オートデスクは、米国ネバダ州ラスベガスで開催されている放送機器総合展示会NABにおいて、「Smoke 2015」ならびに「Flame 2015」を発表した。



■ 「Smoke 2015」について

「Smoke 2015」は、新しいクリエイティブ ツールの搭載と大幅なパフォーマンス強化に加えて、ユーザーが都合のよい購入方法を選択できるように、一定期間利用できるライセンス形態「Desktop Subscription」(旧名称:レンタル プラン)を導入し、5月8日より提供開始。これにともない、従来の永久ライセンス販売は終了される。

●主な機能
・Timeline FXの再設計を行い、セグメント ベースのエフェクトとしてAction 3Dコンポジティング環境に直接アクセスできるなど、新しいエフェクト機能を搭載
・タイムラインに統合された3Dトラッカーを使用して、カットごとのオリジナルのカメラ動作との調整が可能。これにより、映像レイヤーやテキスト/3Dオブジェクトなどの新エレメントをリアルに追加可能
・Blackmagic Design社DeckLinkカードやThunderbolt規格対応のUltraStudio機器のサポートに加え、AJA Video Systems向けに拡張されたビデオI/Oサポートにより、デュアルストリームのステレオスコピック(立体視)出力を実現
・Apple Final Cut Pro X 向けにXMLワークフローを強化し、より多くのタイムライン/エフェクトのメタデータを保持できるようになり、編集からエフェクトへの変換をさらに効率化。また、QuickTimeメディア ファイルを添付した形で、SmokeシーケンスをXMLフォーマットにエクスポート可能

●概要
Autodesk Smoke 2015(Maintenance Subscription加入者向け)
出荷日:4月21日
希望校価格:Maintenance Subscription(保守サービス)加入者のみに提供、永久ライセンス販売は終了
Autodesk Smoke 2015 Desktop Subscription版
出荷日:5月8日
希望小売価格:
Desktop Subscription: 34,560円(1ヵ月、ベーシックサポート付きの場合)
Desktop Subscription: 86,400円(3ヵ月、ベーシックサポート付きの場合)
Desktop Subscription: 275,400円(1年、ベーシックサポート付きの場合)

「Smoke 2015」Action 3Dコンポジット環境



■ 「Flame 2015」について

「Flame 2015」は、新しいクリエイティブツール、より高速なパフォーマンス、エンドツーエンドの4K対応ワークフローにより、ハイエンドなポストプロダクションのニーズに対応する。

●4KとUltra HD(UHD)ワークフローに対応
「Flame 2015」を利用すると、クリエイティブかつインタラクティブに作業が進み、高品質な最終作品を4K解像度で提供することができる。また、次のような新しいワークフローにも対応してユーザのニーズに応える。
・業界標準の4Kフォーマット
・ACESやREC-2020の色空間に対応する精度の高い4K/UHD色管理
・4K/UHD素材のSDIによる50P、60Pでのリアルタイム モニタリングと再生
・タイムライン エフェクトやバッチノードのパフォーマンス最適化や4K対応サブスタンステクスチャー
・高解像度画像のリアルタイム処理のための高性能ストレージに搭載された16GBファイバーチャネル コントローラーなど
また「Flame 2015」では、Flameを稼働させるワークステーションに2枚目のGPUカードを追加することが可能。Background Reactorにより、ショット、シーケンス、バッチ設定をレンダリングのために2枚目のGPUに送り、フォアグラウンドでは別のタスクをインタラクティブに処理し続けることができるため、レンダリングの高速化を実現する。Background Reactorには、NVIDIA Quadro K6000 GPUが2枚(HP Z820ワークステーション)またはNVIDIA Quadro 6000 GPUが2枚(HP Z800、Z820ワークステーション)が必要だ。

●革新的なクリエイティブ ツール
「Flame 2015」では、期待以上の成果を上げる新たなツールが提供される。
・3Dシェイプ:簡単な操作で高速なモデリング、プロジェクション マッピング、ロゴデザイン、モーション グラフィックス、リライティングなどのワークフローが可能
・レプリカ:Actionに追加された新しいクリエイティブ ツール。3Dシェイプなどの単一のクローンオブジェクトを使ってカスケード効果を容易かつインタラクティブに作成、操作し、アニメーションを表示することが可能
・マッチボックスの強化:タイムラインのショットやトランジションにマッチボックス効果を直接追加し、パッケージングや暗号化によりシェーダーコードを保護することが可能

●最先端のツールセットと統合されたワークフローによりプロジェクトをより速やかに完了
「Flame 2015」は、フリーフォームなデスクトップリール、タイムライン、バッチをスムーズに統合しながら、独自のFlameワークフローにダイナミックなライブラリービューを採用し、高度なアプリケーション ワークフローを実現。さらに、タイムラインのバッチソースに対して複雑な編集やエフェクトを適用し、新しいバッチコンテキストビューでバッチコンポジティングツリーへの影響をモニタリングすることができる。

●新たな機能と高い価値を提供する「Flame Premium」
「Flame Premium」は、「Flame」と「Lustre」を組み合わせた強力なクリエイティブなパッケージ。「Flame Premium 2015」には、「Flame Premium」ワークフローと完全な互換性を持った「Flare」および「Flame Assist」が新たに同梱される。「Flare」はショットベースの高性能なビジュアルエフェクトアプリケーションで、「Flame Premium」ワークフローのクリエイティブな可能性をさらに拡大。「Flame Assist」はMacベースのタイムライン主体のアシスタントステーションで、「Flame Premium」プロジェクトの開始、完了に関連するさまざまな作業に利用することができる。
「Flare」と「Flame Assist」は、3ヵ月または12ヵ月の契約期間利用できるライセンス形態「Desktop Subscription」(旧名称:レンタル プラン)も提供される。利用できるのは「Flame」または「Flame Premium」のライセンス契約が必要だ。

「Flame 2015」マッチボックス操作画面



■ 関連 URL

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