Stratasys(以下、ストラタシス)は、2月9日から11日まで米国テネシー州で開催された3DEXPERIENCE Worldで新製品のJ826 3Dプリンタを発表した。J8シリーズPolyJetプリンタの先行機種J850に比べて非常に廉価でありながら、J826はPANTONE対応カラーやマルチマテリアル3Dプリンティングなどのパーツ・リアリズムと高い生産性の両立を可能にする。
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■概要

デザイナー向けに設計されたJ826は、デザイナーの意図を忠実に実現する極めてリアルなプロトタイプの製作を可能にする卓越したプリント品質を提供する。これにより、エンタープライズの設計グループにとって設計サイクルを数週間レベルで短縮しながら、より迅速な造形や、デザインの反復による品質の向上が可能になる。J826はコンシューマ製品、家電、自動車、教育機関などの業界で頻度の高い造形が必要なエンタープライズに最適だ。

英国のケンブリッジに本社を置くBiologIC Technologiesは「ライフ・サイエンスのデスクトップPC」と呼ばれている先進医療機器の開発にJ826 3Dプリンタを活用している。共同創業者のNick Rollings氏は「私たちのフラッグシップ製品アーキテクチャはJ826を使用して、100パーセント、3Dプリンティングで製作されます。このアーキテクチャ、そしてまさに我が社そのものが、この3Dプリンタによって実現していると言っても過言ではありません」と述べ、さらに「フルカラーのマルチマテリアル3Dプリンティングがもたらす高い設計自由度によって、私たちはまったく制約を受けずにデザイン・プロセスを迅速化できるようになります。これにより、プロトタイプ向けに先進的な特性を持つ材料を活用した超リアルなパーツを製作する道が拓かれます。医療機器の完全な3Dプリンティングが可能になり、私たちの製品が完成すれば、医薬のより効果的なパーソナル化も実現します」と語った。

Rollings氏はまた、「それに加え、J826により達成可能なコストと時間の大幅な削減により、私たちのアイデアの実用化と迅速な進化が可能になります。このような課題をすべてクリアできる技術は現在、他にありません」と続けた。

J826はエンタープライズ・ショップ向けのミッドレンジ・フルカラー3Dプリンタとして構築されており、24時間以内の3Dプリンティング発注と容易な後処理により全デザイン・プロセスをサポートする。J826は最終製品の形、材料、色、仕上げにマッチした造形により、ストラタシスJ8シリーズ3Dプリンタの先行機種と同一の卓越した解像度やディテールを提供する。

ストラタシスのPolyJetビジネス・ユニットのバイス・プレジデントであるShamir Shohamは「私たちは卓越した解像度、フルカラー、複数の材料、高い生産性が一部の限られた人たちのものであってはならないと考えています」と述べ、さらに「こうした信念から、私たちはワールドクラスのJ8シリーズ3Dプリンタの性能と機能を新製品のJ826に広げ、造形頻度の高いエンタープライズ・ショップや教育機関のニーズに低価格で対応しました」と語った。

J826 3DプリンタはJ850と同一の高性能PolyJet材料を使用し、デザイナーと設計エンジニア双方のニーズに対応する。フルレンジのテクスチャー、VeroUltraClearの透明度、PANTONE 対応カラーなどを特長としており、デザイン・プロセスの各ステージにわたって信頼性が高く、現実的な意思決定を確実に可能にする世界共通のカラーを提供する。GrabCAD Printソフトウェアによって完全にサポートされ、一般的な3D CADフォーマットのスムーズなインポートを可能にする。

J826 3Dプリンタは255×252×200mmの最大サイズを特長としている。J8シリーズ・プリンタの先行機種と同様に、大型で7種類の材料に対応できることから、オペレーターは最も頻繁に使用する樹脂データをロードでき、材料交換に伴うダウンタイムの回避も可能になる。複数のプリント・モードにより、ユーザーはHigh-Qualityモード(高品質モード)からHigh-Speedモード(高速モード)まで、特定のニーズに応じてプリンティングの速度や品質を調整できる。

J826の受注は2020年2月19日から対応可能で、製品の出荷は2020年5月15日頃に開始する予定。デザイナーとエンジニアに向けた3Dプリンティング・リアリズムの性能については、J8シリーズのWebサイトにて。