1987年創立以来34年間VR専門企業として、安全教育 /研究支援 /アミューズメント技術などのVRシステムを開発し続けている株式会社ソリッドレイ研究所は、全面リニューアルした危険誘発体感装置「セーフマスター」を2020年6月8日に発表した。

■危険誘発体感装置「セーフマスター」開発背景

ソリッドレイ研究所のもつVR技術で安全教育に貢献できることはないか、という想いから、2006年に旧セーフマスターが開発された。製造業における労働災害での年間死傷件数は、15年前から30%ほど減少している(※1 厚労省WEBページ資料より算出)。これは、各企業が安全教育に尽力してきたことが一因であり、安全教育の強化が労働災害の減少につながる、という証明でもある。これをうけ同社は、安全教育のニーズは継続的に高まっていくと考え、より高い効果を求めるべく、新しい危険誘発体感装置「セーフマスター」を開発した。

(※1)
以下、厚労省WEBページ、項目「「労働者死傷病報告」による死傷災害発生状況(平成16年確定値)」Excel資料内(①業種・局ページ、AW98セルの値)
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/tok/anst00_h16.htm 及び
以下、厚労省WEBページ、項目「「労働者死傷病報告」による死傷災害発生状況(令和元年確定値)」Excel資料内(①業種・局ページ、AW5セルの値) https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/tok/anst00.htm より算出

■製品の特長

・「セーフマスター」は、VR技術により、自分の手が事故に遭う"錯覚"をリアルに体験することができる
・「CGの手」が「自分の手」に一致して実寸大表示され、 クロスモーダル現象により錯覚・認識した手が思った以上に危険な箇所に近づき被災してしまう、という効果を利用している
・箱型の筐体に必要な機器をすべて収めており、煩わしい設定なく、ボタン一つで起動・終了を行うことができる
・筐体にHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が固定されているため、通常のVRシステムに比べ、 HMDを装着する手間がなく、安定した映像提示を実現している
・人間工学に基づいた設計により、自然な作業姿勢で体験できる
・体験者の身長に合わせて接眼部(HMD)の高さを変更(身長160cmまたは170cm)することができる
・3つの災害事例コンテンツ(巻き込まれ災害、挟まれ災害、被液災害)が含まれる
・要望により、様々な災害事例コンテンツを追加することができる
・高解像度(2880×1600pixel)の立体映像と、広視野角(対角 110度)により、高臨場感のある体験ができるようになった
・同製品は以下の特許技術を基盤にしている
 ①早稲田大学、三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社との共同特許(特許第4906397号)
 ②早稲田大学との共同特許(特願 2020-098975) ・同製品は自社開発VRソフト「オメガスペース」を使用している

■製品概要

名称:危険誘発体感装置「セーフマスター」
価格:8,280,000円(税別)
※諸経費(会社経費 10%)は定価に含まれる
※納品日から1年間の無償保守が含まれる
※運送費、設置費、及びそれに伴う、技術者派遣費、出張経費など別途必要
販売開始日:2020年6月8日
目標販売台数:初年度50台
開発・販売:株式会社ソリッドレイ研究所 監修:早稲田大学 河合隆史教授(博士(人間科学)、認定人間工学専門家)
コンテンツ:同製品には以下の3つの災害事例コンテンツが含まれる
・清掃編(巻き込まれ災害)
・金属プレス編(挟まれ災害)
・液抜き作業編(被液災害)
オプション:
・オリジナルコンテンツ/オリジナルデバイス(切創対応コンテンツ/デバイス、巻き込まれ対応コンテンツ/デバイス、感電対応コンテンツ/デバイス、など)
・各身長対応機能/衛生用品/運用用品など
用途:
・製造現場における労働災害防止のための教育研修
・過去の災害の追体験
(労働災害防止啓発活動等)
・製造の組立工程・手順などの教育
・職場の達人の技を体験・習得できる技能伝承(※)
・手術などのシミュレーション(※)
・アミューズメントへの応用(※)
※視線計測機能の活用を期待

筐体サイズ:W690mm×D680mm(最大)×H940mm(※接眼部の突起含む)
本体重量:45kg
電気容量:700W
動作環境条件:温度10~35℃、湿度20~80%
体験に必要なスペース:W1000mm×D1500mm