷口氏)。また、アニメCGだけではなくリアル系CGも含め、CMや遊技機系の仕事など多方面で活躍できる好環境だ。「いずれにしても積極的に挑戦して思う存分力を発揮して下さい! 」と谷口氏は新戦力に期待する。採用の流れの中で興味深い点は、送られて来た作品をスタッフ全員で見るというところだ。後述するが、サムライピクチャーズの特色のひとつに"総力戦"があげられる。全員で映像をチェックし、全員で意見を出し合い、全員で問題を解決する。そして、たまに全員で映画を観に行き全員で餃子(!?)を食べに行く。終始穏やかな笑顔で話す谷口氏からは包み込むような温かさが伝わってくる。

サムライピクチャーズが過去に手掛け、セル調の3DCG制作に卓越した技術を持つと認知されるにいたった作品である『ムゲンソウルズZ』

強みとするセルルック3DCGで一躍脚光を浴びた記念碑的作品の続編
『圧倒的遊戯 ムゲンソウルズZ』©2013 COMPILE HEART / GCREST,Inc.All Rights Reserved.

「私自身、表現の世界に憧れを持ちつつも一般大学に進んでメーカーに就職した過去があります。諦められない気持ちを抱えていた当時はちょうどCGが一般的に出始めた頃で、その時に観た『タイタニック』のCG技術に目を奪われました。さらにそれがLightWave 3Dで作られていると言うことを知って、自分でも映画が作れる! と」。一念発起でCGの世界に飛び込んだ谷口氏だからこそ、転職して夢の実現に挑戦する気持ちを理解し、応援したいという熱意に溢れているのだ。「人生の大半は働いて生きていかなければならないわけですから、楽しくないと続けられませんよね。今ではもう日曜6時半に憂鬱になることは全くないですよ(笑)」(谷口氏)。

総力戦で挑む和やかな制作環境

サムライピクチャーズが手掛けた作品である『アイカツ!』2期のポスター画像

10月3日から2年目に突入したTVアニメ『アイカツ!』。アイドル活動はますますアツくなる
©SUNRISE/BANDAI,DENTSU,TV TOKYO

『アイカツ!』のCGデザイナーである樋口博和氏は「遊技機系CGやCMの仕事ももちろんですが、とにかく『アイカツ!』の仕事は楽しいです」と笑顔で話す(彼らこだわりの仕事ぶりはCGWORLD 182号『アニメCGの現場』で紹介しているので要チェック!)。「制作した映像はスタッフ総出でチェックするのですが、そうすることで細かい部分まで見落としが無くなります。しかもみんな遠慮なく意見を出してくれるので、クオリティが上がり映像を見る目が養われます」とは同じくCGデザイナーの林和正氏だ。とにかく全員明るくてよく喋る、と全員が口を揃えて言うように、取材中も和やかな笑い声と話し声が制作フロアから聞こえてくる。設立当初のメンバーであるCGデザイナーの草間博之氏は「ここでは3DCG映像制作を一貫して任せてもらえるので幅広い知識と経験が身に付きます。いずれディレクターとして活躍していくことを視野に入れているなら、まさに理想的な環境になるはずです」。 納品に追われるTVアニメ制作現場に漂いがちな悲壮感は感じられず、どの表情も明るくのびのびとマイペースだ。「プロジェクトに区切りが付くと一週間程度のまとまった休暇が貰えるんですよ。僕も近々頂こうかと(笑)」(樋口氏)。好きなことを犠牲にすることなく仕事と両立できる、まさに人生充実の環境が用意されている。

サムライピクチャーズの製作スタッフ サムライピクチャーズの製作スタッフ サムライピクチャーズの製作スタッフ

『アイカツ!』の3DCG制作に携わる(左から)樋口博和氏(CGデザイナー)、林 和正氏(CGデザイナー)、草間博之氏(CGデザイナー)。
会話が弾んであっという間に時間が経ってしまった

そんな彼らはこれからシェーダや自社コンテンツの開発、3Dプリンターの活用など、3Dで出来ることは何でも挑戦していきたいと目を輝かせる。「向上心の強い方と仕事で勝負したいですね。悔しいっ! と思わせてくれるような仕事をする方と一緒に、みんなでレベルアップしていければ最高です」(スタッフ一同)。谷口氏に温かく見守られながら、スタッフ全員が安心して仕事に熱中しているサムライピクチャーズ。熱意に溢れた陽気な新戦力の到来を楽しみに待っている。

TEXT_UNIKO
PHOTO_弘田充

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