認知神経心理学をフル活用した脚本術を解説した『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』が発売された。
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■概要

同書は、目や耳などの現実の情報を知覚する器官の機能から、感情や意思決定と複雑に結びつく脳神経にいたるまで、人間の知覚/認識のプロセス全体を章を追って詳細に明らかにしていく、これまでにない新しいアプローチの脚本術を紹介。「映画を見ているときに心と脳には何が起きているのか?」ということを科学的に説明しながら、物語を語る手法(=ストーリーテリング)の原則とその戦略を明らかにする。映画脚本だけでなく、小説、マンガ、ビデオゲームなど、あらゆる「物語」に関わる分野においても大きなヒントになる一冊。

なぜ成功した映画には、いくつかのパターンがあるのか? なぜ、巷にはたくさんの「脚本の指南書」があふれ、「必勝法」があるのか? 同書では、ジョーゼフ・キャンベルの「英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニ)」の神話構造理論、シド・フィールドの「三幕八場」、ロバート・マッキーの脚本術、ブレイク・スナイダーの「SAVE THE CAT!」の法則をすべてまとめて取り上げ、それらがいかに合理的であるかを説きながら、その上でクリエイティビティを発揮するための、パターンからの逸脱について検討する。そこで武器になるのが、認知神経心理学の活用である。

同書の中では、実際に『スター・ウォーズ』や『トイ・ストーリー』のほか、『ソーシャル・ネットワーク』や『世界に一つだけのプレイブック』、『ブレイキング・バッド』など、人気映画作品やテレビドラマを扱いながら、具体的事例の検証を通して、実際に使われているテクニックの解明と、その背景にある科学的根拠を明らかにする。

『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』
著者:ポール・ジョセフ・ガリーノ+コニー・シアーズ、石原陽一郎(訳)
発売日:2021年01月26日
判型:A5判・並製
ページ数:248
ISBN:978-4-8459-1925-3
本体:2,400円+税