株式会社ハコスコ(以下「ハコスコ社」)は、国内代表代理店を務めるArashi Vision社の360度カメラ「Insta360シリーズ」の上位機種「Insta360 Pro 2」を発表した。

■Insta360 Pro 2」の特長

8Kの3D撮影、FlowState手ブレ補正、より便利なVR制作フローを提供
Insta360 Pro 2は8Kのステレオ3D動画を撮影できるだけではない。強力な手ブレ補正機能、遠距離モニタリング、簡便化されたポストプロダクション、そしてスマホなどのデバイスでも8Kの360度動画を再生可能にする技術が提供される。

3D8K映像
Insta360 Pro 2は6台の4Kカメラであらゆる方向を一瞬で撮影する。撮影後の写真と動画は8Kの360度3D画像に合成され、没入感の高い美しい3D VR映像が体験できる。使用できる撮影モードは8K 3D(30FPS)、8K 2D(60FPS)、6K 3D(60FPS)、4K 3D(120FPS)。カメラに内蔵する新しいHDR機能により、幅広いダイナミックレンジで光を自然に捉え、さらにi-Logモードを使うことで編集段階での色補正が自由にできる。

手ブレ補正機能を内蔵
Pro 2の一番の特徴、それはプロのVR撮影においても実用的なInsta360独自のFlowState手ブレ補正システム。VRクリエイター達は、これまで手ブレ補正がほとんどかかっていない映像を視聴者にそのまま見せる、もしくは巨大なジンバルをカメラに取り付け、さらに編集の段階で大きな手間をかけて補正するかどうかのジレンマに陥っていた。Insta360 Pro 2では、FlowState技術を用いることで、ジンバルなしでもジンバルを使ったようなプロ級の手ブレ補正効果をもたらすことでこのジレンマを解決。Pro 2は超精密な9軸ジャイロスコープで動きを検知し、Insta360のソフトウェアで自動的に撮影映像に強力な手ブレ補正をかける。

遠距離撮影
VRクリエイター達にはもう1つ解決しなければならない問題がある。それは、クルーたちがカメラに映らないように撮影現場から離れたとき、どうやって撮影のディレクションをするかという問題。一般に解決策としてよく使われるのがWi-fiモニタリングだが、実際の使用上では接続が安定しない、接続距離が短い、遅延や妨害が起きやすいなどの問題があった。そこで、Insta360 Pro 2では、新しいFarSight技術を用いて、高い画質で遅延の少ない360度ライブ映像モニタリングシステムを実現。遠距離のプレビューで撮影を確認できるようになった。FarSightの発信機と受信機を通じて、クリエイターは地上距離では300メートル、あるいは地上と空中なら3キロメートルの遠距離から撮影を確認しディレクションできる。FarSightは5.18Ghzの信号を用い、自動的にチャンネルを変更することでノイズを最小限にする。

Adobe Premiere Proでの「No-Stitch」編集
Pro 2はAdobe Premiere Proで編集作業を行う際、より便利なスティッチングと編集を提供できるように設計された。動画撮影する際、高画質の動画のほかに低画質のプロキシ素材が自動的に保存される。撮影したオリジナルの映像ファイルをAdobe Premiere Proにインポートすれば、プロキシ素材ファイルも自動的に認識され、スティッチ後の画像を瞬時に確認できる。プロキシ素材を用いて編集が終わり動画をエクスポートする段階になると、動画の編集とスティッチングはInsta360のアルゴリズムに置き換わり、高画質で出力されるようになる。これにより編集作業がより効率よく、時間の無駄も少なく、編集環境でのマシンスペックの要求も低くなる。

あらゆる用途に最適
Pro 2の重さは持ち運びに困らない1386gで、モバイル撮影にも向いている。さらにバッテリーはホットスワップ対応なので、ロケ撮影におけるカメラの連続録画時間の問題も解決できる。オーディオについては、360度音響を実現する4つの内蔵マイクに加えて、USBおよび3.5mmのオーディオ用端子がそれぞれ本体の上部と下部に準備されている。それらの入力端子を用いることで、より高い音声効果や特殊な音声収録も可能だ。今回Pro 2は6つのMicroSDカードのスロットがあり、それぞれのカメラに対応して、ビットレートを最大限までに上げたより高画質の360度撮影を可能にする。7枚目のフルサイズSDカードにはスタビライゼーションデータとAdobe Premiere編集用の低解像度のプロキシ画像が保存される。

クリスタルのようにクリアな画質
Pro 2を使っていくら素晴らしい高画質のVRコンテンツをつくっても、ほとんどの視聴者達はスマホやOculus Go、Samsung Gear VRなどの人気VRヘッドセットしかもっていないため、困ったことに最大4Kの動画しか再生できない。しかし、Insta360開発のクリスタルビュー(CrystalView)技術を用いれば、Pro 2で撮影したコンテンツを専用フォーマットに変換することで、主流のスマホやヘッドセットでも8Kのままに再生できるようになる。原理を簡単に説明すると、この再生アプリは動画ファイルを動的にレンダリングし、鑑賞者が見るところだけを高い画質のまま再生させることができるためだ。

4K配信しながら8K動画を記録
Insta360 Pro 2は、2Dと3Dのいずれでも4Kのライブストリーミングを行うことができる。さらに驚くべきことに、4Kの配信を行いながら8Kのオリジナルファイルを同時に記録できるので、配信後のポストプロセスで最高品質の動画を制作することができる。

位置情報もバッチリ
Insta360 Pro 2はGPSモジュールを内蔵している。上部のアンテナでGPS信号を強化することができる。GPSデータは自動的に保存され、Googleストリートビューや、そのほかの計測サービスに簡単に使用できる。

■製品仕様まとめ

レンズ:200° F2.4 fisheye lenses
本体サイズ:直径143mm
重量:1386g
ISO:100~6400
露出モード:Auto、Manual、Lens-by-Lens Custom、Shutter Priority(静止画のみ)、ISO Priority(静止画のみ)
ホワイトバランス:Auto、Manual
静止画撮影モード:Single shot / Burst (10枚連続撮影)/ AEB/ timelapse(RAW 撮影はすべてのモードで可能)
静止画フォーマット:JPEG / DNG
動画モード:Standard /High FPS(I-logはすべてのモードで可能、 DOL-HDR は一部のモードのみ対応)
動画フォーマット:MP4
エンコードフォーマット:H264 in-camera、H265 available in post stitching
ライブストリーミング:Push Stream 、Custom server push stream、HDMI Output
ストリーミングプロトコル:rtsp、rtmp、hls
ストレージ:6 MicroSD Card+1 SD Card
静止画解像度:7680×7680(3D)、7680×3840(2D)
動画解像度:7680×7680 @30 FPS (8K 3D)、7680×3840 @60 FPS(8K 2D)、6400×6400 @60 FPS(6K 3D/2D)、3840×3840 @120 FPS(4K 3D/2D Binning)