コンピューターグラフィックス(CG)制作プロセスにおけるレンダリング処理を、自律分散アルゴリズムを用いて高速に実行するクラウドサービス「Bullet Render Farm(ブレットレンダーファーム)」(株式会社 A.L.I. Technologies提供)が2019年9月よりサービスを開始した。
詳細はこちら「Bullet Render Farm」は独自に開発した自律分散型アルゴリズムを用いることで、接続数に制限のあった従来型のレンダーファームとは異なり、GPU 数に制限なく効率的に稼働できることが特徴である。レンダーファームとしては世界最大規模の GPU 数で運用されており、高速なレンダリング処理を可能とした。さらに、日本国内のみでレンダーファームを運営することで、クラウドサービス利用への不安を取り除くべく万全の対策を講じている。
「Bullet Render Farm」のサービスは、アップロードされたレンダリング設定済みのファイルについて、以下のシンプルな 3つの工程で構成。
(1) 見積り用にレンダリング(サンプルフレームの指定も可能)
(2) 見積り料金・時間の提示
(3) 確認・受注後にクラウド上で高速レンダリング
ユーザーが発注の意思決定をする際に、サンプルフレームの仕上がり・見積り料金・完了の予測時間を確認できる上、レンダリング処理の実行中は各フレームの処理の進捗をリアルタイムで確認できる。
CGアニメーション制作や建築ヴィジュアライゼーションなど、高度な画像制作に欠かせないレンダリングの処理時間を高速化することで、創作活動時間の最大化や高性能マシン維持にかかる負担軽減など、CG業界の活性化に期待がかかる。
料金形態はプールされた GPU をシェアリングする従量課金制と、一定数の GPU をプライベート利用する月額固定制の 2 種類のプランが用意されている。
・従量課金プラン:1GPUあたり3円/分 (0.05円/秒)
レンダリング仕事量(稼働GPU枚数×レンダリング時間)によって決定。その時点で空いているすべてのGPUがアサインされる仕組みで、大量のGPUが稼働してもその分レンダリング時間が短くなるため、料金は不変。
例:1GPUで10時間の仕事=100GPUで6分=500GPUで1.2分=1,800円
稼働される GPU 数はその時に空いている全ての GPU を用いてレンダリングが実行。
・月額固定プラン
待ち時間なく一定速度が担保されるプラン。ユーザーの利用頻度に合わせ GPU 数の割り当てなどカスタマイズされる。
「Bullet Render Farm」は、今夏ロサンゼルスにて開催された CG の展示会「SIGGRAPH 2019」において、米国の半導体メーカーAdvanced Micro Devices 社(以下、「AMD 社」)と共同で開発を進めてきたと発表した(https://ali.jp/2019/07/31/1835/)。現在、AMD 社の物理ベース高性能レンダリングエンジン「Radeon™ ProRender」で生成したファイルでのレンダリングに対応している。「Radeon™ ProRender」は、主要 3D コンテンツ制作アプリケーションで利用可能なプラグインを無料で配布しており、Windows®、OS X および Linux®に対応し、AMD 社製の GPU に加え、AMD 社以外の GPU や CPU もサポートしている。
Bullet Render Farm
ホームページ:www.bulletrenderfarm.com
Twitter:https://twitter.com/BulletRender
対応ファイル:「Radeon™ ProRender」の rpr ファイル
料金:従量課金プラン;1GPU1分あたり3円、課金は秒単位(0.05 円/GPU・秒)、別途トランザクション費用として 30 円/都度。稼働される GPU 数はその時に空いている全ての GPU を用いてレンダリングが実行されるが、料金は GPU の数に拠らず依頼された仕事量によって算出
月額固定プラン;ユーザーの利用頻度に合わせカスタマイズ。待ち時間なし、一定速度の担保
運営:株式会社 A.L.I. Technologies(https://ali.jp/)
事業内容:世界初の実用型ホバーバイクの販売を 2020 年に目指すエアーモビリティ事業、ブロックチェーン技術を活用し演算力を貸し出すクラウドサービスのコンピューティングパワープール事業、ドローン関連ソリューションの開発事業、技術コンサルティング事業などを展開。
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