>   >  画龍点睛:Vol.108 Drawing Tropical Fish
Vol.108 Drawing Tropical Fish

Vol.108 Drawing Tropical Fish

子どもの頃、よく暇な時間にプリントや広告チラシの裏に落書きをしました。ノートや教科書も落書きだらけ。もし落書きが動きだしたらとても楽しいでしょう。そんな気持ちで今回の作品も落書きしてみました。

※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 254(2019年10月号)からの転載となります。

TEXT_早野海兵(GARYU)
EDIT_海老原朱里 / Akari Ebihara(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada

Method 1:アナログで描くこと


▲これはアートディレクターの仕事をするようになってから、特に考えるようになったことですが、上の役職になればなるほど、正確な判断が何よりも早く求められます。3DCGによる表現はときとしてとても時間のかかるもので、上の立場の人間が最初に時間を取ってしまうと、チームの作業時間を大幅に削減してしまうという問題もあります。スケッチのような身軽な作業で、3D空間のレイアウトまでこなせないものか? 今回紹介する手法はそのひとつの解決策のように思います。きっとこれからはもっとアナログとデジタルの境界は薄くなっていくのでしょう。

Method 2:イメージを固める


▲毎度おなじみのイメージを固めるまでのながれです。頭の中の考えを文章化したものなので、たどたどしいですが......。今回はこうした思考を経て、作品のモチーフとつくり方を決めました。

Method 3:ゼネラリストの強みを活かしたシーン作成

1:落書きをモデルにする

今回はBlenderを使用しました。手描きの落書きをCGにしたいと考えたときにベストなツールだったからです。昔は手持ちのツールでなんとか工夫をする風潮もありましたが、昨今は様々なツールを駆使して作品をつくるのも一般的になってきています。大事なのはソフトがあるから画をつくるのではなく、つくりたい画があるからソフトを使う、ということですね。とりあえず試し描きしてみましたが、ツールというものは面白くて、初めて触ると楽しさが先行し、なかなか手がついていかないものです。



▲平たいエンジェルフィッシュを基にした魚を描いてみました。平面的な表現で、まずは簡単なものから。


▲ここでニシキテグリに挑戦。だいぶ操作に慣れてきたので、思いきって描いてみます。しかし、少し小さかったようです......。


▲画の中に主役がほしいと思い、最後にミノカサゴを描画。


▲これをモデルとして作成してみました。普通に作成するよりだいぶアナログ感が残っています。


▲背景のサンゴやワカメのような海藻も手描きで作成。

2:シーン作成る


▲話は変わりますが、新しいパーティクルシミュレーションのプラグイン「ty flow」(docs.tyflow.com)。とても便利で、Particle Flowの代わりを務めてもらっています。


▲Particle Flowのインスタンスだと相当な重さになるところが、ty flowだと各段に軽いです。


▲今回、レイアウトには悩みました。二次元の落書きが三次元になることで、レイアウトの幅がかなり広がり、なかなか決まりませんでした。


▲最終的には最も二次元らしいレイアウトに収めましたが、これを動かしてみたいですね。

Method 4:コンポジット


▲コンポジットには8Kでレンダリングした素材をそのまま使用しています。


▲二次元的なレイアウトもここまで大きな解像度だとなんなくできます。


▲少し体を切ることで画面に緊張感を演出。これで完成です。

次ページ:
Generalist Style 特別篇 3DCGの情報と楽しさを正しく伝えたい!

その他の連載